ガリぞうが軍団に連れ去られ、攻略法会社に囲まれた過去の修羅場を振り返る【収支日記#20】 (1/2)
しばらく現場を離れる為、実戦記をお休みにしている収支日記企画。今週は番外編として、日陰者が歩んできたネガティブな道についていくつかお話していきます。
普段はプラスな事しか発しないように心掛けていますが、特異な道故の茨もありました。自ら選んだ人生なので不満や後悔もありませんが、決して順風満帆じゃない一面もあった事を皆様に知ってもらえたらと思います。
修羅場あれこれ編
今週のお題その1は、先週にもお伝えした通り「揉め事・修羅場」について、24年のパチスロ生活者として、また21年目のパチスロライターとして書き進めてみます。20年以上もアウトロー寄りの生活をしていると、様々な揉め事や修羅場に出くわす事もあります。これを読んだ皆様が事前に危険を回避できるよう、私の経験を詳しくお伝えしていきます。
パチスロ生活者としての揉め事・修羅場
徒党を組むじゃなく、マナー違反に気をつけ、常に目立たないよう心掛ける。今の私はパチスロ生活者として行儀良く振る舞おうと努めています。それでも未熟だったり経験が浅かった若い頃は、揉め事や修羅場に巻き込まれる事もありました。
今から20年前。毎月、1週間連続で開催される「パチスロダービー」という名前のイベントを行っている店がありました。夜22時になると日替わりで「1」とか「5」と言った具合に競馬の単勝のような発表が掲示板に貼り出され、その該当末尾番号の台が設定5・6というイベントでした。このイベントを当時良く情報交換していた友人から聞き、1週間通ってみると色々な事が分かってきました。
・朝イチの変判は対策済(全台1ゲーム回す)
・1週間で同じ番号は被らない
・判別が難しい機種は本当に設定5・6を使っている
・5以上判別や6判別が非常に簡単なハナビだけはおそらく設定4を使っている
減算値判別で立ち回るようなパチスロ生活者を排除して純粋にイベントを楽しみたい客層を取り込む店側の意図があったかどうかは知りません。ただ、事実としてハナビのみ4を使い他はガチ5・6という結論に達しました。ハナビを設定4と判断したのは、設定5以上判別が通らないのに連日該当末尾の台の差枚数がしっかり大幅付いていたからです。
これらの状況を1ヶ月で把握した私と友人は、翌月も2人で連日刺さりました。朝イチは2人でハナビのシマに入り減算値による変判をかけ、10分程度で設定変更されている末尾を見抜いて他機種の同じ末尾台へと移動する。店内に同じ末尾台は約20台近くあり、その内の空いている2台を押さえる形です。
そんな立ち回りで友人と毎日ツモり設定5・6をブン回していたら、見知らぬ男性に肩を叩かれました。振り向くと、そこには金髪で強面の方が数人を従え立っていました。何故かホールの外に連れ出される私。
「俺達ここに15人で刺さってんだよ。わかるだろ?」
大勢に囲まれ、その面々を束ねている頭らしき方から恫喝を受け、少々怯む私。そこへ友人もホールの外へ出て来て絡み始めます。
「なになにー。俺ら何かした?」
友人は明らかに喧嘩腰です。一触即発の空気に危険を感じた私は、「ハナビはガセ」という情報をリークしてその場を治めようとしてみた結果、何とか収拾がつきました。そして、その日の稼働終了後。
「連れて行かれちゃったから心配したよ。」
事件発生時は友人も焦ったようで、迷惑をかけてしまいました。20年以上前には札幌近隣で名を轟かせていた"某A"というグループがあり、いくつかのパチンコ屋では開店前の並び時にA専用席が暗黙の了解で設けられていました。例え徹夜で先頭に並んでいても、さらにその前にAのメンバーの横入りが許され、店側も意図的に黙認するのでどうする事もできませんでした。私を連れ出した方々は、既に解散済のグループAの残党だったと後から聞かされました。
今思えば、7日間通して午前中の内から連日ツモるような目立つ立ち振舞いは軽率だったかもしれません。こうした事件を積み重ね、私は極力目立たない立ち回りを心掛けるようになっていきました。
パチスロライターとしての揉め事・修羅場
私はパチスロライターとしても行儀良く振る舞おうと努力していますが、それでも揉め事や修羅場に出くわす事はあります。
その昔、今から18年ほど前。世は4号機時代。
今でこそ淘汰されましたが、当時は数多くのパチンコ・パチスロ攻略法会社が存在しました。当時は猛威を振るっていましたが、今では「攻略法会社ってナニ?」と思われる方も多いでしょう。例えば何かしらの機種で、
1.MAXBETを4回押してから順押しでゲーム消化を4回続ける。
2.コイン4枚手入れのハサミ打ちで3ゲーム繰り返す。
3.コイン3枚手入れ+レバー3回押しから順押しで3ゲーム繰り返す。
4.1~3を5セット繰り返す。
5.この手順を踏むと70%の確率でボーナスが成立する。
こうした手順を20万円等の高値で売る攻略法会社が存在していました。手順は適当に考えましたし、勿論有効ではありません。それでも攻略法会社が乱立し、各雑誌でも広告が掲載されていたのですから、商売として成立していた事は間違いないのでしょう。
当時の私の読者さんでも「買ってしまったけど使えなかった」と言われる方が何人もいらっしゃいましたし、それだけ魅力的な宣伝活動ができていたんだと思います。
私の漫画の連載が始まった当時、こうした攻略法会社からのオファーが何度かありました。西暦2000年前後の4号機バブル時代だったので、そうした話が多かったのも当然かもしれません。中には日帰りで関西へ行き、攻略法会社の宣伝文句を10分ほど収録するだけで20万円支払いますというオファーを頂いた会社もありました。勿論、受けるハズもありませんが。
そんな中、某芸能人がMCを務める地上波のパチンコ・パチスロ番組の1コーナーにゲスト出演させて頂いた事がありました。テレビで見た事のある有名な芸能人の方々が、パチスロのプロとしてスタジオに迎え入れた私にインタビューをするという企画です。当時まだ私は30歳過ぎですし、地上波という事もあり緊張していましたが、懇意にさせてもらっていたプロデューサーさんの番組という事もあり、真剣に挑ませて頂きました。その数カ月後に事件が起こるなど、この時は知る由もありませんでしたが。
「あの番組の出演者を集めて六本木で新年会をやるからガリさんも来るかい?」
ちょうどそのプロデューサーさんからトーク番組の依頼を受けていて、その収録日の夜に新年会をやる予定だと聞き、勿論OKの返事を出しました。
そして新年会当日。
事務所で収録を終え、カラオケボックスのVIPルームに迎え入れられると、既にオードブルが運び込まれていて、番組に出演されていた芸能人の方々が歌を歌っていました。さすがは芸能人、皆さん歌が上手だなぁと椅子に座りながら聴き惚れていたら、間もなく入り口のドアが開き、黒服の男性が4人ほど入室してきました。その黒服4人は私の左に2人、右にも2人座り、目の前にはテーブルなので逃げ場はありません。その4人の内、1人が私に名刺を差し出しました。その「取締役」と書かれた名刺には、雑誌の広告で良く目にする攻略法会社の名前が書かれていました。
不安と恐怖に慄く私。
その後も取締役の方に会社の営業方針を熱く語られ、仕事の取引話も受けましたが、私の脳内ではいくつもの疑問が駆け巡りました。
どうして私は攻略法会社の方と仕事の話をしているのだろう。
そもそも何で攻略法会社の取締役がこの席にいるのだろう。
この新年会はどういう集まりなのだろう。
断り文句を知らない私ながら身の危険を察知し、ひとまず「1人じゃ決められないので家族に相談させてください」と言い、何とかその場を凌ぎました。
そして帰宅後。
色々と人づてに調べてみると、仲良くさせてもらっていたプロデューサーさんは、その攻略法会社の出資で映像制作会社を作ったそうで。私が出演したトーク番組も、その攻略法会社がスポンサーという事実を内緒に収録されたと後から知りました。芸能人を集めた新年会もエサ代わりだったのかもしれません。パチスロも極力正攻法で戦い、ガセ攻略法などもっての他と考える人だと知ってもらえていたハズのプロデューサーさんに裏切られたショックが大きかったのは言うまでもありません。未払いのギャラも無視して私は彼と絶縁しました。
30歳過ぎのガリ青年が社会の怖さを改めて学んだ事件でした。
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