【お蔵入り】リリース予定の機種は必ず発売されるわけじゃないんだねという話。

チワッスあしのです。

いつもありがとうございます！　パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「お蔵入り」について。ちょいちょい耳にする単語ですが、これはどういう意味で、そしてどういった状況で発生するのか一度確認してみましょう！　どうぞ。

ちょいちょい聞く話ではある。

「お蔵入り」というのは一般的に「進行していた企画」あるいは「製造段階の商材や撮影段階の作品」などが何らかの事情により世に出ること無く封印されてしまう事を指します。

たとえば有名な例に、アイレムが開発していたPS3用ゲーム『絶体絶命都市4』があります。これはタイトル通り都市が崩壊する絶体絶命の状況のなか頑張って生き残って脱出するぜみたいな人気シリーズの最新作になる予定だったものですが、2011年の3月11日に東日本大震災が起きてしまい、その3日後の14日には開発中止が発表された作品であります。震災が影響したというのはあくまで世間の憶測に過ぎないのですが、これによりシリーズの最新作の登場までは7年の時間が空くことになったのでした。

お蔵入りに至る「何らかの事情」というのはこのような災害のほか「役者が事件やスキャンダルを起こした」みたいな人災、さらには単純に「制作費が集まらなかった」みたいなマネートラブルなど、それぞれの業界的な特性も含め多岐に渡ります。遊技業界においても言葉の意味そのものはあんまり変わりませんが、パチンコやパチスロというのが「遊技機規則」という鉄の掟に従って動いているものである以上、中止に至る「何らかの事情」というのがそれに依存しがちなのが独特なところと言えるでしょう。

要するに「規則の変更により機種の根幹をなすシステムの実装が不可能になった」あるいは既に適合を受けた機種であっても「実際の設置許可がおりる見込みが極めて低くなった」「（仕様的な）流行の変化によりリリースタイミングを逸した」などがそれです。ゲームやら映画であれば「制作発表」みたいなのを発売や公開の何年も前にやったりするんですがパチンコ・パチスロの場合はそういう例はほぼなく、「開発中」の企画についてはあまり表に出てきません。常に「発売できるかどうか確実には分からない状況」で開発するのがデフォであり、最終的にはお上の判断になる以上は「作ってます！」っつっても良いことなんかひとつもなく、適合を受けて、検定を通過して、仕様の流行もバッチリで、生産能力も問題なくて、さあいよいよ設置できるぞとなったときに「ティザーサイト公開しました！」とやるのが基本です。他業界のエンタメ作品に比べて発表から稼働開始までが極端に短いのはそういうことなんですな。

お蔵入りなのにホールで観たことある、だと？

じゃあ実際にお蔵入りしたケースとしてどんなものがあるのか。耳にしたことがあるひとが多いのは多分このへんだとおもわれます。ちょっと見てみましょう。

よく言われるのが上のヤツとか。あと良く言われるのが初代の『秘宝伝』で、これも本来ならお蔵入りの機種だった、みたいなのは語り草になっています。

もちろんお蔵入り機種というのは大量にあり、機種名（企画名）が判明してるだけでも数百、表に出てないものを含めるとそれこそ無数にあるとの事です。あとパチンコやパチスロは諸々の事情が整ってなお経営的な判断によりお蔵入りになるというパターンもあり。つまり「売れるかどうか」なんですけども、例えば予想外に開発スケジュールがスムーズに進み発売可能なカードが手元に溜まってしまった際、どれを出すかの判断には「ロケテスト」というのが使われることになります。つまり実際にホールに少数の機種を置いて動かしてみてユーザーの反応を観るわけですな。

んで基準をクリアした機種を発売し生産ライン等を優先的に割り振るんですが、そこで「こりゃいまいちだな」となった機種はお蔵入りになっちゃうそうです。発売可能な機種がたっぷりあるんでその辺は容赦なく切るらしく、このへんは「現状の規則」にタイムリミットがあるからこそ複数の機種を一気に開発する、パチンコ・パチスロ業界ならではの話だと思います。

要するに一般には「お蔵入り」とされてる機種も、人によっては「ホールで打ったことある」というケースがあると。なんとも話のタネになりそうな、羨ましい経験ですな。

攻略ライターさんは直営店までロケテの機種をうちに行くんだって（寝袋装備）