【スマスロモンキーターンⅤ 開発者インタビュー前編】なぜ周期抽選になったのか?初代開発者に「初代」と「Ⅴ」の話を聞いてみた
チワッスあしのです。
2023年12月4日に山佐さんからホールデビューとなります「スマスロモンキーターンV」。スマスロ化してあの超絶名機である初代の打感に近くなってるぞということで早くも話題沸騰の作品ですが、コチラの記事はそんな「モンキーターンV」についての「気になる部分」を、実際に機種開発に関わった開発者さんに直接聞いてみましょうというものです。こちらは三部作の前編になります。
今回インタビューに向かったのは筆者「あしの」と「パン君」。対応して頂いたのは「モンキーターンV」の担当ディレクターであるSENA氏と広報担当のBさんです。
もちろんまだ内部の細かい数値などが判明していない状態で組んだ質問なので、この記事が公開される頃には状況が変わり「なにを分かりきったことを聞いとんねん」みたいな部分もあるかもしれませんが、そこはグッと飲み込んでお楽しみくださいませ!
ちなみに今作のディレクターであるSENA氏はなんと……ゲフンゲフン。あとは本文をお読みください!
それではどうぞ!
まずはアイスブレイク!パチスロ「モンキーターン」の話がバリバリ出てくる!
本日はお時間をいただきありがとうございます。まずはSENAさんの業界歴などについてざっくりお伺いしてもよろしいでしょうか?
はい、業界歴でいうと15年になります。記事で出せるか分からないんですが、実は初代モンキーターンを担当でやっていました。
え!マジですか?あ、でも確かに今作は打ったときに「かなり初代感あるな」って思いました。やっぱそれはSENAさんが作ってるからでしょうか?
そうですね。原点回帰ってわけではないですが、自分も作りながらちょっと気にした部分ではあります。
うわーちょっとビックリです。生けるレジェンドが目の前に…予定では最新作の質問から入るつもりだったんですが、初代の話から伺っていいですか?
どうぞ(笑)
初代の「モンキーターン」って、当時めちゃくちゃ衝撃を受けたと思うんですよ。え、5号機ってこんな事できるの!みたいな。歴史を変えた機種としてよく言われると思うんですね。ただ、僕の理解ではその前に、他のメーカーさんの機種で申し訳ないんですけど「パチスロ天外魔境卍MARU」があって、で、そこでゲーム数管理のARTってのが生まれたと思うんですよ。あれが2009年かな。モンキーターンが2011年ですよね。
そうですね。おっしゃるとおりです。
あれって、参考にされたりとかはしたんですか?
いえ、開発期間が実は被ってるんですよね。なので僕らが作ってる時はあっちも開発途中だったんで、どんな台かは知らずにやってました。噂は耳に入ってくるんでどんなシステムか気にはしてたんですけど、実際に「パチスロ天外魔境卍MARU」の導入初日に開発のみんなで確認のために打ちに行きました(笑)
やっぱ斬新なものを作るってなると、どう評価されるか全くわからないですもんね。そういう意味では先人がいるってのは助かる部分もあるのか。僕、ゲーム数解除のART機の【完成系】は「モンキーターン」だと思ってるんですよ。ボーナスの有無って皆が思ってるより遥かに大きいんじゃないかなと思っていて。
はい、そうですね。ボーナスを外したのは「モンキーターン」からです。
ですよね。あれめちゃくちゃ冒険じゃないですか。だってボーナスないんですよ?12年経ってるのに未だに信じられませんもん。ボーナスがないってどういうこと?みたいな(笑)
ついてて当たり前の時代ですからね。やっぱりそこはネガティブでした。え、ボーナスないの?どうやって出玉増やすの?みたいな。でもそれってボーナスの有無に限らず、初めてのことってなんでもネガティブに感じやすいんですよ。でもどこかのタイトルが何かしらのチャレンジをして、それで高評価を得ると雰囲気が一気に変わる。実は当時はどのメーカーもボーナスを外したがってたと思うんですよね。絶対そうだと思います。でもそれを最初にやるメーカーがなかった。
やってみないとどんな反応になるか分からないですよね。
ホールさんとしてもボーナスなくて大丈夫なのかな?お客様が打ってくれるのかな?ってなるのかなと。「モンキーターン」っていう作品を手掛ける時に、今はもうスロットを打たれる方であれば広く認知して頂いてますが、当時はまだ若いコンテンツでしたので知らない方もいました。なので他とは違うカラーを出さないと市場で埋もれてしまう…って思ったんですね。プロジェクトメンバーを含めそういう認識があって、ある程度思い切った決断をしないと難しいかもなって思ってました。なので勇気を持ってボーナスをつけないっていう選択肢を取った、みたいな感じです。結果的にやってよかったと思います。
あとは「モンキーターンシリーズ」といえば、「全速」だと思うんですよ。上乗せ特化ゾーン。特化ゾーンを初めて搭載したのは「皆伝丸」っていう機種らしいんですけど僕はあんまり覚えてなくて「全速モード」で初めて「同じARTでも上乗せに特化した区間がある」っていうのを体験したんですよね。「なんだこれ!」と思って。まじでイスから尻が5センチくらい浮くというか。やべえ衝撃でした(笑)
実は「全速モード」って最初は想定していなくて、開発の最後の最後にギリギリで搭載したんですよ。
え、そうなんですか!
はい。ほんとに最後です。A+ARTってボーナスとARTのセットやゲーム数という二軸の楽しみ方があるじゃないですか。これがARTだけだとなんか物足りんかったんですよ。だから何かを加えて二軸にしようってなった時、ボーナスみたいな感じで当たるものとして「全速モード」を急遽付け加えた感じです。ただその代わり、全体のバランスを取らないといけないので、初代の全速は威力がそうでもないんですよ。最低限20〜30ゲームくらいは貰えそうだな、くらいの性能。なので上乗せの期待値はそんなに高くないけどベルナビが出れば必ず乗せる、みたいな形になったんですね。
あーたしかに!A+ARTはレア役引いて上乗せとボーナスの両方に期待するのが楽しいですもんね。それを特化ゾーンに置き換えたのがきっかけだったのか〜!特化ゾーンのハシリですよねぇ。そうやって生まれたんですなぁ。
ほんとにギリギリのタイミングですよ。でも入れてよかったです。
ちなみに「モンキーターン」をゲーム数管理ARTで作ったのって何か理由があるんですかね。例えば40Gのセット固定で長いレースを見せる、みたいな作り方とかもあったと思うんですよ。
わかります。実際、最初はセットのゲーム数固定で作ってました。
やっぱそうなんだ!
あの時期だと「緑ドン」とかもセット式で、わりと一般的だったんですよ。ただ自分は「忍魂」が大好きで……。
なるほど。そうか、その時期か……!
「忍魂」を打った時、こんな面白いゲーム性あるのかと衝撃で。どうにかして自分たちの作品にも取り込もうと思い、チームのみんなに相談して一気に全部変えました。やり方次第でいくらでも見せ方を変えられるじゃないですか。
結果としてそれがゲーム数上乗せ特化ゾーンにつながるわけで、足立区で打ってた俺の尻をイスから浮かすわけですよ。なるほどなぁ。て考えると、やっぱパチスロっていろんな台が互いに影響を与え合いながら進化してんだなぁと思いました。
継承と進化!「モンキーターンV」の魅力を聞く!
では最新作の話にいきましょうか。すみません初代の話ばっかり…。
いえいえ。結局今につながる部分の原点ですからね。
ありがとうございます。それでは早速、「スマスロモンキーターンV」の開発コンセプトを一言で表すと?
一言だと「継承×進化」ですね。
なるほどなるほど。ほんとに一言っすね!
あんまりこういうコンセプトとかを意識して作ることはないんですけど、今回でいうと自分自身が「初代に関わった」っていうのもあるので「継承」というのは強く意識しました。「Ⅳ」の時期よりもスマスロのほうがやれることは増えてるわけですし、「よりモンキーらしい」「初代に近い打感のもの」を再現できるんじゃないかと。変に奇をてらってっていうよりは、5号機の打感により近いものを作る、ですね。
あとは「進化」ですか。
そうですね。進化の部分も結局「スマスロ」という新しい仕組みでの開発だったので、これも分かりやすい部分ではありますね。
スマスロ的な部分でいうと今回は上位AT「青島SG」が特徴ですね。突入時は純増枚数約4.0枚/G……!
「IV」が出た当時って純増枚数はウリにならなかったんですよ。高ベースの超純増っていうのが当たり前だったので、純増約4.0枚/Gですっていっても「はぁ?」で終わりだったんですね。今の時期だからこそ上手いことバランスを取りながら純増約4.0枚/Gの上位ATっていう見せ方ができるので、この辺は明確な進化だと思います。
その他のスマスロと比べて優れているポイントといいますか、今回の売りになる部分はどこですか?
難しいですよね…。モンキーターンの面白いところを一言で表現してくださいって言われたらどうです?
いや、無理ですね!
ですよね(笑) 結局モンキーってどこかに特化した面白さじゃなくて色々なところにモンキー「らしさ」が散りばめられてると思うんですね。その「らしさ」のうち1個がなくなると「えー!それでモンキーなの?」ってなるんですよ。
確かに!
その「らしさ」の部分は打感とかそういうところまで及んでて、結構難しいんですよね。単純に演出とかそういう話じゃなくて。枠がある程度決まってるって言い方はあれですけど、モンキーはもうモンキーなんですよ。
すごいわかりますね。
初代が好きだったライターさんや媒体さんが取材に来られた時に「どの辺に初代感がありましたか?」と伺うと、大体みなさん「どこ」という部分ではなく「全体的に感じた」と答えられていました
いや〜。全体なんすよ。結局全体なんですよ(笑)
なのでどこを見てほしいとかと言われると、もうシンプルに「全体」ですね。
なるほど(笑)
今回スマスロ初の「モンキーターン」ということで、逆にガラッと変えるタイミングでもあったと思うんですよね。開発の中で「思い切って変えちゃおうかな」みたいなのはなかったんでしょうか。
僕が担当しなかったらそういう話もあったかもしれないですが、単純に「普通のモンキー」が作りたかったんですよ。
たとえば北斗の拳みたいなサイレントなツラヌキもあれば、ガッツリ尖った仕様にシフトする可能性もあったんですけども。あくまで僕らがやりたかったのは「普通のモンキー」なので、そっちにはいきませんでしたね。それでいうと前作の「IV」はあれはあれで面白いんですけど、5号機のモンキーと一緒の打感ですか?って言われたら、ちょっと違うのかな?ってなると思うんですね。
確かにスマスロに寄せてガッツリ変えるタイミングではあったんですが、「そうしたくなかった」というのが答えになります。
SENAさん含めて愛深き人々がこぞって作ってると衝突もあると思うんですけども、開発過程で最も議論したり揉めたりしたポイントっていうの何かありました?
新要素全般ですね。新要素ってやっぱり良くも悪くも揉めます。
そりゃそうか…。あと今回は通常時が周期になってるじゃないですか。これは結構揉めたんじゃないですか?
もちろんです。始めに周期抽選って言ったときにはチーム内でも反対した人が多かったんですよね。いわゆる一般的な周期抽選だと通常時が間延びがするっていう。
ですよね。僕も周期抽選は実はそんなに好きじゃないです。ただ今作に限っていえばそんなに違和感なかったんですよ。むしろゲーム展開がテンポアップしてる感じで、初代よりも通常時が苦にならなかった気がします。
ありがとうございます。結局目指すところは「優出」ですし、その間隔も従来のゾーン間ゲーム数を意識してます。いわゆるテーブルに近い形ですね。なので従来のモンキーと比べてもそこまで大きな違和感はないんじゃないかな。ただこうする事でレア役の扱いはだいぶ代わりました。これはいい意味で、です。
あ、それ思いました。「超抜」に加えて「激走」ですよね。ゲーム数の短縮がついてるみたいな。
プラスアルファもありますしね。レア役でストック取ったり。
頻度もガッツリだし。周期にするとレア役が活かせるって利点もあるんだなーと打ちながら思いました。
今回の「モンキーターン」は周期抽選になりました!って打ち出すとユーザー的に「ああ…やっちゃった」ってネガティブ要素に捉えられちゃうと思うんです。でも実際そうじゃないんですよね。僕はここは「進化」だと思っていますし、実際に打っていただくとそう感じていただけると思います。
そういえば編集さんまだ試打してないですよね?
まだ打ってないんですよ。
周期って聞いた時どうでした?
正直ちょっとこれは大丈夫か…?って思いました。
(笑)
やっぱり今までと違う仕様なのでユーザーさんは疑惑の目で見てると思うんですよね。「おいおい初代モンキーを打ったことない奴が作ってるぜ」とか思ってる人も居ると思うんですよね。
これがきっとリアルなユーザーの声ですよね。
やっぱり最初は身構えますよね。でも通常が同じだと全体の打感が変わらなさすぎるんですよ。やっぱ通常の滞在比率が1番長いわけじゃないですか。そこに楽しさとか新しさがないとモチベーションが上がらないんですよね。実は開発過程で普通にゲーム数管理でやってみたんですがレア役の虚無感がエグくて…。多分そのまま出したらユーザーさんも「レア役なんも当たらへんやんけ!」って感じると思うんですよ。
レア役の虚無感は6号機の最初期でも嫌というほど味わいましたからね(笑)
それでいうと今作はちゃんと「超抜チャレンジ」からの直行もあるし「激走チャージ」の短縮もあるし。あとレア役からのAT直当たりもありますもんね。だから虚無感はそんなにないかな。
打っていただければ納得していただけるのかなとは思います。好みの話とかもあるとは思うんで「それでもゲーム数管理が良かった」って言うユーザーさんもおられると思います。でもみんな昔の事は全ては輝かしく見えるんですよ。
はいはいはい。わかります。
でも1280Gまで連れていかれた時のことを思い出してみてください。相当キツかったはずです。それで単発で終わったら目も当てられないじゃないですか。そういうことは皆忘れてて、やっぱいい思い出だけが残ってると思います。
確かに。なんか思い出したらヘンな汗出てきます。あったなぁ……。そうか、初代の最深部は1280Gか……。
でしょ?しかも恩恵なしですからね?そのまんま再現したらマズイいですよ流石に(笑)
と、以上がインタビュー前半戦。内容はモンキーターンシリーズ全般について、になっちゃいました。いやぁほんとは最新作の事をメインで聞く予定だったんですけどね、だって初代の開発者さんとお話できるチャンスなんかそうそうないですし、みんなも聞きたいはず。これでヨシ!次!中編です!チャオ!
INFOMATION
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