改札の影響はどうなる?POKKA吉田が昨年の遊技機市場を振り返りつつ2024年に起きる出来事を予想!

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令和6年遊技機市場はじめにあたって

 

昨年はパチスロ市場、特にスマスロ市場が完全に確立した印象が強い。一昨年11月のヴヴヴ→昨年4月の北斗→昨年7月のからくりが特に重要な機種となった。もっともメダルのパチスロも好調を維持。昨年は沖ドキGOLDで始まり絆天膳で〆たユニはギリギリで帳尻を合わせることに成功している。途中BASARA(名義はエンターライズ)、まどマギということで一時は覇権メーカーだったユニ系の先行きを心配する声も多かったが、一年のはじめと終わりに大成功したのだからまったく問題はない。

 

昨年のパチスロ市場は酷い機種がたとえば他にLエヴァもあるが、SANKYO系はからくりもあっての話。出す機種の3分の1でもヒットすれば御の字の遊技機メーカー職域においてユニもSANKYOも成功確率は高い。

 

成功確率で言えば昨年は印象としては山佐とオリンピアがかなり高いというか高値安定という感じの評価を私はしている。オリンピアは通年で、山佐は特に後半で、出す機種が軒並み及第点を上回る成績になりホールにおいてはひとまず導入するべきメーカーというか機種という感じである。大成功機種(沖ドキGOLD、北斗、からくり、絆天膳など)か大失敗機種(BASARA、まどマギ、エヴァなど)かの二者択一も成功すれば勝ちなのでホールにおいては重要だが、ほぼ間違いなく及第点の成功を収めてくれる山佐やオリンピアの機種を導入するのはとにかくリスクが低いということでホールにおいてはストレス低下にもつながる。おそらく機種選定担当者は山佐やオリンピアの機種を導入するときが一番精神的に落ち着いているはずだ。

 

そんなパチスロ市場の推移とは裏腹に昨年はぱちんこ市場は厳しいスタートとなった。とにかく大海5以外、前半において成功機種がひとつもないのである。島に1~数台設置するような機種で成績の良い機種は案外あるのだが、500台とか1,000台のうち、数台が稼働貢献したからといってそれがどうした、という話である。やはり1列、近年は厳しいが1BOX導入して成績が好調という機種がなければぱちんこ市場としては苦しい。

 

パチスロにおけるユニの帳尻合わせのような芸当を見せたのがSANKYOということになるだろうか。一昨年12月にゴジエヴァが出て昨年8月にガンダムSEEDが出ていずれも失敗。大失敗とするかどうかは店や法人によるのだが、いずれも5万台レベルの台数となっており、近年では最も販売台数の多い部類に入る。私の記憶ではこれをトータルで上回っているぱちんこは近年ではエヴァ15(咆哮)くらいしかなく、昨年においてはスマスロだが北斗がこれを上回った。4年前の源さん韋駄天も上回っているが既に市場からほとんど見なくなっているから除外するとこれくらいだ。そんな「大量販売機種の失敗」でホール職域においては頭痛の原因になっていたSANKYO系ぱちんこだが、年末のシン・エヴァレイが成功して帳尻を合わせている。SANKYO系はからくりもあって、ぱちんこも5万台レベルの製造計画機種以外は初動は安定していることも多いので、やはりホールにとっては重要なメーカーということが言える。

 

ぱちんこ市場においてはスマパチの変遷が昨年はとても重要になった。仕置人がまさかの大失敗スタートでスマパチ市場は混迷する。これはSAOが登場した9月になるまで続いたのでスマパチ市場は昨年9月からスタートしたようなものだ。帳尻合わせというには違うかもしれないが、仕置人でマイナススタートとなったスマパチを原点まで引き戻したSAOもともに京楽である。

 

しかしなんといってもぱちんこ市場は大都技研を中心に展開している。それはこの2年間ずっとだ。Re:ゼロは鬼がかりとseason2が現在の中古市場の価格上位のツートップである。レイが成功しているシン・エヴァだがカヲルが残念であることを考えると、P機の鬼がかりが現時点で3年目に突入しているのに好調を維持し、スマパチのseason2が市場を牽引していることはすべての業界関係者が高く評価しているわけだ。2年前の1月に鬼がかりを導入したホールは鬼がかりの評価を高く見積もっていたというよりも番長ZEROを高く評価していたところがほとんどだったのでこれは大変嬉しい誤算になった。今はぱちんこ市場は大都技研を中心に回っている。

 

ぱちんこには海があり、パチスロにはジャグやハナハナがあって、これらには安定した支持が集まっている。新海物語のような変わった設計ではなく王道設計の海のスマパチ化やジャグやハナハナのスマスロ化がいつになるかはわからないが、期待する声が遊技客にも業界関係者にも多いことは事実である。三洋も北電子もパイオニアもそういう声があることはもちろん知っているが、今年は新紙幣改札の年であり、設備投資を誘発させるスマート遊技機ラインナップ強化には違いないので、市場推移を見ながら出す出さないを検討しているのだろう。これは私の個人的な勝手な予想だが、今年はこういう固定カテゴリとなっている安定重要機種のスマート遊技機化はないかな、と想定している。もっとも私はこういう機種のスマート遊技機化を強く望んでいる者でもある。あくまでもバランス感覚的に今年はないだろうという予想である。

 

今年は3月からのラッキートリガー対応機種登場があるので1月2月にぱちんこの注目機種はない。このため逆説的だがパチスロが2月までものすごくたくさん登場する。スマスロが多いのだが、どうせこの中から数機種は成功するだろうと見られている。そして3月からはラッキートリガーなのだが、現時点では出玉性能追求に寄せた設計が目立っている。ここには私は半信半疑で見ているがもちろん期待もしている。

 

今年、ぱちんこもパチスロもスケジュールとしてはもう一つ進んだ性能規制に関する話が進む可能性が高い。現時点ではまだ書けることは何もないのだが、こういうことも踏まえると遊技機について実はあまり不安はない。少なくとも遊技機メーカー職域にとってはPS問わず今年はかなり楽しみな1年になる。

 

一方、ホール職域にとっては4月からの2024年問題関係。遊技機メーカーの新台運送を1週間前(8日前)とする話があってこれはほぼ決まっている感じだが、他にもかなり細かい点で詰めの議論は今なお続けられている。時間が限られている中、どこまでの対応に最終的になるか、それによるコスト増は発生するのか、というのが1つ。

 

そしてもちろん7月の新紙幣への改札。これに対する設備投資負担はおそらくほとんどの遊技客の想定を超えているものすごいものとなる。これは改札までに閉店するという動きを後押しすることになるが、全体で設置台数を見てスクラップ&ビルド、つまり総台数は横ばいで店の数は減り、大型店が増える、という流れになるのか、それとも改札で一時的に総台数がグッと減るのか、この点は正直わからない。既に年末年始においても閉店のニュースは増えており、これがどこまで出尽くしているかと言えば、まだ出尽くしていないというのが私の見立て。

 

また、遊技機メーカー職域、設備業者職域、ホール職域において昨年は「決算を公表している企業についてはほぼ全面的に増収増益」という超好景気ということも言えた。一方で業界としては全職域において優勝劣敗、つまり格差がものすごく拡大しており、決算を公表していない企業においては減収減益、なんなら赤字も珍しくない状況である。昨年はガイアの民再のニュースで「ホール企業は大手でも大苦戦」という偽情報というか間違った認識が拡がった時期があったが「ホール企業は大手になれば軒並み増収増益の超好景気」というのが昨年の正確な実態である。ガイアが自転車操業化していたのは業界関係者なら何年も前から折込済み。繰り返すがガイアのニュースは業界に何の激震も走っておらず「ガイアの債権者に激震が走った」だけだ。みなさん、「ど」がつく素人の物言いに惑わされることないように願いたいものである。

 

なお、増収増益企業が増えている点について、証券アナリスト系の人たちは「スマスロの台頭」をその原因と分析していることが圧倒的に多い。私に言わせれば6.5号機からのスマスロはもちろん、コロナ5類への移行による官製不況の終焉が最も大きい原因だと思っている。ところが今年は新紙幣への改札があるのでホール職域において決算を公表している大手法人であっても昨年同様の増収増益のオンパレードとはならないのではないかとも予想している。増収はあれど設備投資負担額が膨大になることを前提にすれば増益は難しいかもしれない。

 

とまれ、今年もどうぞよろしくお願いします。

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