【アンコウの札】パチスロの設定示唆で使われていた「隠語」を振り返ってみる!

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チワッスあしのです。

 

パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「設定示唆の隠語」について。今はもう駄目ですけど、規制が緩かった時代には「この台がオススメだぜ」みたいな「札」が各台にベシベシと差してありました。どんな札だったのか。周辺事情を含めて振り返ってみましょう。どうぞ!

 

 

なんで駄目になったの?

 

2012年に出された通達によって「札」は姿を消した

 

長くパチンコ・パチスロを打ってる人にとっては「あー、あれね」みたいな感じで特に説明不要だと思うのですが、実際この「札(ふだ)」というのがホールから姿を消してからもう十年近く経ってます。これはわりと重大な出来事なので心に留めといてほしいのですが、現時点でぱちんこにおける広告規制というのはおおむね2012年に出された「ぱちんこ営業における広告、宣伝等に係る風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反の取締り等の徹底について」という通達を指します。

 

すこし解説すると、この「通達」というのは「警察庁生活安全局保安課長」が「各道府県警察(方面)本部長宛」に出したものです。なんで課長が本部長に通達だしてるのか一般の会社に例えるとピンとこないかもしれませんが、いわゆる警察庁の課長の方が各道府県(方面)本部長より立ち位置は上なんですな。

 

んで「通達」の内容を見ると分かるのですが、もともとはその前年に出された広告規制におけるガイドライン(というかルール)が全然守られてねぇので、「その取締を徹底しなさい」というものになっています。取締、という単語があることでも分かるように、内容自体はかなり厳しいものになっています。例えばこういう感じ。

 

4 速やかな行政処分の実施等
広告、設備等規制違反を認めた場合は、営業者等に対して必要な行政指導を行うほか、悪質な形態の違反については、違反状態の解消等を図るため速やかに風営法第25条に基づく指示処分を課し、特に悪質なものについては、風営法第26条に基づく営業の停止処分を課すこと。

 

いわずもがな。「守らなかったら営業停止にしちまえ」と言ってます。タイトル通り、違反者の取締を徹底しなさいと。その他にも「事件化を図ること」など、辛辣な言葉が続きます。

 

これによりホールは真面目に広告問題に取り組む事になり、なんなら営業目的での自発的な情報発信がほぼ不可能なくらいまで追い詰められる事になるのですが、それに代わるように誰かに広告を「発信してもらう」という形の、いわゆる来店取材がメジャーとなっていき、今は「晒し屋さん」がその立ち位置に迫る勢いでグイグイ来ておると。だいたいの流れがそんな感じです。

 

で、この「通達」により店内から姿を消したのが「札」なんですね。これはお店が「この機種は設定いくつ!(かもしれないよ)」というのを暗号を用いて台の上にグサグサ差していく系のやつなんですけど、一時はどのホールも当たり前のように行っておりました。

 

 

隠語がウケる。

 

「アンコウ」=海物語の6図柄=設定6の示唆?

 

当時のホールはあたりまえに嘘をつくというか、期待を煽って肩透かしするのがデフォでありまして、打ち手もそれを分かった上で楽しんでおりました。いわゆるガセイベ、カラ広告なんかは当たり前に存在していましたし、騙されたからといってSNSでボロクソ言う人とかもいなかったわけです。そもそもSNSまだなかったですし。

 

そんな中にあって「札」も当然嘘っこなんですけども、流石に「これは6です」みたいなのは問題があるので、そこは隠語を使っておりました。分かりやすいのは「アンコウ」ですね。「アンコウ」というのはご存知「海物語」の6図柄です。それをして「ああこれは6かもしれないのか」と「察してもらう」というものですね。あと有名なのが月の名前。つまり「睦月」は1月、「如月」は2月みたいな。で6月を表すのは「水無月」なので、その札が刺さってるのが「6かもしれん」みたいな示唆になっていました。

 

んでこれは地域差というか、ローカルなのが死ぬほど一杯あったらしいです。筆者が知ってるのは他にも「課長」とか「部長」みたいな「役職」で示唆してるもの。「30%」とか「50%」みたいな謎の信頼度札もよく見ました。あとは名古屋で打った時は「将軍」って札が差してあって慌てて着座、「他の札には何て書いてあんだろう」と疑問を抱きつつプレイするもついぞ発見できず、よく見たら差してある札全部将軍じゃねぇかみたいなズッコケ体験したり。北斗が流行ってる時代にはそのまんま「レインボー」とか「赤」みたいな色の札もよく見かけました。もちろんレインボーでも6確じゃないです。

 

これらは広告代理店が作ってたりお店が独自に作ってたりとかで分かれると思いますが、特に後者の場合はそれこそ「お店の数だけ示唆の札があった」わけで、日本中のお店の倉庫を探ったら、なんかすげー笑える意外な札とかが一杯出てくるんだろうなぁと思います。栄華さんにデータベース化してほしい……。

 

今思えばわりとむちゃくちゃなんですけども、今思い返すとひとつの文化としてかなり面白かったです。

 

 

業界豆知識あしの 画像3当時見かけたスゲー札は何かありますか?

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  • 1:2022-05-27 13:04:46アンコウは確変でないガッカリ図柄なのに、パチスロだと嬉しい示唆になるというのが何とも面白いですね。自分はこの時期全くスロらなかったのですが、その後規制がさらに強化された後に、夕方にデータランプの色を変えるなどこっそりやってたのには遭遇しています。今は機械の方が示唆してくれますが、メーカーはやっても良いというのがなかなか理解に苦しむところですね。
  • 2:2022-05-27 13:08:41たしかに液晶示唆は信頼度低くてもOKなのはなんでだろう
  • 3:2022-05-27 13:25:00三洋は星矢海王でサメエビアンコウを逆輸入したな。アンコウ座で6確みたいな
  • 4:2022-05-28 13:43:00昔見たのは武蔵vs小次郎、野口五郎vs稲垣吾郎っていうのがあった。
  • 5:2022-05-28 17:51:19ラオウ昇天で設定示唆札というのがあって 店の人がものすごく嫌そうに「タコ」札を刺して行ったのが記憶に残っています (つまり設定1)
  • 6:2022-05-28 21:39:01野球選手の背番号 当時斉藤和巳が66で熱かった 松井秀喜が55で爆裂してた記憶 イチローの51でドキドキもしたな
  • 7:2022-05-30 07:18:36マイホで設定示唆の札ではないけど、田代ま○しの写真が札としてささってあり、「上手くのぞけよ!オレみたいに捕まるなよ」というコメントがついてました。もちろん目には黒い線。店員に札の意味聞いたらリールの隙間から中を覗くと何かが見えるかもだって。私は何も発見出来なかったけど、すげぇ攻めたイベントで好きだったなぁ
  • 8:2022-05-30 10:55:02田代まさし札は草
  • 9:2022-05-31 17:29:17MAXコーヒーが台ランプの上に置いてあったです
  • 10:2022-06-01 20:44:46弊社の海関係プレートは廃止してます。 後店側がお客様に対して射幸心を煽ると言う事で禁止、他の店側は景品類で煽りをおこなってますがね。
  • 11:2022-06-02 07:15:30覆面現金キャッシュバックって札 地元にあった

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