五輪を通して「恐れの度合い」が二極化?POKKA吉田的コロナ禍への向き合い方とは
POKKA吉田的コロナ禍への向き合い方
東京五輪が終わった。あとは少し間をあけてパラリンピックが開催される。業界関係者は知っている人も多いが、たとえばパチスロメーカー組合の日電協がパラアスリートを支援している。ぱちんこ業界関係でのアスリートへの支援というのはかなり歴史はある。五輪も関係が浅くない選手もいた。その意味では、純粋に個人的に好きな選手や競技、そして業界とのかかわりがある選手をパラリンピックでも応援していこうと思っている。
五輪の開会から閉会までを振り返ると、新型コロナウィルス感染拡大に対する人々の意識がかなり鮮明に分断されていたことに気付く。これは新型コロナウィルスに対するそれぞれの人の評価の違いだ。重症化すれば命にかかわることもあるから恐れがない、というのはたぶん間違っている。ただ、恐れる度合いに明確な格差があって、その格差の存在はおそらく政府・自治体の発信及び地上波を中心にしたマスコミの責任になるのだろうと思う。
昨年春、緊急事態宣言が初めて発出されたとき、ぱちんこ業界は都道府県からの休業要請に応じるように業界の主要6団体がかなり積極的に呼びかけ続けていた。ちょうどゴールデンウィークの期間中は要請に応じた割合が99%ほどに達しており、本来は業界として日本社会に誇るべき対応だったのだが、ごくごく一部の応じなかった店が大々的に報じられ業界全体がバッシングされるという不合理な状況を見た。
当時は経過措置延長と公的融資対象の実現を6団体が風営法議連を通じたりして求めており、実現前夜、という状況だった。宣言下での休業要請は自治体の方針だが、基本方針を政府が決めていることから政府の要請でもある。政府に強く要請した2つのことが実現しそうなときに政府の要請を無視することがどんな影響となるかはおそらく誰でもわかること。このため、このときは業界全体が「要請に応じて休め」という同調圧力をむしろ強化していた。
このバッシングはおそらく医学的な視点では根拠がなく、「コロナ対策のためにぱちんこ屋は休むべき」というのはエセ科学の範疇である。これをほとんどの業界関係者が感じながらそれでも2つの業界の陳情事項を実現するために不合理を承知で多くのホールが対応した。ただし、このときのバッシング以降、特に初の宣言が明けてからは「エビデンスに基づいた対応をするべき」という論調がマスコミ界隈でも目立つようになってくる。
飲食店がマトになってきた昨年の11月頃からは、さらに加えて「休業要請するのなら補償を伴うべき」という擁護論のようなものも浮上した。また、補償が充分でないことから後の時短・休業等の要請に応じない店にシンパシーを持つような報道も増えてきた。この頃から冒頭に触れた「恐れ度合いの格差」が目立つようになってきたように思う。
五輪の開会式のとき、国立競技場の周辺で開催反対のデモみたいな集団がいたということをtwitterで知った。開催するべきという意見も開催しないべきという意見もあることは承知していたが、その格差にあらためて驚いた次第である。かくいう私はいつもは激低評価をしている五輪開会式の各国選手団入場の際にドラクエの音楽が流れて一人宅で大はしゃぎしていたくらいに無観客でも五輪やるべき派である。
ほぼほぼ4年に一度のオリパラは、人による。コロナ禍でなくとも「スポーツなんて興味がない」という層も一定数はいるわけだ。我が家は私だけでなく嫁子もスポーツ(観戦)大好き層なので中継を観ることができるなら観て、観ることができないなら後ほどニュース等でチェックして、という感じだ。だが、これは明確に好みの問題である。「スポーツは人々に夢を与える」なんて命題は真偽で言えば”真ではない”。スポーツと夢の関係でいえば、アスリートそのものが自身が打ち込むスポーツに夢を見ているだけである。それを観戦した人がなんらかの夢を見たりするのはたぶんアスリートの人生とは関係がない。観戦した側が勝手に夢見る「こともある」というだけだろう。これも"たぶん"の話だが、おそらく菅政権が期待したほどの東京五輪日本選手団の大活躍による政権支持率浮上はないのではないだろうか。
話が全く見えないような記述で申し訳ない。要するに「東京五輪そのものにも評価がわかれるのが今の現状」ということだ。すなわち「コロナ禍で空気を読む読まないも人それぞれ」ということになる。
デルタ株の感染力が話題だ。さらには東京がしばしば例示されるが、年配層の感染拡大ではなく20~50代の現役層の感染拡大が目立っている。そりゃ、当たり前だろうと思う。年配層は優先してワクチン接種できたのだから。また、人流の中心も現役層である。今もなお、酒類提供の飲食店をマトの中心に置いている政府・自治体のあり様は、それについても評価の格差はある。西村大臣の「金融機関に圧力をかけさせるかのような」発言に対する反応は市民の本音を示唆している。裸の王様よろしく、政府・自治体のやり方が正しいとは思っていないのだが「酒を呑んで何が悪い」とうそぶけない市民が、少し斜めの行政側の失言に猛攻撃する構図、というものだろう。王様は裸だ、と言えないか、言ってる人で目立つ人たちが少々残念なところが今の日本社会のそのままの様子を示している。
これから盆。昔は盆と正月はヘソに玉が乗っても客は来る、ってなものとして理解されていた。今は暦的にはゴールデンウィークの方が休日連続日数は多い。いろんな事情が重なって旗日と平日との営業上の業績格差よりも、店にもよるが「特日等の認知があった場合は特日か否か」の方が業績に強く影響したりする。実際は特日が本当に特日なら収益は平時の方が上であるべきだし(特日は出すのだろうから)、平時の業績を上げるための特日である。特日と盆が重なるかどうかは数字のレトリックだ。どの数字を特日にするかは店・チェーン側の問題であり、日本の法律上の旗日スケジュールとは無関係である。
知事会は帰省をしないように呼びかけた。コロナ禍はたしかに感染拡大で人命にかかわるが、「帰省というのも人命文脈」というのが私の考えだ。年老いた親などの親戚は、盆や正月くらいしか顔を合わせることができない。今回の盆に帰省しないで来年の盆までに逝ってしまう親がいたとして、これは生き死にの問題に他ならない。ちょっと開けて帰省すればいいというのは現役世代にとっては難しい。私は違うが多くの人は法律上の旗日スケジュールで仕事をしているのだ。
帰省する人に対してもたぶん人々の評価はわかれる。また、今もなお、外で呑むことは評価がわかれる。私は業界歴がほぼ四半世紀くらいになってきたのでそれなりに付き合いは多い。「コロナ禍が明けたら呑みに行こう」としばしば言われるし、これはもはや日本社会の全方位の常套句・慣用句・枕詞みたいになっている。私は昨年は行政側の要請にほぼ100%したがって無駄な外出を完全に控えていた(宣言中)。が、今年はそれはやめた。酒類の提供と泥酔者の入店が各地の条例で禁止されているぱちんこ屋が2回目の宣言でも時短要請対象になったことを知って「政府も分科会もコロナ対策の方針はザルだ」と考えたからだ。なお、コロナ禍以前のように、自分からあちこち呑み歩くようなことは今もしない。誘われたらスケジュールがあう限りは断らない、というだけである。
遊技も同じだろう。打ちたければ打てばいい。盆が昔のデフォ的にぼったくりレベルの抜き幅なのか、逆に見せるために開けるのか、これは店次第である。「こんなときにぱちんこを打ちにいくなんて」という声は、おそらく身内からも出てくる。が、どうせ日本全国が五輪開催の評価でわかれたように、おそらくどこまで行っても交わらない価値観の違い、それはまるでねじれの位置だ。なお、恐れる度合いは強ければオカシイという話ではない。恐れても恐れなくてもどっちが正しいのかわからないが人々は評価が両極端に触れているという話であり、その一義的な責任は政府と分科会にあるというのが私見。経済を止めるなら補償を、という話が飲食店への協力金につながっているが、経済は誰にも直結する。私は昨年からのコロナ禍で昨年もらった給付金の何倍もの仕事がなくなっているが、私のようなフリーランスなのに業界紙会社も背負っているような立場ではもらえる補償はほぼないわけである。そのことに文句は言わないが「ちゃんとしたエビデンスに基づいた対策・発信をしてくれ」とは思う。医者は患者を治療するのが仕事であって、人流を分析するような勉強を資格をとるときにやってるはずはない、というのが本音でもある。
打ちたいなら遊技したらいいし、年配の親が打ちに行くのが心配なら本気で止めればいい。自分が恐いなら打ちにいくような余暇消費での外出は極力避ければいいし、帰省するしないも自分で決めればいい。今の日本社会は打ちに行かない判断をした人を非難する層もいれば非難しない層もいる。そのことを東京五輪で結果論的に感じることになった。ぱちんこ屋は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が拡大しようが延長しようが、原則営業をやめない。ロックダウンするなら別だが、「特定の業種をエビデンスなく不利益要請する」ということに対して、今は業界6団体も昨年春のように「応じろ」とは「言わなくなった」のだ。これは当たり前の話でもある。
マスク着用、手指消毒や手洗いの徹底は既にやってきたしこれからもやる。それ以外は、昨年とは違う個人的な対応をしているのが今年。私のコロナ禍に向き合う姿勢は今はこのようなものだ。
なお、蛇足だが、そんなことを言ってかくいう私は遊技時間は今年も少ない。カネにならない仕事的なことがコロナ禍で増えすぎて時間がないのがその理由だ。コロナ禍関係なく、正直時間が一番欲しいところである。
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