【高時給】パチンコホールのバイト時給はホントに高いのかどうか調べてみた。
チワッスあしのです。
パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「パチ屋さんのアルバイト時給」について。何か昔からパチ屋さんといえば「高時給」のイメージがあるんですけど、果たして実際の所どうなのかについてチェックしてみました。意外な事実があるかも?
昔は確かに高かった。
筆者が高校の頃やってたバイトは商店街のパスタ屋さんでのホール係だったのですが、そこの時給はたしか650円でした。当時は「そんなもんだろう」と思ってましたが今考えるとだいぶ安い。とはいえバイトの給料というのはその当時の「最低時給」に左右されるわけで。改めて厚労省のページで確認した所、当時の全国平均時給は「637円」、筆者が住んでた場所で言えば「599円」だったみたい。そう考えるとパスタ屋はそんな安くなかったみたいですな。
んで18歳になった筆者は「もうちょっと割の良いバイトはねぇのか」といろいろ探し、結果辿り着いたのが「パチ屋」でした。その時給、なんと950円。パスタ屋より300円も高い。繰り返しますが最低時給599円の県での950円なので、それなりに大盤振る舞いといって良いと思います。
さてこのように。地域差は勿論あると思いますが、かねてよりパチンコホールというのは「好待遇」の代名詞でありました。
もちろん仕事内容がキツいとか(特に昔は)ちょっと怖いとかイメージの悪さもあるんですけども、給与というのはそれとトレードオフになってる部分もあって、待遇と業務内容を天秤にかけた結果、ヨシと思えば働けばいいし無理と思ったらやめれば良いだけの話。バイトを使いつつも今までホールがやってこれたということは、他業種よりもちょっと高いくらいのバイト代というのが、定着率やら応募数を鑑みたギリギリの所なんでしょう。多分安かったら人来ねぇっす。
さてここまで「ホールのバイト代は高い」という話を前提にすすめてますが、実際のデータを見てみましょう。
遡れる一番古いデータをみるに、2005年の「パチンコホールスタッフ」の全国平均賃時給は「1137円」だったとの事。これは旧インテリジェンス、今で言うパーソルさんが発表してるレポートの数字になります。んで同じ時期の全国平均最低時給がいくらか。これは厚労省の発表で「668円」です。その差なんと「+469円」。同じサービス業でもアパレル系なんかは最賃ギリギリがデフォなのと比べると明らかに「高い」です。
ただ、最低時給は2014年あたりを境に急激に上昇しています。今年の全国平均最低賃金は「930円」。15年でおよそ1.4倍に上昇した計算です。それに対し現在のパチンコホールの時給はカカクコム運営の求人サイト・求人ボックスの集計では全国平均で「1164円」と15年間で横ばいを続けており、相対的に「あんま高くなくなってます」。
2005年
全国平均最低時給 668円(厚労省調べ)
パチンコホールアルバイト全国平均時給 1137円(旧インテリジェンス調べ)
2022年
全国平均最低時給 930円(厚労省調べ)
パチンコホールアルバイト全国平均時給 1164円(求人ボックス調べ)
パチンコホール派遣社員全国平均時給 1366円(求人ボックス調べ)
もうひとつ、2005年当時と現在を比べて大きな違いとして、「人材派遣会社」があらゆる業界で幅を効かせまくっとるというのもあります。今はある程度長期に渡って働く意思がある人はバイトよりも人材派遣を利用することが多いと思います。どうやらパチンコホールにもその波は来てるようで、そっちのデータを見ると全国平均時給が「1366円」でした。
さあこれなんですけども、正直派遣社員で1366円というのは高くもなんともないというか、むしろ低いほうに入ります。低時給の代表格である「コンビニ」をみると、こんな感じ。
2022年
全国平均最低時給 930円(厚労省調べ)
コンビニアルバイト全国平均時給 982円(求人ボックス調べ)
コンビニ派遣社員全国平均時給 1340円(求人ボックス調べ)
コンビニで派遣社員なんぞ使うわけねぇだろと思うかも知れませんが、実際調べてみたところ似たような求人がボロボロ出てきました。しかもマネージャーとかじゃなくて店舗部員です。だから普通にレジ打ったりする系。つまりバイト募集しても人が集まんねぇから仕方なく派遣社員を募っとるわけですな。んでその仕方なく、の金額とパチンコホールの給料がほぼ同じ。というかサービス業全般の派遣社員がだいたいこのくらいのボリュームゾーンに収まってるので、残念ながら現在、パチンコホールスタッフの時給は「バイトはまあまあ高く、派遣は高くない」という結論に達します。
そういう話じゃねぇんだよな!
あくまで上記は「アルバイト」「派遣社員」の話です。パチ屋の給料が高い、というのはそういうんじゃなくて、もうちょっと「社会のセーフティネット」的な意味が強いのを忘れてはなりません。
例えば以前とある店長に話を聞いたのですが、その昔パチ屋というのは「住み込みで働くのがデフォ」だった時代があるそうです。そしてその住み込みというのは大体が即日入居可になっており、要するに「やむにやまれぬ」何らかの事情がある夫婦が家族で入居し、住処と職場を与えられ、人生の再建を行うといった、社会的にたいへん大きな意味があったとのこと。
そういう「やむにやまれぬ」事情を抱えた人はまず住む所がなく、従って碌な職にもありつけません。そこへ来てパチ屋は少なくとも確実に、かつまともな給料は貰えるわけで、非常にありがたい場所だったと推察されます。そういう人にとってみれば紛れもなく「高時給の夢の職場」であった事でしょう。
また「社員さん」になった場合はアルバイトさんとかとは全然違った話になりまして、そっちの方は未だ数字的に見て他業種と比べ「好待遇」だそうです。もちろん激務ですしパワー系の変なクレーマーの相手とかもしなきゃいかんので大変な仕事だと思うのですが、貸借対照表的な意味で法人のパワーが強い所も多く、社内でパチンコじゃない別事業を立ち上げてそっちの方でトップを目指したりとか、そういう尖ったキャリア形成に夢が持てるのもヨシ。パチにこだわるにしても、ホール勤務経験者は例えばコンサルタントへの転身という王道のジョブチェンジの道もあります。
そういう入り口として考えるのであれば「パチ屋さんのバイト」というのもまだ全然夢があるのでは。とか思ったり。もちろんパチンコ業界時代の行く末が盤石であることが大前提なのですけども……。
記事の企画で1日だけパチ屋さんのスタッフをやったんですが、めちゃくちゃ面白かったです。マジでオススメ。
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