【6号機ではなぜART機が出ない?】最近AT機ばかりになっている理由を解説!
チワッスあしのです。
世の中には「ふわっと理解してる事」がたくさんあります。例えばなんでiPhoneで「あいふぉん」って入力しても変換候補にiPhoneって出ないのはなぜ? みたいな。これ実は日本では「アイフォン」って別の商品が先にあって、その関係で敢えて変換候補から除外されておるそうです。ああ、CMでもよく聞いたら「アイフォーン」って長音記号付きで呼んでますね。大人の事情って感じがしますね!
というわけで今日もパチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説していきます。今回は「なんで最近ART機が出ないの?」問題について。そういえば「ディスクアップ2」もARTじゃなくてATになってますな。せっかくなのでなんでそうなっとるのか、一緒に理解を深めていきましょう。どうぞ!
なんで最近ART出ないん?
さて、なぜ最近ART機が出ないのか問題についてなんですが、これは下の解説でいう「型式試験」のルールが変わったのが影響しています。んでこっからは割とゴチャっとした話なので、ビギナー向けに色々と端折って説明。詳しく知りたい方はググってみてね。
型式試験ってなんや?
パチスロ系のニュースによく「検定通過」という単語が出てきます。例えば「〇〇県公安委員会の発表では、◯◯という機種が検定を通過した模様!」みたいな。こちらななプレスでもしょっちゅう見かける単語なのですが、大体これが我々ユーザーが最初に目にする「その機種が開発されていた」というソース付きのニュースになります。そして、この場合のソースになるのは往々にして各公安委員会のリリースです。
一方で、それより先にメーカーがファン、あるいは投資家向けにこういうリリースをすることがあります。「この度、弊社のパチスロ新機種◯◯が適合いたしました」みたいな。これもよく見る表現ですね。最近だと「うしおととら」が「6.2号機最速の適合」をニュースリリースしたのが印象深いです。
さてカンのいい人はちょっと気になったと思うのですが、上の2つのリリースは同じ意味のようで実は「適合」「検定通過」と2つの言葉を使い分けています。んでこれ、言葉だけじゃなくて意味がぜんぜん違うんですな。
まず、メーカーが発表する事がある「適合」について。これは「型式試験」と呼ばれるものです。その機種がちゃんと現行の規則に従っているかどうかをチェックする最重要の試験ですな。落ちた場合は何回も作り直す事になります。ちゃんと規則通りに作っても遊技機試験(実際に打ってみる試験)で設計通りの挙動になんなかったら落ちるので、ギリギリまで攻めたスペックだとスコンと落ちます。この辺は「運」も左右するそうで、最近も微妙にスペックが違う型式を20個くらい持ち込んでようやく発売に漕ぎつけた機種の噂なんかもありましたね。
ちなみにこの「型式試験」は風営法で規定される「指定機関」と呼ばれる組織が行うのですが、有名なのが「一般財団法人保安通信協会(保通協)」です。長らく型式試験といえば保通協! というのが常識だったのが2020年には規則の一部改正により新たな指定機関として「GLI Japan」という組織が追加されております。
なんにせよ、この「型式試験」をクリアしたあと、今度は各都道府県公安委員会がその機種を我が県で動かしても良いかどうかのチェックというのがあり、こっちが「検定」と呼ばれます。適合を受けたあとに検定、ですね。もちろん適合したのに検定に落ちる、ということもあります。有名なのは初代の「秘宝伝」で、これ諸々の事情により山梨県での設置はNGとなってしまいました。が、基本的にはよっぽどイレギュラーじゃない限りほぼ通過するようになっとるようです。秘宝伝に何があったかは、気になる方は調べてみてください。なお余談ですが、同じ機種なのに設置期限が違う場合があるのは、各都道府県で検定通過日が違うためです。
んでこの「型式試験」と「検定」、言葉のニュアンスが何となく似てるのでゴッチャになることもあるかもしれませんが、せっかくなんでバチッと覚えてしまいましょう。型式試験と検定は全く意味が違うものです! まず型式試験! 次に検定です。
▲初代は山梨に未設置でした。話題作では珍しいパターン。
現行のルールではAT機にした方が楽?
はい、型式試験では実際にその機種を回してみて、定められた差枚数の範囲内に出玉が収まってる必要があります。よく6号機の問題点として挙げられる「出玉率のルールがキツイ」というのはこれで、数字を出すと「400ゲームで33%から220%」の範囲に収まってる必要があります。これ5号機の頃は上限300%までオッケーだったのですが、一気に80%も制限されてるわけですね。ノーマルとかのボーナス枚数がガクッと減ったのはコレが影響してます。次に「1600ゲームで40%から150%」、「6000ゲームで50%から126%」「17500ゲームで60%から115%」とそれぞれ区間が決まっていて、そしてこれは試験中は随時全てのタイミングで区切ってチェックされます。要するにどこを見られてもこれ以下に収まってないと駄目という事ですね。
で、ただでさえ制限がキツイなかで問題になるのが「リプレイ」の考え方です。実はリプレイは3枚ベットの3枚払い出しではなく、「0ベットの0枚払い出し」としてカウントされます。出玉率は「ベット枚数に対してどれだけ払い出されたか」の計算なので、払い出し枚数を多くするのにはとにかくベット枚数を稼がないといけません。しかし0ベットとしてカウントされる役が揃いまくると、同じ回転数でも総ベット枚数に差が出てくるゆえ、「払い出せる最大数が減っちゃう」んですね。アクロス系のノーマル機で20ゲーム程度のRTが搭載されている機種がありますが、あれもRT中にまあまあハズレが出ます。無論、ベット枚数を稼ぐためのギリギリの攻防の末ああなっとると考えられます。じゃあもういっそリプレイ自体を搭載しないようにしようぜ! という考え方もあるかもしれませんが、なにげに現行機は最低でも1/7.3でリプレイを成立させないとイカンというルールがあります。うーん、邪魔!
当然ART自体が禁止されたわけではないので、現行機でも作ろうと思えば作れます。が、5号機のARTと同じような感覚で作ろうと思うと出玉面がかなり厳しくなると予想されます。ボーナス込みで純増1枚以下とか? いやー流石に打ちたくない。その中でどうにか抜け道を探して面白いものを探そうぜみたいな努力より、普通にハズレが出てベット枚数が稼げるAT機を作った方が遥かに楽ですし、これはもう当然の帰結として「6号機ではARTが出ない」という流れになってるのでした。「コードギアス 反逆のルルーシュ3」「ディスクアップ2」など前作がART機だったのに今回からATです、みたいな機種が多いのも当然といえば当然ですな。この辺もちょっと改正(というか解釈の変更?)がされて欲しいなぁ……。
※コメントでご指摘いただいたとおり「マジカルハロウィン~Trick or Treat!~」はAT機ではありませんでしたので削除いたしました。また、一部誤字も修正いたしました。すみません!
▲AT機になった「ディスクアップ2」。コレも世の流れ。
いわゆる「無抽選区間」「減少区間」もこの辺のアレですな
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