ガリぞうが長年共に仕事をしている「相棒」について語る！【収支日記#214：2024年4月2日(火)～2024年4月8日(月)】 (1/2)

2024/07/02 12:00

ガリぞうが長年共に仕事をしている「相棒」について語る！【収支日記#214：2024年4月2日(火)～2024年4月8日(月)】 eyecatch-image

ガリぞう収支日記#214　4/2～4/8週間収支　稼働日:0日　差枚:ナシ

今週の収支日記は、4月2日～8日の1週間です。出張月が終わった翌週なのに、何故か出張のお仕事がいくつか入ってしまっています。

4月7日：畠山耕太郎先生

今日は「プロスロの嘱託」というDMMぱちタウンchの新番組で扱うイラストやLINEスタンプの作画依頼で、長年の相棒である畠山耕太郎先生の住む陸前高田市へ。畠山先生は23年ほど私とタッグで漫画を描いてくださっている漫画家です。来歴や作品リストはwikipediaにも載っているので割愛するとして、ここでは畠山先生と私との歴史について記しておきます。

畠山さんの存在を知ったのは、2000年の年の瀬でした。作家さんが私を取材し、その内容を漫画にしたいという依頼を竹書房さんから頂き、その絵を描いてくださる方が畠山さんでした。その作家さんはパチスロで生活する方々を各3回読み切りで原作を起こし畠山さんに描いてもらうという流れでした。

漫画のタイトルは「BET ON」。第1～3話が私で、それ以降も3人の計4人続いたのですが、私の回の反響が大きかったようで、「作家さんを通さずガリぞうさんと畠山さん直接のやりとりで新たに漫画を始めよう」と竹書房から正式な依頼がありました。こちらの漫画のタイトルは「プロスロ～パチスロで勝つ為の王道」。その後、2017年まで続く長編の漫画となり、今も出版社とタイトルを変え、「プロスロNEXT（ガイドワークス）」として続いています。

畠山さんとの初対面は、この漫画プロスロが始まる3ヵ月前。当時の編集長と2人で札幌まで来られました。この席で畠山さんから聞いた一言「男はイノシシ獲ってくりゃ良いんだ。」は、今でも私の根幹に残っています。スロ専業も漫画家も自身の能力1本で生活していくなら、見栄や体裁・駆け引き等とは無縁に、ただひたすらイノシシを獲る事だけに尽力すべきという彼の一言が、今の私にも脈々と受け継がれています。

鳴り物入りで始まった「プロスロ～パチスロで勝つ為の王道」は、瞬く間に支持を得られ、定期的に表紙を飾るようになりました。カラーページでも特集を組んでくださるようになり、影響力が広まる渦中の体感に高揚していたのを覚えています。そして、連載が始まって1年後、我が家に単行本のお話が届きました。単行本が発売されると印税が入ります。曲を作る際の作詞・作曲のように、我々も漫画家と原案者と作者が2人いるので、印税率10%を分ける事になります。ただ、私は出版業界についてほぼ無知ですし、全ての割り振りを出版社にお任せしたら、畠山さんが7%、私は3%になりました。この単行本は4巻まで発売される事になります。個人的に印税率には何の不満もなかったのですが、何故か2巻以降は私の取り分が1%上がって4%に。たった1%でも結構な金額の差があります。

編集長に話を聞いてみると、畠山さん本人からの要望だったそうで。後で畠山さんに話を聞いてみると、「この単行本を出せたのはお前のおかげなんだから」と言って頂きました。自らの取り分を減らしてまで恩を感じてくれる畠山さんに足は向けられないと痛感しました。

当時の畠山さんは仙台市に住んでいましたが、出身は陸前高田で実家もそちらにありました。陸前高田には彼女さんも住んでいて、毎月10日前後に私の漫画の作画が終わると彼女さんが陸前高田から出てきて、数泊デートをするというルーティンだったようです。とある月も10日に完成し、その日の夕方から彼女さんが上京してきたそうで。翌日から仕事終わりのデートを楽しむハズが、ここで大事件発生。

そう、時は2011年3月11日。未曽有の大地震が発生した日でした。陸前高田の被害は皆様もご存知の通りで、畠山さんの実家や彼女さんの家も全て津波で流されてしまったようです。「もし、俺の作画の完成があと1日遅かったらと思うと……」と、畠山さんも恐れおののいていました。確かに、彼女さんは前日に仙台入りしていたので難を逃れましたが、1日遅ければ最悪の事態になっていたのかもしれません。（と言っても仙台市も被災しているので避難所行きだったようですが）

畠山さんは昔から豪快な方で、居酒屋での注文時にはメニューを開いて「ここからここまで全部！」と言われる事もありました。今から20年以上前はパチスロ漫画のバブル期だったので、その豪快さにも拍車がかかっていたのでしょう。しかし、出版業界の衰退に合わせ、日に日に漫画家さんも肩身が狭くなっていったようで。あれだけ豪快だった畠山さんが、会う度に元気をなくしているように見えました。

散々お世話になってきた畠山さんに何か恩返しをしなければ。そう考え、漫画家としてのお仕事を振れるよう今も努めています。DMMぱちタウンchで新しく始まった「プロスロの嘱託（仮）」では畠山さん作画の絵がいたるところで使われています。また、近日中に畠山さん作画のプロスロLINEスタンプも発売されます。最近は元気のない畠山さんの為にも、発売されたら是非お1つよろしくお願いします。以上、コラムという場を借りてのCMでした。