【スマスロモンキーターンⅤ 開発者インタビュー中編】ディレクターは「浜岡推し」！？気になる新演出について聞いてみた

チワッスあしのです！

こちらは山佐さんの最新作「スマスロモンキーターンV」の開発者さまインタビュー、中編です。前編は予想だにしない事実が判明し予定とぜんぜん違う話になっちゃいましたが（でもめちゃ面白かった）、いよいよ今回からが最新作の内容の質問になります。まずは演出から聞いていきましょうかね。

それではどうぞ！

演出について聞いてみよう！

では演出について伺っていきます。まず開発者様のお気に入りの演出を一つ選ぶとするならどれでしょうか？

最初に作った新演出が通常時の「金魚すくい」だったんですよ。だから思い入れが強いっていうのはあるんですけど、僕は単純に「モンキーターン」の女性キャラの中で青島に思い入れが強いんですよね（笑）

初代の時からそうなんですけど、ありさはチャンス、青島が大チャンス、澄は確定みたいな立ち位置を継承しています。ただ今作は久々にモンキーターンを開発するということもあって、青島をこれまでよりも遊技者により近く感じる立ち位置にしたかったので、必然的に青島の演出が多くなっていますね。そもそも青島の「金魚すくい」って原作には無いじゃないですか。

そうなんですか！？（原作未読）

ないんですよ。青島が浴衣着てるなんてのもそもそもないと思うんですね。金魚すくいVモンキーとかあるんですけど、なかなか笑えますよ。ターンマークもちゃんとあって（笑）

あ、見ましたそれ（笑）

青島の金魚すくいから開発が始まったっていうところがあって、そこからどんどん演出の枝葉が広がっていったんですね。なのでやっぱ演出としての思い入れは特に「金魚すくい」ですね。あの演出はある意味「スマスロモンキーターンV」を象徴するものだと思います。

あれは確かに笑っちゃいました（笑）

原作の「モンキーターン」っていわゆる「日常回」があんまりないじゃないですか。なんかもう常にレースしてるというか、同じ作家さんの『帯をギュッとね！』もそうですけど。基本的にはレースや試合がベースで進んでそれ以外の日常のエピソードがあんまないというか。だから演出を作るのは大変だろうなぁと。

なので「モンキー」の中でもあっておかしくないよなっていうのをゼロから想像させるしかないんですよね。あの時代の感覚だったら、同期連中で「お祭り行こうや」くらいのエピソードはあってもおかしくない。ありえそうなところを極力作るようにしてます。

僕は違和感なかったので。そういう意味では狙い通りなのかなぁと。

原作知ってる人が見て「こんなことやらねえだろ」ってなったら多分バツなんですよ。やっぱ日常回は特にデリケートですね。あと、開発メンバーに原作リスペクトがすごい多いんですよ、愛が深いというか。だからこそ全員が納得いく演出を作るかっていうのが結構難しいんですよね。

ちなみに青島以外でお気に入りのキャラクターっています？

波多野はもちろんですが、それ以外のキャラだとフラットな感じですね。僕の中ではみんな脇役の中でのバランスが良いキャラ達なので、特に誰かを押し出すことよりも皆に平等に登場箇所を与えてあげたいなっていうのがあります。でもどうだろう…もしかしたら浜岡は多少優遇してるかもしれないです（笑）

お気に入りいた！

ああいうキャラクターって演出を作りやすいんですよ。浜岡には印象深いエピソードがありまして、浜岡がカラオケ歌う演出があるんですが、それを作るのがめちゃめちゃ難しくて（笑）

浜岡の声優さんに『Ultimate Running!!～ギリギリZENKAI～』っていうパチスロオリジナルの楽曲を歌ってもらったんですけども、これを浜岡っぽく下手に歌って貰ったんです。声優さんからすると「まずこの歌なんですか？」って感じですよ（笑）

直接演技指導ですか。うそん、ディレクターさんってそんなところまでやられるんですか？

やりますよ。

すげぇ！！

これがなかなか難しかったんですよ。うまく歌いすぎると演出的に面白くないし、下手すぎても分かんないし。とりあえず初めは浜岡単体で録ったんですけど、声だけだとあまりにも……聞くに堪えないというか（笑）

なるほど（笑）

ちょっと不味いぞってなった時、ちゃんとしたボーカル入りの楽曲に例の声を当てることで浜岡が歌をなぞってるみたいな感じになって。「あ、何となくいい感じに聞こえる」「演出的に成り立つ！」みたいな。それで完成しました。

へー！

普通のセリフだけなら簡単に形になるんですけど、歌が入るとすごい難しいんです。そういう意味ではその演出も印象深いですね。浜岡のキャラクターらしさ例えば萩原との掛け合いも好きなんで、ああいう関係性が出せて良かったなと思います。

じゃあお気に入りは一応浜岡。だいたいみんな横一列だけど、半艇身くらい浜岡、みたいな。

そうですね。微差で浜岡です。

ちなみに「ぶっちぎりバトル」中は通常時のライバルレースと同じBGMを使用していてライバルキャラごとの専用BGMが初代から継承されているのですが、浜岡は前作も今作も通常時のライバルレースに登場せずAT中だけ登場するんですよね。そこで何かBGMを用意しなくちゃいけなかったので、初代で使用していた浜岡BGMを復活させました。

なのである意味楽曲でも初代らしさを感じられるようになっています。あと、今思い出しましたけど今回のサウンドは初代の担当者がやってくれてるんですよ。

そうなんですね！

なんで初代メンバーが結構集結してます。

パチスロの開発で初代担当の人たちが集まるのは結構あることなんですか？

なかなかないですね。タイミングとかもやっぱありますし、あと1年したら手伝えるよって言われてももう動き始めますし。今回はある程度そういった面々が集めれたのもツイてましたね。

それ聞くとやっぱファンの人としては嬉しいですよね。うわ、初代のメンバーが集まって作ってるんだ！みたいな。

演出の話に戻りますが、自分では引いてなくてパンさんが素材撮ってるときに見かけたんですけど、『水神祭』ってめっちゃ面白いなと思って。青島が吹っ飛んでいくやつ。

はいはいはい！

あれかなり破天荒だと思うんですが、どういう発想で作られたのでしょうか？

うーん（笑）　今作では青島を中心としたレースを一つの特徴にしたいなと思ってたんですが、何かしら青島のポジションで輝けるシーンが欲しいなってなった時に、原作の『女子王座決定戦』っていう大きなエピソードがあるんです。そこで青島が優勝してSGに行くと思うんですけど、『女子王座決定戦』で勝った時の一つの区切りの要素として何か無いかなってなった時、ボートレースで初優勝したら必ずやる儀式があるのを思い出しまして。

それが水神祭ですね！

原作通りの水神祭を素直に演出として再現してもちょっと弱いので、遊技機ならではのエンタメ感要素を加えるかってなった時に、あの形しかないと思いまして。他機種の表現などもいろいろ参考にさせてもらいながら、あの形に着地しました（笑）。

ああいった突飛な感じの演出って今まであんまり『モンキーターン』シリーズになかったんで、だいぶインパクトが強かったと思うんですよ。

なかったっすね！　あそこだけ『やじきた』なんすよ！

そこはノーコメントでお願いします（笑）

あまりふざけすぎないイメージが『モンキーターン』シリーズだと思うんですが、上位AT中の『水神祭』という特別なシーンなので、少し突き抜けさせてもらいました。

頻繁に来るもんでもないですしね。

そうですね。そしてやっぱりメディアの取材さん含めてこの『水神祭』をいろんなところで取り上げていただいてます。このキャッチーさっていうのが今のこのSNS時代にマッチしてるなと。いけるかどうかわかんないけど、あの演出ちょっと見てみたい！っていうのがあって打ったとして、もし引いたとしたら「この感じの演出なのに、純増約4.0枚/Gでこんなに乗るのかよ……」って、もうそっちの意味でも笑うじゃないですか。

演出はふざけてますけどすごい性能ですもんね（笑）
※水神祭の平均上乗せは約210G

先ほどお話ししたように、『モンキーターン』ってここが面白いって伝えるのが難しいので、SNSとか動画でも取れ高のポジション作りにくいゲーム性だったんですよね。なのでこういうアイキャッチになるような演出って大事なんだなと。ただまああんまりやりすぎると『モンキーターン』じゃなくなる部分もあるので、ほんとに今回の水神祭みたいな「特別なご褒美」の時だけですよね。

あれ引いたら絶対動画撮りたいなって思いますね。

投稿したいですね。いいねいっぱいつくもんコレ。

しかもちょうどいいっすよ、長すぎないから！

「演出飛ばしちゃうからフリーズかけたらいいんじゃないの？」っていう話もあったんですけど、見たい人は飛ばさずに見ると思うんです。だから敢えてカットできるようにしてます。

あ！これフリーズじゃないんですね！

はい、フリーズじゃないです。ちゃんと告知のゲームは見えるようになってるので、飛ばしたかったら飛ばしてもらっても大丈夫です。

閉店間際とかだとイライラしちゃうんで、これは僕は凄くいいと思います。

筐体の小ネタ？なつかしのありさマーク

レース中のチャンスアップは映像的なチャンスアップ要素があえて入ってなくて、代わりに違和感とかパネルランプ要素などの小ネタがあるんですよね？

レース中にライバルが出てくるときに対戦相手が残るヤツですね。ここに違和感が仕込まれてるんで、慣れてきたらぜひ注目してください。

違和感というのは具体的にはどんな……。

例えばこれ、液晶上では波多野が負けた（波多野のランプ消灯した）のに波多野のランプが再点灯すれば……。

あ、なるほど！「憲ちゃん……」がくるわけですね。

そういうランプによる違和感があったりとか、そんな小ネタが多いですね。

うわぁ…全然気づかなかったっすわ…

映像で明らかにチャンスアップ！というより、打ってる人が色々自分で確認したり発見したりしたほうが面白いと思いました。打つ際にはぜひ注目してみてください。

ありがとうございます。ついでに筐体繋がりで続けて質問いきますと、今回新筐体になりますがこれの注目ポイントみたいなところってありますか？

液晶サイドのパネルデザイン部分ですね。「モンキー伝統のドラゴンランプをぶち抜きで大きく表現したい」って筐体開発時に要望しました。

ぶち抜きっていうと…？

伝わりにくかったですね。パネルデザイン裏にはLEDが配置されていまして、LED間で格子のような間仕切り壁みたいなものをつけたりするんです。そうすると点灯時に間仕切り部分の影が見えたりすると気持ちよく見えないので、デザイン部分で影が見えにくくなるように調整をしたりしています。

今回はそういったデザイン制限もなく、気持ちの良いドラゴンランプのデザインにしたかったので、間仕切りのない一枚のぶち抜き構造となっています。「モンキーターン」を新筐体でやるんだったらドラゴンランプをデカくドーンとつけたいなと思ってて、それなら全面ぶち抜きでいきたいという意見を出してこういう形に決まりました。

これ確かに迫力ありますもんね。ブィン！ブィン！って光ると。

ですよね。やっぱドラゴンランプはデカくなきゃ。あとサブ液晶の搭載は決まっていたので、どこに置くのかとかも議論しました。筐体右にドラゴンランプを起きたいからサブ液晶は左にみたいな。かなりドラゴンランプありきで意見してましたね（笑）

やっぱ大事ですからね！　いまサブ液晶の話がでたんですけど、いわゆる設定示唆とか各種示唆はあると思うんですけど、何かそこについて「ここに注目」みたいなポイントってないですかね？

この辺も認知がどこまで広がるか次第なんですけど、「激走チャージ」終了後にサブ液晶をタッチすると色々教えてくれるんですよ。

あ、全然気づかなかった。

「激走チャージ」終了時に、サブ液晶の上下でランプは光ってるので、そのタイミングでタッチしてもらうとサブ液晶の画面が変化して、例えば通常時のモードの示唆とか、設定系の示唆とか、今回の周期であたるかもねみたいな示唆も出るので、毎回触った方が絶対オトクです。

なるほどなるほど。

前作の「Ⅳ」では「勝負駆けチャレンジ」中にPUSHボタンを押したらセリフ色で規定G数までの示唆があったと思うんですが、あのイメージですね。

忘れそう！

「激走チャージ」最終ゲームで「LAST」の表示が出るので、注意してれば大丈夫ですよ。ただ、急いで回してるとついつい忘れちゃうかもしれないですね。

絶対触った方がいいですよね。

そうですね。あと筐体でいうと、液晶左下の隅にありさのイラストがあるんですよ。これ何のイラストか分かります？今回、デザイナーも初代の担当なんですが、実は初代のメダル投入口の裏にあったイラストなんですよ（笑）

あ、あった。確かにこれあった！　これいかにも光ったらアツそうなんですけど、光るんですか？

光ります。ただこいうったオマケ的な要素は簡単に光ったら面白くないんで、とても重要な事を伝える時に点灯してくれますので気にしてもらえると嬉しいです。こちらはお遊びのフカミ要素ですが、サブ液晶タッチはゲーム性にとても関わってくる部分なので、忘れずにタッチしてくださいというのはお伝えしたいですね。

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以上がインタビュー中編の模様でした。後半は各種新要素などについてバンバン聞いていきます！お楽しみに！