ガリぞうが理論値より経験値を優先した理由とは?【収支日記#74:2021年7月27日(火)~8月2日(月)】 (3/3)
7月31日:ぱち馬鹿
今日はYouTubeチャンネル「ぱち馬鹿っ!!」のロングラン生配信企画にお呼ばれしてきました。様々な著名人が出演されて古い名機を打たれる中、私の担当は夜20時からで、打ってほしいと希望された機種は4号機の初代ジャグラー。納得の機種選択でした。
>>【動画】4号機初代ジャグラー×ガリぞう ぱち馬鹿夏休みSP12時間生配信
せっかく初代ジャグラーに触れる機会があったので、今回はジャグラーのコンセプトや開発陣の気持ちについて、私の想像で語ってみます。皆様が思っているほど私は北電子と近くないですが、それでも長いこと色々なお仕事をさせてもらってきたので、メーカーが抱くジャグラーへの想いもある程度は聞いています。そんな私から見た「きっと北電子はジャグラーに対してこう考えている」を書き連ねてみます。
ジャグラーと言えばGOGO!ランプ。皆様はGOGO!ランプが左下に設置されている理由をご存知でしょうか。答えは「筐体の裏側でその部分しかランプを付けられるスペースが無かったから」だそうです。完全告知機を作る事は決まっていても、どこに付けるのかまでは最初から決まってなかったみたいですね。
そんなジャグラーですが、今や各メーカーが挙って搭載している高設定確定系の役や演出を未だに一切搭載していません。これは何故でしょうか。やろうと思えば簡単でしょう。現実的な話をすれば、BIGが揃う度に1/2の振り分けで選択される2種類のファンファーレですが、これを偶数・奇数で分けるだけでも食いつく層がいるでしょう。
勿論、北電子も高設定確定系や濃厚演出を搭載した機種は多々あります。しかし、これだけシリーズが続いたジャグラーですが、過去に1機種たりとも搭載された事がありません。これは、まず間違いなくそういうコンセプトなのだと思います。ジャグラーはライトユーザーの憩いの機種であり、ヘビーユーザーが喜びそうな装備は極力排除しておきたいんじゃないでしょうか。
4号機の初代ジャグラーが発売された頃はヘビーユーザーの間で減算値判別が流行していました。当時のパチスロには小役カウンターが搭載されていたのですが、この小役カウンターとは仕様の事で、取りこぼしが多い時は小役高確率にしてコイン持ちを良くし、ベースが甘くなれば小役低確率にしてコイン持ちを悪くさせる機能です。このコイン持ちの数値(減算値)に設定差があり、小役高確率と低確率の境目を探る事により設定を見抜く減算値判別が有効でした。
例えばハナビであれば、減算値は設定1~4=97、設定5=100、設定6=102。クランキーコンテストだと、設定1~4=98、設定5=99、設定6=100。しかし、ジャグラーの減算値は減算値判別の潮流に乗らず、全設定共通で104でした。つまり、減算値の差を見抜く判別がジャグラーでは使えません。
他の判別要素だとBIG中の小役確率の設定差による判別も多々存在し、4号機の初代サンダーVではBIG中に揃うベルとハズレにそこそこの設定差がありました。
各役だけで見てもそれなりの推測が可能に見えますし、これを比率で見る判別も私は良くやっていました。また、実は4号機のジャグラーでもBIG中の中段チェリーに設定差がありました。
4号機のBIG中の小役ゲームは平均23G程度ですから、丸1日打っても1000Gは回せません。それでこの確率分母の重さと設定差ですから、設定推測に使える訳がありません。こうした部分にも「一応設定差は設けるけど設定を見抜かせたい訳じゃない」という意思が伝わってきます。
5号機初期には通常時の小役確率に大きな設定差があり、設定推測自体をゲーム性にしたエヴァまごが一大ブームになりました。チェリーで1/132~105、スイカも1/124~96、ベルも1/8.04~7.24とそれぞれ差があり、さらにはBIG中にも特大設定差が設けられたのですから、高設定を探そうとする者達の食いつきは強かったです。しかし、皆様もご存知の通り、ジャグラーのブドウ確率は少し打ったくらいじゃ分からない程度の差しかありません。
なんならジャンキーやラブリー等、そもそもブドウ確率が全設定共通の機種もあったりします。こうして過去の遍歴を羅列しただけでも「ジャグラーは設定を見抜かせまいとする事がコンセプト」と予想できるハズです。
そんな独自の路線を貫きたい感がひしひしと伝わってくるジャグラーシリーズでも、もしかしたらメーカーが黒歴史と感じているんじゃないかと思える機種が2つほどあります。
1つは「ハイパージャグラーV」。4号機の第4弾のジャグラーで、多彩な演出を搭載した名機でした。個人的にはマジで大好きだったのですが、小役orボーナス演出を多数搭載したおかげで、「演出が発生したのにペカらないっ!」というクレームが多発したそうです。これ以降、ジャグラーは当たりにのみ色を付ける事を頑なに守り続けています。
もう1つは「みんなのジャグラー」。これはプロジェクトに私も参加したので記憶に新しいのですが、あまりにも仕様をユーザーの意見に寄せすぎた結果、ホールが扱いにくいと感じてしまったんじゃないかと推察しています。設定1でも6でも異常に甘く、ベルやピエロを取るにも難易度が低いとなると、そりゃホールも渋く使わざるをえませんよね。あくまで個人的な予想ですが、以上2機種の後継機が登場する可能性は限りなく低いと思っています。
以上、ジャグラーについての主観を連ねてみました。ジャグラーの歴史情報については他にも多々ありますので、また機会をみて続きを書きたいと思います。
以上です。来週からは私本来の姿であり最も得意な分野とも言える、稼働のみ月間の実戦記が始まります。お楽しみに。
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