ホール間でスマスロ争奪戦が勃発!11月のスタートまでに揃うのか?
スマスロ争奪戦真っ最中
9月1日付で日工組榎本理事長と日電協兼次理事長の連名の形でプレスリリースが出ていることはご存じの方も多いだろう。スマートパチスロについて11月21日からホールでの営業が解禁という案内であり、まずは4社4機種がリリースされるという案内であった。なお、この時点で4機種でトータル7万台ほどの販売台数見込みとなっている。
プレスリリースの月だったこともあって、今月はスマートパチスロの話題が業界の中心となった。4機種については、既にホール関係者へ実機を見せての販売営業もスタートしているし、4機種ともに設計の中身も各社が案内を出している。それぞれ特徴もあって個々にいろいろ反応もあるが、おおむねというか総じてどうせ全部売れる勢いだ。
スマート遊技機は専用のユニットを接続しなければならず、専用のサーバが店になければならず、そして当たり前だが遊技機もなければならず、さらにはそれらのモノがあったとしても外部管理が法令が許容した条件なのだからデータ通信関係を含めて段取りが必要になる。それらの争奪戦が、8月はユニット争奪戦が目立っていたようだが、続いていた。というか、今もまだ続いていると言っても過言ではない。
まずはユニット。各ユニットメーカーはそれまでの取引実績に応じて当然ながら対応を変える。PSAのCRユニットや認証協のユニットは「どれかがあればCR機(現行規則ではCR機を便宜上P機と呼ぶ)は動く(どれもなければ遊技機が動かない)」という性質のもの。だから、ユニット業者のシェアが大きかろうが小さかろうが、取引先法人はそれぞれだ。大手はたとえばゲームカードとなるが、ゲームカードをほとんど導入していない大手チェーン店もあったりするわけである。だから、「大手ならたくさん入る、中小は全く入らない」ということには「必ずしもならない」という争奪戦である。
さらにはサーバ。こちらはユニット争奪戦が激化した9月よりも前の段階でかなり需給逼迫していた。遊技機1台につき1つ必要なユニットよりは明らかに必要とされる本数は少ないのがサーバだが、高額(普通に100万円単位)のものであり、これが足りないというのも重要だ。たとえば20店舗のチェーンが20店舗すべてで導入できるとはこれだけを理由にしても難しくなったりする。
また、ユニットやサーバはもちろん、各店舗によっては店舗側の通信環境が異なっている。この点は店によってかなり違うので一概に言えないのだが、店舗の通信環境によってはハードルが変わってくるし難易度というか、対応するための速度も変わってくるし、コストも変わってくる。
また、ユニットは新規でスマート専用ユニット導入もあれば、既存のCRor認証協ユニットを再利用するタイプもあって、それらによってもコストや在庫数等も変わってくる。
ただ、基本的には今は「モノがあれば売れる」のだから、遊技機メーカーはもちろん、ユニットやサーバの供給業者も基本的には無理してでも部材を調達して製造しようとしている。
で、それらのモノが揃っててもこんどは工事・施行の問題もある。たとえば11月21日に初日開店をしたいホールが前日までに納品してもらったとして、工事・施行をする人手が足りないケースも地域差はあるが想定内だ。そういったことを嫌う(スケジュールが人手手当次第というスケジュールになることを嫌う)ホールは、自社でやりきってしまうために今月などは社員に各業者へ研修に出して自分でやる、ということを決めているところもある。
ということがいろいろあった9月ということになるが、これはまだ続きがあるというのが私の想定だ。それは「今、決まったはずの予定が10月あるいは11月上旬にまだ変わるかもしれないほどにバタバタしている」ということがあるからだ。
ユニットやサーバ、あるいは遊技機、あるいはもろもろの工事担当など、モノや人手を「手当した」となれば、普通はホール側は一安心である。あとは設備投資に見合うだけの利益が回収できればいいし、6.5号機の時点で収益性が劇的に向上している今、スマートパチスロに収益性の不安を持っているというホール関係者はあまりいない。もちろん中にはスマートパチスロといえども失敗機種もあるだろうが、とりあえず4機種リリースされているのだから全部が失敗するはずもなく、むしろすべて期待されてリリースされてくる。だから「手当したから安心」というのが一般的なこういうときのホールにおける担当責任者の気持ちだ。
これが、日々状況変化の可能性も想定されるように私は見ている。というのも、私が聞いているユニット関連やその他もろもろモノや人手関連の話について、もちろん遊技機そのものについても含めて「あまりに早い段階で『自店はこれだけ確保したから大丈夫』という人が『ものすごく多すぎる』」という現状があるのだ。これは感覚的な話だが数字が合わないと思っている。
全国的にスマートパチスロはまずは4機種でスタートする。もちろん今月来月に適合した機種がそこに割って入ってくることはアリだが、とりあえずは4機種7万台がスタートラインだ。
ところが、今年7月の時点でのスマート遊技機ユニット関連で言えば、「来年3月くらいまでに供給できるユニット本数は10~15万本」というのが当時の私の(そして多くの業界関係者の)想定であった。もちろん出せば売れるのだからユニット業者が頑張ってるという見方もできるが、「スタートで7万台一斉に供給できますよ」という状況に「現時点でなっているはずはない」ということである。
これ、業界にはたまにあるのだが「決まった手当がひっくり返る」ということがある。それは特に半導体などの調達難になったご時世では一般化しており、売買契約書を締結したあとでも販売中止や販売延期は既に業界の商慣習の枠内になった。もちろん台数調整も含まれるわけである。
まだまだ二転三転しそうなドタバタ劇が続く約2ヵ月となりそうな気配が濃厚だ。ただしそれもこれもスマートパチスロが期待できるからホールの需要が急増して供給側がドタバタしている、という、「第三者から見たらうれしい悲鳴」に見える現象である。ドタバタ劇はまだ水面下では続くかもしれないが(続かない方がいいのだが)、そういう状況になるくらいにスマートパチスロに対する期待が高いということが言えるだろう。
なお、既に今月は多くのホール関係者が4機種を見ているし、もっというとたとえば機種にもよるがコンプリート到達時の映像も見ていたりする。まあ、それらは早晩店で分かる話なのでしばらくはドタバタ劇の進捗に注目しながら純粋にスマートパチスロに期待しておきたいと思う。
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