【鬼浜爆走愚連隊】ヤンキー文化をパチスロ化。ヒットの秘訣は「笑える世界観」?

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チワッスあしのです。

 

いつもありがとうございます! パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「鬼浜爆走愚連隊」について。4号機末期の名機です。シリーズ化されファンも多い機種ですが、これ最初出た時は大変な衝撃を受けたものです。ちょっと振り返ってみましょう。どうぞ!

 

 

システム面をみてみましょう。

 

スペック的な要因でヒットしたわけではない?

 

初代の『鬼浜爆走愚連隊(以下・鬼浜)』は2005年にリリースされたアビリット(銀座)の機種。システム的にはA500タイプのサイレントストック機で、主なボーナス放出契機は「ゲーム数消化」とボーナスが内部成立した際に行われる「解除抽選」。そして特定小役成立時に溜まっていくポイントによる抽選である「鬼メーター」の3つ。

 

独特なのは「鬼メーター」で、これはチェリー・ヘルメットの複合役成立時、チェリーの一部、メイン小役の一部で内部ポイントが最大で5Pまで加算されていき、また加算されたタイミングで蓄積数に応じた解除抽選が受けられる、というもの。ただこれは最大の5個まで溜まっても解除率は25%。なので重要度はそこそこといった感じ。

 

それより大事なのはゲーム数消化でのRT解除。これは「通常」「ハマリ」「連チャン」のモードの影響を強く受け、またそのゲーム数の振り分けに「かなり分かりやすい」特徴あり。

 

天国はおいといて、「通常」と「ハマリ」のRT振り分けがある程度共通しており、特に「321~448」は大変重要な数字だった。ここは通常モードなら40%程度、ハマリモードなら10%ほどの振り分けがあるゾーンで、しかも振り分け自体に設定差はナシ。あるのはモード移行率のみで、かつ高設定ほど「通常」の滞在比率が高まる仕様上、ここだけ狙ってれば理論上の勝率はたしかかなり高くなってたハズ

 

また128ゲームまでに放出確定の連チャンモードへは全ての設定で移行率50%オーバー。BIGの獲得枚数が多く、さらに消化中に4G連の抽選(仁義なき戦い)があることから、「ハマリモードにいかず」「連チャンモードをループし」「BIGに偏れば」一気に大量獲得が見えなくもない仕様でした。

 

もちろん低設定ではハマリモードループ(最深1280G)も全然ある上にBR比が全設定共通で62:38とそこまでBIG偏重というわけでもないため、甘く見てると大やけどする場合もあり。

 

正直、「狙いがはっきりしてる」という事以外はそこまでヒットする要因はなさそうな……? という台でした。 が、この機種に関してはそういうところは割りとどうでもよく、ヒットの理由は全く別の所にあったんだと思います。

 

 

番長とつっぱりの対決

 

「誇張しすぎたつっぱり」の世界観が昭和最後期生まれの男性のツボだった

 

2005年のメガヒット機種といえば大都技研の『押忍!番長』です。

 

これもザコシショウの「誇張しすぎ」系に似た面白さで「バンカラ」という世界観を上手いこと演出に落とし込みプレイヤーの笑いを誘う台でしたが、鬼浜は同じく……というか更に突っ込んだ「誇張しすぎたつっぱり」の世界観で、ホールを爆笑のるつぼに叩き込んだのでした。

 

「番長」と「つっぱり」。これはニアではあるんですけども世界観は全く違う。番長の方は「男臭さ」を逆手に取って笑いに変えるのを基本としてるのですが、鬼浜は「アホくささ」を前面に押し出してもっとストレートに笑いを誘う機種でした。

 

いわゆる「愛羅武勇」「夜露死苦」みたいなヤンキー漢字はもちろん、前兆ゾーンが「かっ飛びゾーン」であり、しかもその突入演出は全面液晶による主人公リュージのアップでセリフが「ぶっこんで行くんで夜露死苦」だったり。また白バイに捕まったら前兆終了であったり。白BIG絵柄に「特攻」って書いてあったり。更に言うと特定条件達成時にはボーナス中のBGMが横浜銀蝿の『つっぱりハイスクールロックンロール』に変化。これもまた2005年という時代を考えてもレトロがすぎ「まさか」の採用でありました。

 

このへんは面白くない人には一ミリも刺さらないネタなのですが、たぶんビーバップからちょっと外れた、昭和最後期生まれの男性にはことごとくツボだったんじゃないかと思います。この世代は「つっぱり」を「幼少期の記憶に微かに残る」「いまは絶滅したオモロいもん」として捉えている節があり、そのセンサーを持つ世代への訴求力は満点に近かったんじゃないかと。しかもいい感じでイジってて笑えますし、これは間違いなく「そういう風に作ってある」。

 

筆者の知り合いにも初打ちの際に破顔しながら打ってる人は結構いましたし、筆者自身も最初は笑いをこらえるのに必死で打ってた気がします。番長シリーズも相当笑いに振り切ってますが、シナリオ管理などの演出システムそのものを度外視して考えると、初代同士の演出対決はギリギリで「鬼浜」に軍配が上がるんじゃないかと、個人的には思っています。名機でございました。

 

 

業界豆知識あしの 画像3ちなみに前作の筐体の名前は「離威禅斗☆魔苦洲(リーゼントマックス)」筐体でした。イカス!

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  • 1:2022-11-28 18:01:32勝てない台は打たない主義ですが、この機種だけは負けても突っ込んでしまいました

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