スマート遊技機がコンビニ化出店を促進?POKKA吉田がスマスロ&スマパチ関連の業界動向を解説!
スマート遊技機
個人的には11月21日は、ぱちんこ業界の歴史年表に記述される日だ、ということをいろんなところで言い続けてきた。鏡は12月の導入開始となったが、ヴァルヴレイヴ、バキ、リノは同日から導入が始まっている。
鏡も合わせると現在、計4機種のスマートパチスロが導入されている。既に4機種の性能的な特徴は導入から日も経過したことからご存じの方も多いだろう。性能規制による開発ポテンシャルは、かなり改善して今なお現役の人気機種もある6.5号機よりもさらに上というのが一般的な評価だろう。そういうことを、ずっと今年の前半はいろんなところで言い続けてきた。
もっとも、たとえ社会的不適合機と呼ばれたぱちんこ遊技機、爆裂機と呼ばれた4号機と同様に、性能規制が優位だから多くの客に支持されるわけではない。これは当たり前の話であり、そうであれば海シリーズやジャグシリーズはあそこまで固定層からの支持は集めていないわけだ。
今後もスマスロについては、どのような機種がどのようなタイミングで登場するか注目したい。年内7万台にギリ届かないか、というペースでの設置台数となっているようだが、来年、スマスロのシェアがどのようになっているか。
また、大一商会がスマートパチンコのテストロケーションをスタートすることを明らかにした。12月22日から直営店で、ということになっている(本稿執筆は18日)。よって、どのようなものとなっているかは不明だが、甘系だとかユニットは未発売のものだとか、c時短の有無不明とか、そういう話は現時点で伝え聞いている。
スマスロはテストを休眠店舗で実施していたことから導入開始が初導入であった。スマパチは直営店によるテストロケーションであるが、テストとは言え営業中の店舗での実施である。玉が完全に封入され触れることがない遊技体験を遊技した客がどのように感じるか、気になるところだ。おそらく22日以降は全国から多くの業界関係者が視察に訪れると思われる。
また、テストとは言え営業でもあるのだから「スマートパチンコの初導入日は令和4年12月22日」となり、これはこれで業界の歴史年表に記述されていい日だとも言える。なお、最も重要な日は「スマパチの本格導入日」だろう。
スマスロはカレンダーを揃えて4機種を一斉に、という形をとった。鏡は12月にズレこんだが、そのスケジュールを9月1日の時点で日電協(日工組含む)は公表していた。スマパチの場合は複数機種で同日スタート、という形になるのか、それとも主力機種が登場可能になったら個社ごとに導入スタートとなるのか、今のところアナウンスはない。が、「来春を目指している」ことは今年の時点で公表しているわけであり、型式試験等の状況がよほど悪くない限りは複数機種で同日本格スタートという形が望ましいように考えている。
盛り上がりのためにも、という声もあるが、私はホール側が選択できるように複数機種でスタートした方が良いという考え方だ。スマスロもスマパチも先ほど触れたとおり、すべてが人気機種になるはずがない。導入に耐えうる機種があるかどうかは、複数機種がリリースされた方がその可能性が高くなるのは自明だから、その方が問題がなくていい。
特にスマスロ争奪戦は、ユニット争奪戦の様相も呈していた。半導体関連の調達状況は10月頃からかなり改善しているが、理屈だがぱちんこはパチスロの約倍の設置台数がある。よって需要も単純計算で倍。そもそもスマスロのユニットも旺盛な需要に供給が追い付いていないのだから、スマパチ登場のときにユニット争奪戦の心配はないとは言えないわけだ。
また、ガーデンという屋号で首都圏に展開している遊楽さんが、自社所有の物件住所でスマートガーデンという店舗を遊技産業健全化推進機構の賛同ホールとして登録している。これは物件的にはスマート遊技機専門店と推測できることから、かなり業界関係者の注目を集めている。私としては、スマート遊技機がコンビニ化出店を促進するというシナリオを、将来のぱちんこ店のあり様の一つとして想定していたことから、詳細は一切不明であるが、この店は開店したら全力で応援したいし、こういう店が全国に登場することも応援したい。
そもそも駅前に駐車場もない、ニューパルサーだけ、クランキーコンドルだけ数十台、みたいなスロ専が私が業界に入った頃は当たり前のように存在していた。しかし今は1,000台クラスの大型店にのみ営業上のアドバンテージがあって、小型店は苦戦を強いられており、数十台のスロ専はもはやほとんど見かけなくなっている。大型店を私は否定しないしむしろなんでも揃う百貨店的に良い店舗形態とも考えているが、世の中大型店だけ、というのは違うとも考えている。私の住んでる竹の塚というところは、まだ街の電器屋さんもあれば八百屋さん、魚屋さん、豆腐屋さん、かつおぶし屋さんなども存在している。そういう両方が存在できる可能性をスマート遊技機が見せてくれると想定していたから、スマートガーデンはとても楽しみである。
今年は実にさまざまなことがあった1年間だが、凪の1年間なんておよそどんな人にもあまりないはずである。順風満帆かもしれないし、コロナ禍で経済大打撃かもしれないし、体調を崩して療養の1年だったかもしれないし、多忙なくせにうだつが上がらなかったかもしれないし、プライベートで良いことがあったかもしれない。ロシアのウクライナ侵攻で心を痛めただろうし、安倍元首相が銃撃されたニュースで驚いたことだろう。
私にとってはいろいろあるが、ぱちんこ業界にとっては、今がスマート遊技機元年のスタートで、11月21日にスマスロが本格導入開始、12月22日にスマパチのテストロケーション開始という歴史年表記述の日付が続いている。来年、ユニット関連も含めて今以上に供給が安定すれば、遊技機市場の活性化まで視野に入ればありがたい、という気持ちだ。
今年もこのコラムをご覧くださいましてありがとうございました。
では、みなさま、良いお年を!
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