【パチプロ】だんだん聞かなくなってきた「プロ」という言葉を一度考察してみよう。

【パチプロ】だんだん聞かなくなってきた「プロ」という言葉を一度考察してみよう。 eyecatch-image

チワッスあしのです。

 

いつもありがとうございます! パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「パチプロ」について。昔はしょっちゅう耳にする言葉でしたが最近は徐々に別の言葉に置き換わりつつある単語のひとつ。あんまり深く考えた事がなかったのですが、1回この言葉の意味をちゃんと考察してみましょう。

 

 

いつからいるの?

 

「パチプロ」=勝率の高い人?

 

パチプロ。というのはそのまんま「パチンコのプロ」という意味です。認定制度とか資格試験などはないので名乗れば誰でもパチプロです。プロが存在する以上それで生活する人というのは必ずおり、パチンコ生活者自体はずっと前から存在してました。今で言う「パチンコ」は1948年の正村ゲージを基盤としていますが、もっと混沌としたオリジナルの機種群を置く店はさらに前からあったので、それで生活する人も古来より存在したことでしょう。

 

ただ「パチプロ」という言葉は最初からあったわけではなく、当然どっかの時点で発生しそれが何かのきっかけで爆発的に広がった筈。国会図書館のデジタルサービスにてチェックしたところ1971年の週刊ポスト(8月13日号)には『これで必勝!パチンコニューモデル種の攻略法~素質がなくとも大丈夫、ベテランクギ師とパチプロの秘術公開』という怪しげな記事が掲載されてるのが確認できました。世に出た雑誌の見出しに「パチプロ」という単語が使われたのはこれが最初だと思われます。また1977年にはパチンコライターの祖である田山幸憲さんの『パチプロ告白記』が刊行されてます。おそらくこれが「パチプロ」という単語を冠した世界で初めての単行本ですな。

 

その後80年代には「こち亀」に取り上げられたり「パチプロ」という名前が入った雑誌が多数刊行された形跡もあることから、この辺でアングラ的な認知が進んだ形跡あり。そしてその動きが一気に加速したのが90年代。特に95年、96年あたりで発刊数が爆発的に増え、97年以降は見出しまで含めるとちょっと拾いきれない数になります。この辺で何が起きたか。そう。梁山泊です。

 

「梁山泊」というのはもともと中国の地名。『水滸伝』に出てくる池の湖沼地帯ですが、ここに革命を目論む豪傑たちが集い要塞化した事によりいつしか彼らもまた「梁山泊」と呼ばれるようになり、それが転じて「強者が集まった集団」=「梁山泊」と呼ぶようになったものです。が、恐らく日本では語源と同じくらいパチンコ関連の名称として有名でしょう。

 

パチンコにおける「梁山泊」。これは90年代に登場したパチプロ集団です。関連書籍としては1994年に刊行の『パチプロ軍団「梁山泊」1日140万発!半年で2億円を弾き出した「梁山泊打法」の全て』という本が初出。ちょうど「パチプロ」という単語の使用率が爆発的に増える時期と重なります。その他梁山泊は攻略ビデオやらも多数世に出た他、なんととんねるずが司会をつとめていた番組で専用のコーナーが設けられるなど地上波でもおおいに活躍しており、当時その知名度はかなりのものでした。

 

折しも時期はCRブーム真っ只中。ここでかの梁山泊が各種攻略法や必勝法をTV等を通じて広く知らしめた事により、「勝率が高い人」を「パチプロ」と呼ぶ文化が爆発的に広がり、現在に至ったものであると考えられます。

 

繰り返しますが、パチプロという単語自体は71年頃にはすでに確認されています。田山プロがそれを著作のタイトルとして採用し、梁山泊が(ぱちんこをやらない層を含め)広く知らしめた。こう考えるとそんなにズレてないと思います。

 

 

俺はプロじゃねぇ、という方も多いよ。

 

「パチプロ」という単語は絶滅の危機に瀕している?

 

90年代後半は「プロ」がカッコイイとされていた時期でもありました。が、そもそもの祖である田山プロがプロに対して否定的であるなど、「俺はプロじゃないよ」というスタンスを取る方もまた多いです。有名な例でいうと「しのけん」さんはパチプロ・スロプロという単語を使わない事で知られています。「パチスロ生活者」という表現をなされていますな。また「射駒タケシ」さんも自らをプロと表現するのを嫌がっておられました。同様に「プロじゃないよ」スタンスの方はめちゃんこ多いです。

 

んで最近はそもそもパチプロ、という単語自体がほぼ使われなくなってきており、近年の刊行物でいうとその単語を冠した書籍は2018年の『パチプロの向こう側』という小説を最後に途絶えています。内容は「過去を振り返る」テイの小説であり舞台設定自体が執筆時より過去であることから、パチプロという単語自体が既にノスタルジックなモノになってる証左であるともいえます。

 

とにかくこれを最後にアレだけ刊行されてた書籍群が消えてるというのを見ても、もはや「パチプロ」という単語が絶滅の危機に瀕してるのが見て取れます。

 

 

業界豆知識あしの 画像3最近は「ガチ勢」に置き換わってますな

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  • 1:2023-02-02 12:36:04ガイドの田山プロに対抗してマガジンが、14年間無敗の男、田中勝男を推してきたら、ガイドはそれを茶化して15年間無勝の男、負け男くんを出してきたのが面白かったですね。

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