【ポパイ】恐らくパチスロ史上で最もハードルが上がってしまった機種を振り返る
チワッスあしのです。
いつもありがとうございます! パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「ポパイ」について。2005年のサミーの機種です。多分これ、パチスロ史上で1番か2番目に発売前のハードルが上がっちゃってた機種でしょう。考え方によっちゃ非常に可哀想な機種ですが、どういう経緯でそうなったのかちょっとおさらいしてみます。どうぞ!
システムはこんな感じ。
「ポパイ」の基本的なスペックはA400のストック機でした。ボーナス放出契機は「ポパイチャンス」というボーナス高確率状態。ちょっと特殊だったのが、これが個数で管理するタイプじゃなくて状態で管理するパンク式のシステムになってた事で、近いのでいうと「アラジンA」のATシステムみたいな感じでした。同じく状態管理の高確率状態を利用したストック機としては「秘宝伝」がありますが、仕組みとしてはこっちのが先です。
フローはこんな感じ。まずは通常時にチャンス役である「ほうれん草」を揃えてモードを上げる。モードは基本となる「低確率」の他に「高確率ショート」と「高確率ロング」があり、それぞれ転落率が違う。で、高確率中は毎ゲーム1/14で10ゲームの「ポパイチャンス」の突入抽選をしてますが、これはいわゆる演出用の「見た目高確率」じゃなくてガチの高確率になっており、まあとりあえず入りさえすれば結構な頻度でボーナスに結びつく仕組みとなっていました。ちなみにボーナスはBIGとREGの2種。なので上手いこと「ロング」にブチ込んでいい感じに「ポパイチャンス」を連させ、そんでBIGに偏ればそれなりに出玉が取れると。そういう仕組です。
んでこのポパイなんですが、個人的には決してつまらないわけではなかった。のですが、初打ちの時の感想としては「ポパイチャンス」が失敗することがあるのがどうにも気持ち悪かった。というのもこれ、当時の機種としてはかなり演出がハデな部類でして、ポパイチャンス突入時もバックライトがビカビカしてサイドランプもグァッと緑色に輝きつつ「ポッパイチャンス!」って祝福してくれますし背景も宝の山なので、ここから更にガチ抽選を経てようやく当たりというのがどうにもまどろっこしい感じがしちゃうというか。せめて突入時点でREG放出は確定にしといて、あとはBIGへの格上げチャレンジとかにしてくれてると全く評価が変わってたと思うのですが、時代的にまだ爆裂機の残り香がかなりあった時だったこともあり、少なくとも筆者は「当たりが遠いな!」という印象を持ってしまいました。
これがあと1年ちょいして「秘宝伝」が出る頃になると、もはやこっちも色々覚悟完了してるので。「高確率」でいくらスカろうとも「仕方ねぇな」で済ますようになってて全然気にならなくなるんですが、そういう価値観が変容する過渡期の、エアポケットみたいな部分にスポッと嵌っちゃった機種だと思います。もちろん、実際に同時期の機種としても6の出玉率が低いんですけどもね。
北斗の後継機(なわけない)
はいそしてこの機種が悲劇的だったのはスペック的な部分もそうなんですけども、サミーブランドとして「北斗の拳」のあとに出た機種だった、というのもデカいです。ご存知「北斗の拳」は販売台数約63万台のモンスターマシンでした。専門店までボコボコ建つ勢いで売れに売れてたわけで、当時のパチスロといえばもう「北斗」な人も多かった。実際「北斗世代」なる単語も生み出されて、そればっか専門に打つ若者も多かった。したがって、その後に出た「ポパイ」はなんか知らんが実質後継機とみなされており、今考えるとそんなわけないんですけども、発売前の段階で既に約束されし神台みたいな扱いで期待してる人も多かったです。
お店もお店でこのポパイをめちゃくちゃ大量導入するところが結構あり、まあ「北斗」の後なんでハードルがメタメタ上がるのは分かるんですが、それにしても偉大なる先発の影響により、生まれる前から超巨大な十字架を背負っていたのは間違いない。初打ちに関しては、打つ方も「ポパイ」というよりも「北斗の後釜」を打ってる気分だった人も多かったと思います。もちろん筆者もそう。だからこそ「ポパイチャンス」でスルーして液晶中のポパイと一緒に「何だ何だ?」となったわけで。発表段階の妄想ではCタイプのバトルボーナス方式だったり、連チャンしたらブルートが昇天したり、オリーブがケーン!っていって復活したりとかそういうのだったんですけども、まー全然違った。言うわけないんですケーンとかオリーブが。なのでこれは勝手にハードルを上げてた……というより、北斗のマイナーチェンジバージョンを求めてたんですね。
まー、色々ウムムという部分はあったのですが、世間一般で言われるほど無茶苦茶な台ではなく。上がりすぎたハードルのせいで、異様に駄目出しされた機種なんじゃねーかなと。ポパイに関しては筆者はそういう風に思ってます。
そして翌年にはあのSEが出るわけで。これもまた偉大なる初代北斗のおかげであべのハルカスくらいハードルが高くなってた機種でした。
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