【ART】パチスロ5号機で初めて「ART」という単語を使い始めたのはどの機種だったのか?
チワッスあしのです。
いつもありがとうございます! パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「ART」について。元々ARって言ってたヤツなんですが、いつの間に「T」がついたのか。ちょっと考えてみましょう。
アリストは偉大だった。
リプレイ確率上昇+小役ナビ。これは最初は「AR」と呼ばれる機能でした。
4号機の「ディスクアップ」にて採用されていたもので、元々は「ボーナス後に突入」かつ「規定ゲームorBIG成立で終了」というのが原型でしたが、のちに終了条件がちょっと変化した機種もいくつかリリースされています。それ系でいうと最も有名なのはサミーの「ハードボイルド2」で、これは終了条件が「規定ゲーム消化」のほか「BIG【入賞】時」となっており、つまりは成立したBIGを揃えずに回し続ければ規定ゲームまで持ち越せる機能というのが付いてました。んで当時は成立したボーナスを内部に貯留することが可能だったため、AR中にBIGを揃えずに引っ張って、その間に成立したものを最後に全部出す、という事も可能だったわけですね。当初はこれを「ストック」と呼んでました。
ハードボイルドの場合は「終了条件」をいじった感じなんですが、突入条件の方をゆるくした機種もあり。そちらで有名なのがいくつかあって、サミーの「釣りキチ三平(正式名称:サンペイ)」は1枚役でARに突入するタイプ。平和の「宝船」はリプレイの連続が突入トリガーでした。ネットの「トーフ2a」はARのモーニング仕込みができることで知られていましたが、それ以外の通常ARの抽選契機は未だに良く分からんす。
さらにアリストクラートの「マッカチン」は通常時に1枚役からARに入り、かつそのAR中のボーナスがストック式になっとるという「いいとこ取り」の機械になっていたのが印象深いです。恐らくですがこいつが当時のAR機としては最強だったんではないかと思いますが、諸々地味過ぎて設置はそんなに伸びなかった気がします。
さてそんなARですが2003年頃になるとストック機ブームに押されて一旦姿を消すことになります。まあATもほぼ姿を消すんですけども、ARの場合はサイレントストック機内部のリプレイの扱いとバッティングしそうな感じですし、そもそも実装できるのか問題が出てくる気がしますな。なので消えたのは必然っちゃ必然ぽいのですが、それが時を経て5号機の時代に復活する事になったのでした。
またもアリストが気を吐く。
はい5号機で最初にARTを自称したのは2007年、アリストクラートの「ダンス☆マン」です。実はその前からARTのシステムを採用したヤーマの「ジャックと豆の木」そして同じくアリストの「怪胴王」があるのですが、こっちはARTって呼んでなかったんですね。じゃあなんて言ってたかというと、ジャックのほうは普通に「RT」、怪胴王のほうは「新基準AT」と呼んでたとの事。
ATもRTも既存の技術であり、しかも4号機には既にARがあったので怪胴王やダンスマンを見て「斬新だな」とは特に思わず。さらに当時のARTにはある問題があったので、のちにこれほど流行るとは誰も思ってなかったと思います。
どういうことか?
はい、現在残ってるARTの延命システムというのは基本的に押し順で転落リプレイを回避するという考え方がベースになってます。が、当時はこれは「転落役を回避する」という考え方が一般的であり、すなわち表示される転落役をあえてハズす必要がありました。「怪胴王」の場合はこれはチェリーでありましたが、当時は往々にしてパンク役にチェリーが設定されていたため「チェリーでリプレイタイムのパンクを回避する」というのが省略された「チェリパン」あるいは「リプパン」みたいな呼び方が一部でされていました。これ、筆者の周りではかなり当たり前に使われてた単語なのですが、今思うとそうでもなかったみたい。
ちなみに初の「公称ART機」である「ダンス☆マン」もこのチェリパン・リプパン方式を採用。ARTの終了条件は「ボーナス成立」および「チェリーの入賞」でありました。ART「ダンスライブ」はこのパンクチェリーの色(避ける必要がある)と15枚役の色(こっちは取る必要がある)の両方をナビ。一方は外して一方は取るという激烈に面倒な手順が必須でありました。いま思うとマジかよと思うのですがこれは当時は一般的な「5号機の姿」だったんですな。
何にせよ当時は「こんな面倒くさいものが流行る訳がない」とか思ってたのですが、「押し順によってリプレイのフラグを変えて転落リプレイを作ればいいじゃない」と気づいた天才がどこかにおり、チェリーではなくリプレイの押し順の正解・不正解で転落を管理するようになってから消化難易度が一気に低下。5号機隆盛に続く一本の道筋が付くことになったのでした。
「怪胴王」の消化は慣れててもミスるくらい面倒くさかった
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