釘の問題が慌ただしい11月【POKKA吉田コラム #12】

POKKA吉田 プロフィール

業界紙「シークエンス」の編集長という立場を持つ、ぱちんこ業界専門のフリーライター。独自の目線でぱちんこ業界に関する著作物を数多く出版している。

11月はぱちんこ業界全体が釘の問題に翻弄された月となった。

 

まずは6日にホール5団体が集められ、警察庁生活安全局保安課大門課長補佐が要請をしている。内容は端的にまとめると、

 

・日工組(ぱちんこメーカー組合)から、検定通りではない状態で出荷していた可能性がある型式が一部あったので回収したいと報告があった

・今後、日工組が通知する見込みであるから、通知があったときには該当型式について可及的速やかに撤去して欲しい

・遊技産業健全化推進機構の通報猶予は(11月末までだったが)、業界挙げての撤去回収が進んでいないと判断できるまで延期を要請(つまり通報猶予は延期)

 

となる。

 

要するに「メーカーが自ら責任を認めて回収すると言ってるから、回収リストが通知されたら可及的速やかに撤去しろ」と言われたわけだ。

 

ここに、保安課お墨付き的なメーカー責任論が一気に拡がった。というか、6日の保安課の発出文書や大門課長補佐の話は、誰がどう見ても聞いてもメーカー責任論である。

 

ところが事態が動く。動いたのは25日。その前に17日に、ホール5団体の一つである余暇進の秋季セミナーにて大門課長補佐が講話しており、その文書はホール5団体に対して、保安課自らが送っている。そして「17日の行政講話について説明する」という名目でまたしても25日にホール5団体が集まった。

 

そのときの大門課長補佐の話(質疑応答も含めて)がまた変わっている。内容を端的にまとめると、

 

・メーカー責任をホールが追及することに傾き過ぎていることを危惧する

・可及的速やかにとは1か月、2か月のようなものではなく、業界側でスピード感を持って欲しいということ

・撤去回収リストから始めるよりもまずは日工組が声明を出すのでホール5団体も声明を出して欲しい(こういう適正な遊技機を販売します、こういう適正な遊技機を導入します、的な)

・新しい適正な遊技機の性能は大きく変わるが、どのようなものが良いかホールが日工組に要望していってほしい

・新しい遊技機が供給できるようになったらリストは段階的に出てくると聞いている

・リストは全てのぱちんこ遊技機を対象にしていないと聞いている

 

これを聞いたら、まあズッコケます。

メーカー責任論に強く業界を誘導したのは6日の保安課発出文書と大門課長補佐の話である。

そして25日にはメーカー責任論に傾き過ぎるな、というわけだ。例えるなら「独りノリツッコミ」ではないか!

 

ホール5団体の中で最大組織である全日遊連は、12月1日に日工組と協議をする予定なので(本稿執筆は11月30日)、もともとは6日の話を受けてこの日に「撤去回収リストが通知される」と考えていた。

というか、私もそう思っていたのだが、25日のまさかの大門課長補佐の変節?で、この日に撤去回収リストが通知されることはない公算が高い。

 

全日遊連は6日の話を受けて、メーカーが検定通りではない出荷をした型式についての回収を図るからそれに協力しろ、ということだから、メーカー責任論が浮上するのは当たり前のことなのだが、そのキッカケを作った警察庁がメーカー責任論や撤去回収リストを牽制したのが25日のこと。

だから12月1日の協議内容もどうなることやらさっぱり見通しが立たないのである。まさに翻弄。

 

2週間ちょっとの間に警察庁がここまで変節?するのが釘の問題である。

11月わかったことは「今後、釘の問題がどうなるか、誰にもわからない状態が続く」ということではないだろうか。

 

いつから新しい適正な遊技機が出てくるか、それはどのような性能なのか、それはどのようなスケジュールで供給されるのか、そしてどのようなスケジュールで将来出てくる撤去回収リストの撤去回収が図られるのか、今、それはわからないまま「日工組とホール5団体の声明」がまず登場するのだろう。

 

何をいつまでにどんなものと入替していくかが誰にもわからないまま。

 

なんだろう、これではまるで「業界総狼少年」である。

「大変だ、大変だ」と言うが、まだ誰も大変ではない。

いずれは大変になることもまず確実ということでは、ホント、狼少年状態に陥った11月であった。

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