撤去ルール遵守が2400枚規制撤廃につながる?9月に起きた各団体の攻防的動きをレポート!

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POKKA吉田 プロフィール
POKKA吉田

業界紙「シークエンス」の編集長という立場を持つ、ぱちんこ業界専門のフリーライター。独自の目線でぱちんこ業界に関する著作物を数多く出版している。

9月、各団体の攻防的動き

 

9月は、旧規則機の撤去に関するパチンコ・パチスロ21世紀会決議の遵守率担保のために、ぱちんこ業界の各団体による施策が目立った月になった。ホール5団体は今年年末期限の一部の機種について11日の延長を要望し、メーカー団体、販社団体、警察庁に了解してもらっている。これは大きな話ではないが、守らない店が出ないようにするということを主な目的にしている。ホールでの遊技機の入替は、地域によってその回数が制限されているところも多い。年末が期限の場合だと、12月の頭には撤去しなければならないというケースも普通にあり得る。

 

さらには警察側の変更承認手続きも年末までやっているわけではなく、官公庁の暦に合わせて数日前から受け付けは止まる。それならば、1月に入ってすぐの入替ということになれば、各ホール団体も「ここまでやったから守ってくれ」と言いやすい、ということもあるそうだ。なお、10月になればホール5団体のうち、同友会とPCSAは合併するので計4団体になる。

 

他にもさまざまな動きがあった。

各団体や大手メーカーらによって決議遵守の呼びかけを徹底したり、あるいは中古機流通協議会が非遵守のところに中古書類発行を留保するように要請したり、さらには遊技機販売業者団体に遵守状況をチェックしてもらうように要請が出たり、はたまた遊技産業健全化推進機構も遵守状況を立入りの際にチェックするということも決まっている。

 

9月の段階で多くの各団体よる、遵守の呼びかけのトーンが変化している。それは「守らないと業界の将来がなくなりかねないぞ」という方向性の物言いと言えばいいだろうか。業界6団体が4月の段階で警察庁と協議を重ねて、この決議内容を守るという前提で5月に警察庁主導で規則改正と施行となったことから、ここで守らないところが多数出てくるということは、警察庁がぱちんこ業界に対して全く信用しなくなるという可能性があるからだ。

 

ぱちんこ業界の信用がないと、たとえば今、準備中の次世代遊技機。ぱちんこなら遊技球が封入されている管理遊技機、パチスロならメダルレスだが、これらの自主規制内容にも影響が出てくる。そもそも、次世代遊技機を今、最速で導入しなければならないホール側の事情はない。メーカー側も次世代遊技機を普及させたいが、同じ性能規制の枠組みだったら誰も買わないわけである。しかし、次世代遊技機も既存機も同じぱちんこ遊技機、回胴式遊技機であるから、法令(規則)上の性能規制は全く同じ。ここに差をつけるなら自主規制の部分しかない。たとえば、ぱちんこの場合は総量期待値、パチスロの場合は2,400枚規制、これらは法令には記述のない自主規制である。

 

自主規制の内容は警察庁の了承があれば改定できる。「総量規制や2,400枚規制撤廃を了承してほしい」という要望が通るかどうかはわからないが、要望する可能性は高いわけだ。21世紀会決議の遵守率が低ければ、当たり前だが警察庁もそのような要望は門前払いすることは確実だろう。

 

こういった「目先の利益のためにルールを守らない、あるいは将来の利益のためにルールを守る」ということがあってルールを守らない店が出てくる懸念がある場合、私はいつも「朝三暮四」という故事成語を想い出す。これは目先を優先する猿を揶揄した故事成語である。

 

今年、ぱちんこ業界はコロナ禍によって長期休業を余儀なくされたにもかかわらず、一部のココロない店のために総バッシングを受けてきた。営業再開となっても、コロナ禍前の集客力には戻らず売上も減少している。既に全日遊連の加盟店舗は8400店舗台になっている(8月末)。このところ、店舗数の減少スピードが油断できないほどになりつつある。

 

ぱちんこ業界は近年、5号機ART問題のために後に5号機マーケットが低迷。遊技くぎ問題でマックス系が大量に撤去。そして規則改正のために新機種の性能ポテンシャルが下がってきた。それをヨシとしないから日工組、日電協は昨年までにそれぞれ規制緩和(遊タイム・リミッタ解除、6.1号機)を実現。今年の春からは新しい規制緩和機によって少しでもマーケットを活性化させる予定だった。コロナ禍はそれを狂わせた。

 

もちろんコロナ禍は日本全国に共通のことであるが、とにかくこの業界は環境悪化がずっと続いている。それだけに、背に腹は、という店が21世紀会決議を守らない可能性を各団体がずっと危惧している。そのために9月は特に遵守率担保のための動きが目立った。もう凱旋の撤去までそう遠くないのである。

 

信用失墜で将来展望が暗くなるということは、信用確保で将来展望が明るくなる可能性の裏返しである。この各団体らの真剣な呼びかけに全国のホールがどう応じるか、今年残り3か月ほどである程度見えてくるだろう。

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  • 1:2020-10-12 18:18:17多数の閉店ホールがでても組合ルールを守るのがよいのか、組合ルールを気にしてはいても撤去せずに営業して閉店しないようにするのか、どちらにも大義がある。前者は警察と業界団体の義理は果たすが、従業員と金融機関をうらぎることになる。このままだと多数の倒産ホールがでるのが見えている以上、一方だけに偏った判断はすべきではない。

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