【秘宝伝】実は○○県には設置されていなかった?4号機最後発の名機について。
チワッスあしのです。
パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「秘宝伝」について。4号機最後発のストック機ですね。今では大都技研の看板シリーズのひとつになっていますが、初代は別の角度からも遊技機史に名を残しております。というわけでドン。
どんな機種だったか?
秘宝伝。登場は2006年6月です。パロットを除く一発目の5号機である『新世紀エヴァンゲリオン』の登場が2005年10月なので、4号機としては後発も後発。最後発に近い機種でした。機種の特徴としてはA400のストック機。AT等は搭載されていませんが、ボーナス放出確率が跳ね上がる「高確率」状態を搭載。また「高確率」はパンク式の状態管理になっていて、「高確率」の高確率状態(なんじゃそりゃ)を「伝説モード」と呼びました。伝説モードはロングとショートの2種。発売された時期から考えるとツボったときの破壊力はだいぶ高い方でしたが、もちろんその分ハマった時の地獄っぷりも相当エグく。好き嫌いははっきり分かれる機種でした。
ちなみに筆者はこいつ大好きでよく打ってました。一回だけ万枚出したことあるんですけども、その分負けてたので恐らく戦績はトントンくらい。したがって4号機最後の万枚達成機種であるにも関わらず甘かったとかそういう印象は一切ナシ。でも当時は他に打つもんがなかったんだから仕方ない。こればっか打ってました(俺の空は苦手だった)。
さてそんな『秘宝伝』ですが、実はスペックとか機種の面白さとかとは別の方面でちょっとだけ有名です。そう。こいつ実はとある県では遊べなかったんですね。適合を受けて起きながら遊べない県がある。これはちょっとめずらしいパターンだったので、よくこういう感じの豆知識系コラムなんかでネタとして取り上げられます。なので結構ご存じの方もいると思うのですが、改めて優しく解説してみます。
そんなことってある!?
さて、『秘宝伝』が打てなかった県はどこでしょう? こういうのって「京都」とか「三重」とかがパッと浮かぶのですが、実はこれ「山梨」でした。海なし県の山梨県には秘宝伝もなかったと。そういう風に覚えるとスッと入ってくるかもしれません。
はい前提知識の解説です。まずパチンコ・パチスロが開発された時には保通協から「適合」を受ける必要があります。これを「型式試験」と言います。よくまとめサイトなどで「新機種○○が検定通過」みたいなのが書かれてるのを読んだことある方もおられると思いますが、これとは違ってあくまで「適合」です。これは法に則ったスペックになっています、という判断が下ったということで、それ以上でも以下でもない。実際に設置を許可するのは各都道府県の公安委員会で、そっちで駄目なら機械を設置することはできません。んでその「公安の許可」なるものが、いわゆる「検定」と呼ばれるもの。こっちは適合ではなく「通過」と呼ばれます。
適合を受けて通過する。型式試験のあとに検定。これがまず大前提ですね。こんなもん普通の生活には何の役にも立たない知識なので別に覚える必要は一切ないんですけども、まあ知っとくと何かの時にネタになるかもしれんので、興味がある方はこっちもどうぞ。
んでこの『秘宝伝』なのですが、型式試験自体はとっくの昔にクリアしておりました。適合ですね。ところがどっこい、大都技研という会社さんは当時ひとつの機種を研ぎ澄ましてドーンと出してバコーンと売るみたいな大艦巨砲主義みたいなのが根強く、この『秘宝伝』も長らくお蔵入りになっていました。会社としてはもっと全力で売りたい機種があって、そっちに生産リソースなんかをとっておきたかったんだと推察されます。一説によるとそれは『吉宗』の新作だったとも言われてるのですが、ご存知のように4号機でそういう機種が発売されることはなく。出なかったということは何かトラブルがあったんでしょうけども、そこで急遽「4号機最後の大都技研の機種」として引っ張り出されてきたのがこの「秘宝伝」だったんですね。発売時期から考えて、この辺の判断はかなりギリギリのタイミングだったと思われます。
さてもう一度前提知識です。適合を受けたあとの「検定」ですが、これは各都道府県の公安委員会が行うものです。とはいえ機械性能等に関してはすでに同じ公安(が指名した)保通協が行ってるので、これは余っ程じゃないと落ちない。以前「6号機の適合率が低い」とかが問題になっていましたが、それは型式試験の話なので。もし各都道府県の検定まで厳しくしたら、さらに低くなって新機種なんか出ない事になっちゃう。なので大体は通過するハズ。ところがどっこい『秘宝伝』は山梨県だけ設置できないという不可思議な現象が起きます。
これ大都技研の人に聞かないと最終的にはわからんのですが、状況が状況ゆえパチスロを取り巻く環境が激変しており、その中で「検定」に対する各都道府県のスタンスというのに差異が出てきた。山梨に関しては特に苛烈で「4号機の申請は05年中に行いなさい」という指導を各メーカーに対してしてたんですね。期限とかはこれはもう各都道府県公安委員会の範疇なので、それぞれバラバラです。そんな中にあって、なんと山梨だけ「申請が間に合わなかった」というのが原因であると言われています。この辺のニュースはまだ業界誌のWEB版とかに残ってるので、興味がある方はチェックしてみるのもいいかもしれません。
しかし、せっかく頑張って作って適合も受けた機種が、書類が間に合わなくてNGになるというのはなんとも……。
面白いけど、山梨のスロッターは悔しかったろうなぁ
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