POKKA吉田が6月のパチンコパチスロ業界動向を総括!広告宣伝のガイドラインはどうなった?
6月の業界事情は3点+α
今年の6月は例年よりも業界動向が多かった。例年ならこの時期は業界内の各団体の通常総会シーズンになることから、総会開催のための準備等で事務局などあわただしくなり幹部らは関係団体の総会や懇親会・祝賀会に来賓しあうためあわただしくなり、後述する1つの事例を除けば、業界動向としてはさほど重要視されるものではない。連休明けの5類への移行でコロナ禍が事実上明けたこともあって懇親会・祝賀会の規模も盛大になりがちだからなおさらである。また、主要団体の役員改選でトップが交代するということはあるが、それは定期的に必ず訪れるものである。だから、業界動向があわただしくなることはあまりない時期であるが、今年は少し違った。
時系列に沿っていくと、まずは日工組内規。日工組は6月1日(日工組総会の日)に内規を改定したことを明らかにした。内容は日工組は明らかにしていないが、既に巷間に流布されているとおり、ライトミドルや甘系のカテゴリの出玉性能が従来よりも上がる。もっとも、他のカテゴリと期待値(総量)を均したという体裁なので射幸性が高くなる、という評価ではないことから、警察庁も諒承したということが言える。
日工組の今回の内規改定の主要目的は甘系、ライトミドル系の充実と短時間遊技でも楽しめる遊技機を出しやすくするためである。昨今、特に源さん韋駄天登場から現在まで、出玉性能の上のカテゴリ(319、349)のさらなる出玉性能向上を求める声はほとんどなく、現状で十分という声が多い。裏返せば「甘系やライトミドルはテコ入れしなければならない」ということであり、そういう趣旨である。甘系やライトミドルなのだが、条件を満たせば319や349と遜色ないジャックポットのような状態になる可能性もあると考えれば、案外楽しみ、というのが私の評価。
次は広告宣伝ガイドラインQ&A。こちらは特に申し上げることはほとんどなくて、今後、こういう形でガイドラインそのもの、Q&Aそのものが上書き更新され続け、ルールがより鮮明になっていくよ、という準備が整ったということに過ぎない。
その上で私見を申し上げれば、このQ&Aは質問と回答ではなくて、通報と回答にしか見えない。新台がいつまでなんて質問をする者は普通いない。何ヵ月も新台を謳い続けている店が通報されたんじゃないかと思っている。同じように世間一般に定着していないような日を特日のように謳う店が通報され世間一般に定着している行事が回答となったのではないか。
ただ、面白いもので、開店時間を記載するとき理由の明記は必要か?という謎の質問。おそらく入替等もないままに「13時開店」とかを謳う店が通報されたのだろうと思うが、回答は「理由の明記は不要」である。通報と回答というQ&Aの体裁でも、通報された店の行為が全部NGではないというのはQ&Aそのものの存在も意味があるというものだ。
もっともQ&Aについてのこれらの記述はくどいようだが、あくまでも私見。
もう1つは日遊協総会での警察庁松下課長の講話。これは例年業界関係者が警察庁の業界所管方針を知るために必要な3つのうちの1つ。通常6月はこれのみが業界動向である。なお、残り2つは1月の全日遊連理事会での課長講話、11月の余暇進秋季セミナーでの課長補佐講話だ。
課長講話のポイントは2つあげておこう。1つは優先順位トップが広告宣伝だったということ。いろんなテーマで話が出ているが、最初に出てくる内容が広告宣伝である。課長講話に限らないが、行政が文書化され流布されることを前提に講話する場合、最初に話す内容が最も優先順位が高いのは当たり前である。
そしてもう1つはその広告宣伝についての次の言及だ。
「広告・宣伝の内容が多岐にわたることを踏まえれば、多くの質問が生じることはある意味当然ではありますが、他方で、警察庁通達やガイドラインの趣旨が十分に理解されていないのではないかと思わざるを得ないものも見受けられます。今一度、警察庁通達やガイドラインの趣旨に立ち返っていただき、業界として広告・宣伝を活用してどのような目標を達成したいのか、世間に与えるイメージの観点からどのような広告・宣伝が業界にとって中長期的にプラスとなるのか、という視点で健全化の取組を進めていただきたいと考えて おります。」
要は、好意的に通達+ガイドラインという枠組みを警察庁はホール4団体とともに今年頭までに作り上げたが、わかってない奴いるよね?バレてるよ?ちゃんとしろよ?ということを言ってるということである。
+αとしては主要団体のトップが交代したこと。日電協は兼次理事長から小林理事長へ。MIRAIは東野代表から金光代表へそれぞれ交代した。もっともこれは規定路線であり、兼次さん、東野さんは勇退され小林さん、金光さんに諸案件もしっかり引き継がれて新執行部が立ち上がっている。業界動向が激しく動きやすい今だからこそ、日電協、MIRAIはもちろんすべての業界団体にも頑張ってもらっていただきたいと思っている。
6月は主要団体としてはまだ全日遊連の総会を残しているが、このような業界動向の月となった。
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