少しは気分が異なる新年に【POKKA吉田コラム #37】
新年明けましておめでとうございます。
ぱちんこ業界内で、特にホール経営者の二代目、三代目といった30代くらいの若い人について、次のように言われることがある。
「家業を継いでずっと悪いままなのだから可哀そうだ」これは、この10数年間、業界市場的にじわじわと凋落していっていることを指している。
そんな業界環境にいると、まずは年末。
「これでようやく年を越せた」と安堵するのが年末だ。
法人によっては自転車化しているところもあるだろうし、不採算店舗を整理したりすること等によって、越年を可能にしたときに経営者が思うのがまずこれ。
そして新年。
業界的なデフォは「今年もどんな厄介事が発生するのだろうか」という不安から始まるものである。
ところが、私は2018年は少し違う。
それは「業界環境的に最も影響が強く出る規則改正が済んだから」だ。
同じ規模の規則改正は2004年。
つまり、14年にしてようやく新しい規則が来月1日から施行されることが決定している。
つまり、今年は、昨年の規則改正をめぐるゴタゴタのような「極めて強い影響が出る業界環境の変化がない」年なのだ。
わかりやすく言えばどうなるだろうか。
「材料出尽くし」とでも言うべきか。
悪い材料は昨年出尽くし感があるので、これ以上極端に悪い変化は生じにくい、ということである。
もっとも、ギャンブル等依存症対策の一環として実施された今回の規則改正。
政府・与党の懸案事項である「ギャンブル(等)依存症対策基本法案」は昨年、成立しなかった。
まさかの臨時国会冒頭解散からの総選挙ということも影響しているが、その後召集された特別会(特別国会)は異例の長さの会期となり、国会審議は可能だった。
維新、自公はそれまでに提出していた対策法案を特別会に再提出。
立憲民主党はもともとあった民進案をベースに特別会に提出。
都合3案が法案提出され、今年の通常国会へ継続審議となっている。
(維新、自公案は「ギャンブル等依存症対策」、立憲案は「ギャンブル依存症対策」と名称が微妙に異なる)
この3案の対策法案は通常国会のどこかのタイミングで審議されることになる。
警察庁は政府の方針や国会状況に過敏に反応するため、対策法案の審議状況によっては再び大きな変化を実施する可能性は0ではない。
その点が不安ではあるが、ぱちんこ業界の場合、公営競技と比較して業界側の自主的な取組みの歴史は長いため、あまり不安レベルは高くはないと私は解釈している。
(ぱちんこ業界が素晴らしい、というのではなく、公営競技が何もしなさ過ぎた、という評価の方が適切だとは思う)
いずれにせよ、材料出尽くしの今年、要は「底を打った」のだ。
あとは、何かしら明るい材料が登場するのを待つのみ。
それはやはり改正規則機のヒット機登場ということになるのだが、それが登場するのはひょっとしたら来年かもしれない。
今年はホールもメーカーも、旧規則の経過措置機に依存したビジネス展開を想定しているからである。
そんな意味で今年は例年よりは不安の少ない新年だ、と勝手に言っておきたい。
待てばいつかはそれなりになるようになる、ということか。
さて、こんな感じで2018年もスタートしましたが、みなさま本年もよろしくお願いします。
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