【演者】パチンコ演者って何を演じてるから「演者」なのか問題について

チワッスあしのです。

いつもありがとうございます！　パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は「演者」について。いわゆるライターの呼称については定期的に問題（？）になるのですが、今回は「演者」という最新トレンドの呼称についてもちょっと考えてみましょう。どうぞ！

「ライターイベント」の時代。

今で言う「広告ルール」によりホールが独自で打つ有用な広告の多くが禁じられたのが2011年末の話です。これにより新聞広告等を利用した「カラ広告」「カライベント」を打つことができなくなったホールは集客に苦労する事になるのですが、そこで行き場を失った広告費が一気に流れ込んだのが「ライターイベント」、今で言う「来店取材」でした。これはホールが自主的に広告を打てないなら、有名・著名人に打ってもらえばいいじゃない、という発想の元で広がったもので、基本的な考え方は現在まで変わってません。

当初は「有名」「著名」な雑誌ライターさんが主に起用されていたこと、そしてライターが1日店長を務める、あるいは設定配分を決める等の側面が強かったことから「ライターイベント」や「（ライター）来店イベント」と呼ばれていましたが、広告ルールの兼ね合いから徐々に「来店取材」へと変化。さらに時代背景的にも徐々にYou Tubeなどの配信プラットフォームにより動画公開の手間とコストが一気に下がったことから雑誌用の円盤メディアではなく「配信用の動画を同時に撮影する」という手法が確立、それにより名称が「来店収録」へと最終進化を遂げ現在に至ります。

そしてここからが大事なのですが、SNS・動画プラットフォームの進化により「誰でも情報を発信できる時代」になったことで個人あるいは事務所単位で来店の仕事を請け負う人が爆増。来店パッケージを取り扱う代理店もむちゃくちゃな数が生まれたので、中には当然「雑誌」「フリーペーパー」「ブログ」「ウェブメディア」などの「文章にまつわる仕事」を一切していない、ただホールに出没するだけの人を取り扱うところもありました。

そして彼らも慣例的に「ライター」と呼ばれる時代というのがあり、これは「ものを書いてないのにライターとはいかがなものか」という物議を醸すことになります。これがいつからいつまでというのはちょっと分からんのですが、おそらくは2014年くらいから2020年くらいまでがホットスポットだったのではないかと思われ。一瞬だけ「タレント」という言葉へ言い換える向きもあった気がしますがそれは流石に定着せず。んでこの間で徐々に勢力を伸ばし完全に言い換えに成功したのが「演者」という呼び名です。

根本的な問題は引き続き変わらない。

はい、つい最近SNS上にて「演者は何を演じてるのか」というトピックが話題となりました。

これを見て「確かに！それは問題だ」と感じる人もいるでしょうし「どうでもいい」と思う人もいると思います。また、「ライターはホントにライターなのか問題」を知る人の中には「歴史は繰り返すんだなぁ」と思った人もいるでしょう。

文章を書かない来店マンをライターと読んでた時代には「パチンコライター」「パチスロライター」という言葉は確実に「来店をやる人」という意味を（本来の意味とは別に）内包しており、原義とかけ離れてるからイカン！　という人というのはまあまあ稀でした。みんなそんなことはわかってて、「来店マン」という意味で「ライター」って言ってたんですね。現在の「演者」も現象としては全く一緒で、動画に出たり演じたりしてない人も、とりあえず「来店マン」という意味で「演者」と呼ぶのが通例になっていますし、それで意味がしっかり通じるのだからなんの問題もありません。ただ、こういう「意味が違う言葉が職業名として当てられる」というのは他の業界からすると多分珍しい事ですし、この現象がなぜ繰り返し起きるか、は考察の余地あり。

これに関しては筆者がそう思ってるだけかもしれませんが、おそらく「ホールに来て仕事としてパチンコを打つ著名人でも一般人でもない人」という特殊な職業に、ちゃんとした名前がついてないのが原因だと思います。実際そんな職業は存在しないので、一瞬だけ言い換えの動きがあった「タレント」が一番近いっちゃ近いんですが、これはこれで「タレント（才能）」って言葉の原義を糾（ただ）す事になるんで結局「何がタレントだよ」ってなるだけだと思います。

要は「ライター」でも「演者」でも「タレント」でも別に意味が通ればそれでいいので、いちいち噛みつかなくてもいいじゃあないかねと思います。演者でええんじゃ！

最後ダジャレでシメてみました。へへ！