【車内放置】パチンコ屋さんは「放置児童」対策としてどんなことを行っているの？

チワッスあしのです。

いつもありがとうございます！　パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「車内放置」について。つい先日も全国ニュースになった事件がありましたが、パチ屋さんの放置児童対策について改めて確認してみましょう。どうぞ！

絶対ダメだぞ

7月3日、とある事件が全国に向けて報道されました。いわゆる「車内放置」に纏わるものですが、読売新聞オンラインではこう伝えています。

車内放置の１歳児、無事発見したパチンコ店従業員「衝撃受けた」…店は駐車場を１時間ごとに巡回

 

パチンコ店の駐車場の車内に男児（１）を放置したとして、兵庫県警垂水署は２日、茨城県阿見町の無職の女（２１）と、交際相手の自称音楽家の男（２１）を保護責任者遺棄容疑で逮捕した。男児の体調に問題はないという。（中略）署や店によると、駐車場を巡回していた女性従業員が、後部座席のチャイルドシートに座っている男児を発見。店が館内放送で車の持ち主を呼び出すとともに１１０番した。車はエンジンがかかったまま、窓が少し開いた状態で施錠されていたという。（後略）

（読売新聞オンライン7月3日付記事）

とりあえず男の子が無事で良かった。巡回警備のスタッフさんマジでグッドジョブです。んでパチ屋さんのお仕事のなかでもあんまり目立たないながらもめちゃめちゃ重要なものにこの「駐車場巡回」というのがあり、これはこの店だけが力を入れているものではなく、全日遊連や日遊協（いずれもホール関連団体）が主導して「そういう風にしましょうね」としているものです。

具体的な流れとしては1990年代にパチンコ店の駐車場における放置児童の死亡事故等が社会問題となり大きく報道されたという歴史的背景がまずあります。これで「パチンコ屋＝放置児童」のイメージが社会に定着。これは命の問題であると同時に、つきつめれば依存問題にも辿り着く話ということもあって、遊技業界は全力で対策を開始。その取組は現在も続いております。

※（全日遊連調べ）

上の表は全日遊連の「子どもの車内放置撲滅キャンペーン」の特設サイトに掲載されている情報です。全日遊連はトップページに車内放置関連情報へのリンクが常設されているなどこの問題にかなり力を入れており、特に毎年車内放置が増える時期を「強化期間」、さらに暑さが厳しい時期を「特別強化期間」として啓蒙活動と実務的な対策に勤しんでおられます。ホールに掲示するポスターの制作や配布はもちろん、各種マニュアルなどはホール関連団体が共同で作っており、そこには「巡回の頻度や方法」から「発見時の対応」さらに「児童救出時の応急処置や通報」などについてもかなり細かく書いてあります。対策を用意して、さらに結果を申告してるということからもこれは「言ってるだけ」の施策ではなく、ホールに対しても「ちゃんとやってくれ」という本気の意思みたいなのを感じますな。

なお、以前とあるチェーン店の幹部の方と話す機会を頂いた時、この「車内放置」の問題への取り組みについても伺いました。いわく、夏場はそれこそ30分から1時間に一度程度の割合で駐車場を巡回、汗だくになりながら全ての車の座席を確認してるとのことで、ぶっちゃけかなりボトムが重い業務だとの事でした。屋外駐車場多めの郊外店舗の場合はそれ専門に警備員さんを雇う場合もあるらしく、そういう苦労を知ってる立場からすると、パチンコ屋さんに限らず「車内放置」のニュースを目にするたびに相当腹が立つとの事でした。

ガラス割っていいのか問題。

掲示板などでこれ系の話題のスレッドがたつたびに、児童を発見した際に「ガラスを割って良い」「割っちゃダメ」で議論が起きる場合があります。この10年で5回くらい見た議論でゲップが出るんですが、もちろんこれは「（条件を満たせば）割って良い」が正解。これは前述の（組合が作成した）マニュアルにはっきり書いてあります。

これはみなさん覚えておいてほしいのですが、もちろんどのような状況であれ他人の財産である車のガラスを割るのは「器物破損」になります。が、人命に関わる場合などは「緊急避難」が認められ、やむを得ずおこなった行為であれば不法行為であれ減刑、または免除されることになります。要するに「赤ちゃんの命を守るため」におこなった器物破損は罪に問わねぇという事です。もちろん「やむを得ず」それが行われるのが前提なので、見つけて即ガラス破壊！　とかはよっぽど危険な状況でない限りダメ。店内での車の持ち主を呼び出し、ある程度の時間（マニュアルでは10分と規定されています）待つなどし、その上で「これはやむを得ない」と責任者が判断した上でGOです。

角の部分が割りやすいとかも書いてあります