ガリぞうが主役の漫画「プロスロ」の原作を公開!パチスロ漫画はこうして作られる【収支日記#46:2021年2月9日(火)~2月15日(月)】 (1/3)
今週の収支日記は、2月9日~2月15日の1週間です。収支表にもある通り、腰痛による療養の日々から少しずつ現場に復帰し始めた週になります。振り返れば身体を労りながらも本来の私のスタイルでやれていたように思います。
尚、今週の収支日記は文字量が1万を超えています。読み進めの際は、お時間のある時にしておきましょう。
2月9日:漫画の原作と原案
腰の療養をしながら漫画の原案にあてていた1日でした。
今は奇数月11日の隔月発刊「スロマンV(ガイドワークス)」にて、畠山耕太郎先生と私の漫画の続編「プロスロ-NEXT-」を連載させてもらっています。この作品において私の役割は原案なので、細かい描写や核にならない実戦部分等においては編集部に任せる事も多く、正味1日あれば仕上げられています。ただ、2017年まで続いた前身漫画「プロスロ-パチスロで勝つための王道-(竹書房)」では原作だったので、時には1週間くらいかかる事もありました。
原作は台詞の一言一句から背景描写に至るまで細かく指示する場合が多く、大体が文字量にして5000~1万文字くらいになります。その上、畠山さんが適切に描けるよう私が自ら写真を万枚も撮りに行く事も多いですし、ネームの仕上がりと共に間違いがないか監修したりもします。こうした長ければ1週間ほどかかる作業が毎月あるのですから、そりゃ稼働時間は取れませんし、30万km走った車さえ買い換えられない貧乏生活も続いて当然です。
そこで今回は、前代未聞の原作をそのまま原稿として載せてみます。完成された漫画はどんな原作から描かれているのかを読んで頂き、出役だけじゃなく作家側にも興味を持ってもらえたら幸いです。
[スーパーパチスロ777.2016/12]プロスロ原作
テーマ=好きこそモノの上手なれ
サブテーマ=バーサスの正規数値と比率判別
機種=バーサス
※#は白抜きの吹き出し、■は描写指摘の意。
1.探究心
朝10時過ぎ。
#皆様、元気にパチスロ打っていますか?
妹夫婦のスープカレー屋「トムトムキキル」の外観。
#毎度のガリです。
店内の厨房に近いテーブル席に面と向かって座っているガリと佐藤。BBクイーンのボーカルのような風貌のガリの妹が注文を取りに来る。
佐藤「チキンと野菜のスープカレーの3番で。」
ガリ「あ、じゃあ自分も同じで。」
妹「わかりましたー。オーダー入りまーすチキン3番二つでーす。」
厨房に戻りながら、料理中のまっちゃんにオーダーを伝える妹。
佐藤「もう10時過ぎだけど、今日は休み?」
ガリ「いえいえ、新台入替の12時開店狙いです。と言っても今日は調べ物を優先なんで、勝ち目的じゃないですけど。佐藤さんは?」(水を飲みながら)
佐藤「今日は夕方からゲチェナ出勤なんで、近所でぼちぼちやります。て言うか最近は面白くない新台ばかりでヤル気になれませんわ。」(残念そうに)
ガリ「確かに。私も打ってるのは少し前の台が多くなっちゃってますね。」(思い出しながら)
やがて妹がスープカレーを運んでくる。
食べ始める2人。
ガリ「あれっ、またちょっと美味しくなった?」
まっちゃん「あ、お義兄ちゃん気付きました? まろ味が増したはずです。」(厨房から)
佐藤「言われてみればそんな気がする。」(スープを飲みながら)
ガリ「へぇ、凄いね。店も流行り始めてるし、味的に落ち着いても良い頃なのに研究熱心だね。」(スープカレーを食べながら)
まっちゃん「ありがとうございます。カレーが好きなだけです。」(照れ笑いで)
美味しそうに2人でスープカレーを食べる姿でフェードアウト。
2.誤植と計算ミスの解明
ガリが車を走らせている。
ガリ「(新台入替の時差と言ってもバラエティにクレアが1台入るだけなんだよな。)」
ガリ「(確かに新台入替日は他機種も強くなる店だけど、だからと言ってバラエティに2台だけのバーサスに高設定が必ず入るって訳じゃないし……。)」
~~~以下、回想~~~
深夜のガリ宅。
嫁は既に寝室で就寝済の中、暗いパソコン部屋のモニターだけが煌々と点いている。パソコン前にはガリがスマホ片手に座っている。
ガリ「バーサスの小役確率の解析が全て出たから比率判別を作ろうと思ったのに、これはどういう事だ……?」
スマホの画面には確率表が出ている。
■スマホ画面
【激闘パチスロ塾】
バーサス設定推測要素
ガリはスマホを操作して違うページを開く。
■スマホ画面
【実戦ガチスロ】
バーサスはRT中のハズレ確率で設定看破!
ガリ「2誌のサイトでバーサスチャンス中のハズレ確率に大きな違いがあるなんて。それに……。」
■スマホ画面
【激闘パチスロ塾】
バーサス設定推測要素
ガリは再びスマホを操作して違うページを開く。
■スマホ画面
【実戦ガチスロ】
通常時の小役にも設定差が存在!
ガリ「チェリー確率にも差異がある……どういう事だ?」
腕を組んでしばらく考えるガリ。
ガリ「よし、全ての確率を乱数分子化させてみて、それぞれの設定値の合算で65536になるかどうかで判断してみよう。」
エクセルを開き、左手にスマホを持ったままキーボードのテンキーをカタカタと叩き始めるガリ。難しい顔をしながら延々とテンキーを叩き、ようやく完成した様子。
ガリ「出来た……この配分だったら全設定での全乱数の合算が65536になるっ!」
■乱数表=gari1612h01.jpg
ガリ「と言う事は、vsチャンス中の設定1のハズレ確率が間違っているのは激スロの方で、おそらくはチェリー確率も重複分の数値を2度足してしまったんだな。」
ガリ「これでようやく比率判別を作成出来るけど……。」
■確率表=gari1612h02.jpg
ガリ「問題がもう1つ。」(スマホを見ながら)
再びスマホの画面を見るガリ。
■スマホ画面
ガリ「ハナビ同様に作るならリプレイ÷ハズレで比率を算出すべきなんだけど、バーサスゲーム中なのにリプレイが2種類……?」(目を細めながら)
ガリ「仮に、全設定共通の通常リプレイを省いて、RTリプレイだけを数える方法があったとして比率判別の数値を出してみよう。」(前のめりに)
再びキーボードのテンキーをカタカタと叩く。
■確率表=gari1612h03.jpg
ガリ「設定1~6間で1/7.0~1/4.5もの設定差……もはや攻略法の域だな。」
ガリ「ただ、あくまでこれはRT中の2種類のリプレイを見分けられるならの話であって。」
腕組みしてしばらく考えるガリ。
ガリ「そんな簡単じゃないよね。そもそも、長らく打ったハナビでも気付かなかったんだし。」
椅子の背もたれに寄りかかり、頭の後ろで腕を組んで再びしばらく考える。
ガリ「いや、全てを安易に決めつけるのは良くないな。あらゆる事を疑ってこそ新しい道が見えるハズ。」
激闘パチスロ塾のRT中ハズレ確率のページを再び見る。
ガリ「現に1ヵ月以上こうして間違った数値が載っているのも、著名な攻略誌が数値を間違うハズないと決め付けて誰も疑わずクレームを入れないからなんだろうし。」(スマホを見ながら)
席を立ち、茶の間の冷蔵庫からアイスコーヒーを取り出してグビッと飲み、再びパソコン前の椅子に座る。
ガリ「ただ、これ以上は実戦しないと分からないな。明日は打てる店がないから原稿書きにあてようと思ってたんだけど……。」
マウスを操作してインターネットを始める。
ガリ「僅かな望みでもバーサス打てそうな店を探してみるかっ!」
暗がりの部屋の中、マウスを操作してパソコンのモニターと睨めっこしているガリの姿でフェードアウト。
~~~回想終わり~~~
3.好きこそものの上手なれ
10人程度の並びの最後尾に並んでいるガリ。
ガリ「(それほど期待度の高い状況じゃないけど……。)」
入り口に店員が現れ、並び客達を店内へと誘導し始める。
ガリ「(せっかく正しいだろう乱数配分までたどり着いたんだ。例え僅かでも高設定の可能性を追いながら調べたいよね。)」
最後尾から店内に入っていくガリ。
真っ直ぐパチスロのバラエティコーナーへと進むと、バーサスが空席になっている。
ガリはバーサスを確保。
MAXBETの右に小役カウンタを置き、台間サンドにお金を入れてコインを用意して打ち始める。
やがてリーチ目が出現。
■出目 左「BAR・ベル・スイカ」、中「スイカ・7・リプレイ」、右「V・ベル・スイカ」
ガリ「(よしっ、BIG確定!)」
次ゲーム1BETで右にVを狙うと、右「リプ・V・ベル」停止。
中・左にもVを狙ってBIGボーナススタート。
■出目 中「チェリー・V・リプレイ」、左「チェリー・V・ベル」
以下、ダイジェストで。
■BIGを消化するガリ。
■BIG中にバシュンと予告音が発生して左から目押し。左「V・V・V」、中「ベル・チェリー・V」、右「ベル・BAR・リプ」停止。
■BIGが終了してバーサスチャンス突入。
■逆押しナビ発生で右・中と適当に止めて左上段にBARを目押し。出目=右「スイカ・リプ・チェリー」、中「7・リプ・ベル」、左「BAR・ベル・スイカ」
■リプレイが揃い、小役カウンタの6番を押す。
■順押しナビ発生で左から適当に押して中段に特殊リプレイを揃える。出目=左「リプ・チェリー・BAR」、中「V・リプ・ベル」、右「BAR・リプ・V」
ガリ「(よし、ここからだ。通常リプとRTリプを見極められるならバーサスの比率判別は攻略法並みに有効なんだけど……。)」
RTを淡々と消化するガリ。
やがてRTは終了して手を止める。
ガリ「(全てのリプで各種演出に変化はナシ。通常通りのチェリー狙いや変則押しでも出目に違いはナシ。やはり無理なのか……?)」
再び打ち始めるガリ。
ガリ「(いや、やれる事は全てやってみよう。)」
少し回すと再びリーチ目からBIG成立。
■リーチ目=左「BAR・ベル・スイカ」、中「7・リプ・ベル」、右「BAR・リプ・V」
■次ゲーム1BETで右にVを狙い、右「リプ・V・ベル」、中「チェリー・V・リプレイ」、左「チェリー・V・ベル」でBIGスタート
再びBIG消化を終え、バーサスチャレンジも終えてバーサスゲーム突入。
色々な手順でバーサスゲームを消化していると、ガリが出目に驚いて手が止まる。
■出目 左「スイカ・リプ・V」、中「チェリー・リプ・ベル」、右「スイカ・リプ・チェリー」
ガリ「(あれっ……3連Vの一番上のVを下段に押したのに、左ビタ止まりからリプレイが中段に揃った……?)」
その後も1時間ほどバーサスを打つガリ。
やがて手を止めて小役カウンタを手に取る。
ガリ「(バーサスゲーム中に3連の一番上のVを枠内に押して成立したリプレイが、80G消化で中段揃いが49回(1/1.63)に、上段・下段リプ停止からのリプレイ揃いが11回(1/7.27)……。)」
思わず席を立ってガッツポーズのガリ。
ガリ「(RTリプレイは左に3連の一番上のVを枠内狙いからの中段リプ揃いで見極められるっ!)」
周りの客が不思議そうにガリを見る。
恥ずかしそうに着席するガリ。
ガリ「(よし、これで強力な比率判別が使えるぞ。ただ……この台はバーサスゲーム中のハズレが6回だから、49÷6で1/8.167……ダメか。)」(苦笑で)
■背景にバーサスゲーム中のハズレ比率表
下皿のコインをドル箱に移し、ジェットカウンターへ。
#義弟の味へのこだわりにも似ていますが、「好き」が探究心につながり、こうして新たな発見を生む場合もあります。
■午前中のまっちゃんのシーンを背景に。
店員に会員カードを渡し、ジェットカウンターに表示された568枚を全て貯玉にしてもらう。
#確かに最近の機種達に憂う気持ちもありますが……。
■午前中の佐藤の台詞のシーンを背景に
ガリ「(投資は9Kだからほぼチャラだけど、開拓した情報はプライスレス。うん、今日は大満足だ。)」
会員カードを受け取り景品カウンターへ向かいがてら、ピタッと足を止めて宙を見つめる。
ガリ「(待てよ。もしかして、これってハナビでも使える……?)」
踵を返し、再びパチスロのシマへ。
空いているハナビを見つけて着席。
台間サンドに会員カードを入れ、貯玉を再びおろして下皿に50枚のコインを用意。
#(右上白抜き)好きこそものの上手なれ。やっぱり私は今でもパチスロが好きなんだと再確認です。そして……。
■ワクワクした顔でハナビを打つガリの姿。
#(左下白抜き)この号の発売後、バーサスやハナビでRT中に3連を狙う人が増えてくれたら嬉しいです。
以上です。
これがRTリプ判を世に出した時の原作です。こうした話の流れありきの情報を伝える手段は、記事や動画よりも漫画が最適だと今でも思っています。
尚、原作提出時には模索段階だったので、漫画の中では「3連の一番上のVを枠内」となっていますが、文末コラムでは「一番上のVを中段or下段の2コマ目押し」と訂正してあります。ちなみに、この原作が漫画になった作品はコチラです。
【「プロスロ-パチスロで勝つための王道-」HIT.162】
http://www.pachibee.jp/comic/view/3
また、連載終了までのラスト1年分の他漫画も無料で閲覧可能です。
【パチンコ・パチスロ動画サイト「Pachi Bee」web漫画】
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