POKKA吉田が直近の市場動向を解説!ラッキートリガー対応機種の好スタートは想定外だった?

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想定シナリオは常に狂う



今年のスタート時点では「3月にラッキートリガー対応機種が登場するのでそれまでぱちんこは控えめ(シン・エヴァ後は控えめ)」「2月まではパチスロ(ほぼスマスロ)に注力」という方向性のホール法人が多かった。これは昨年12月に入った時点でかなり固まっていた方向性であり、当然ながらぱちんこメーカーも1月2月に力をほとんど入れず、パチスロメーカーは逆だった。



特に2月はスマスロがたくさん登場しており、どれかは必ず成功するだろうというのが多くのホール関係者の想定。しかしその一番成功した機種がLゴジエヴァというのは、かなりの予想外となっている。ただ、業界関係者内では「実は良いと思っていた」ということを言う人がこのLゴジエヴァに限っては珍しく多めの印象である。何年も前から「実は良いと思ってた、私は良いと言ってた」ということを結果が出た後に言う人は減っていたと思うのだが、今回に限っては久しぶりに増えている。こういうことを言う人が減っていったのはおそらく後出しじゃんけんみたいで恥ずかしいという自覚があるからだろうし、それでも今回多いというのは本当に言っていた人が多いからだろうとも思う。



しかし、LエヴァやPゴジエヴァの結果に引き摺られてたのかもしれないが、Lゴジエヴァの下馬評が低かったのは事実だ。しかも3月から始まるラッキートリガー対応機種の下馬評がかなり低い状態になっていく。昨年12月から1月にかけては2月まではスマスロに注力というのは、3月から新内規であるラッキートリガー対応機種が登場するからそれまでのぱちんこよりは良いだろう、という理由なのに、である。



3月(今月)に入ってラッキートリガー対応機種が登場したが、これが下馬評を超えてかなり良いスタートとなった。このラッキートリガーはP機かe機(スマパチ)かを問わない新内規なのだが、スタートはP機だけ。スタートから成功と言ってもいい状態の新しいぱちんこ遊技機のカテゴリはかなり久しぶりのことである。



昨年のe機(スマパチ)はみなさんよく覚えているだろうから触れなくともいいだろう。



さらに振り返ればb時短(遊タイム)は4年前の2020年春からである。しかしこの時期一番の成功機種は源さん韋駄天であり、多くのホール関係者や遊技客の「遊タイムなんて要らない」という意見はかなりいろんなところで目立っていた。さらにc時短についてはもっと意味がないというような話が多かったのだ。



パチスロは5号機後半の自主規制(5.○号機、特に5.9号機)からの規則改正となってからAT系新機種はものすごく苦戦。しかし、風営法議連(現遊技産業議連)と関係性を強化して警察庁と協議を重ねていくつもの自主規制改定を繰り返し、6.5号機から一気に成長過程に戻るようになっている。



一方のぱちんこは、現行規則の施行後、パチスロほどに内容が厳格化されていなかったことから相対的に市場では優位になっていき、ちょうど4年前にマスデータ上での台粗利益額がものすごく久しぶりにパチスロと逆転するという状況まで好転していた。が、これらは結果論だが「パチスロが悪すぎてぱちんこに収益を依存していただけ」ということになるのだろう。このため、収益がパチスロと逆転した年でも、新内規(及び技術上の規格解釈基準改正という、警察庁の正式な内部解釈改正も合わせたもの)であるb時短やc時短はスタート時点では評価されなかったわけだ。



こう考えるとラッキートリガーは現行規則はもちろん前の規則としても「かなり久しぶりのスタートから好調な新カテゴリ」ということになる。



パチスロはスマスロが既に一昨年11月にそれを久しぶりに達成した(6.5号機はスタートは好調ではなく犬夜叉やカバネリのスタート日であった一昨年7月4日までの3ヵ月ほどは成功していない)。ぱちんこは何年振りかわからないくらいである。



それくらいに久しぶりの好発進が、まさかの下馬評の低かったラッキートリガーだったとは、さすがに業界関係者のほとんどが読めてなかったようだ。



それくらい、遊技客のニーズは多様化・細分化しており、ホールはもちろん遊技機メーカーもそれらを精確に把握することが困難なのだと思う。だからこそ特定機種にのみ需要が集中して中古相場が狂ったように暴騰したりすることも日常茶飯事となっていったのかもしれない。



今年(というか来月から始まる来年度)は来月からの2024年問題と新紙幣への改刷があって、昨年のような「多くの決算を公表している業界企業はほとんどが増収増益」という状況から「特にホール職域における設備投資負担増大で、ホールの購買力が低下するので遊技機メーカー職域も含めて(おそらく設備職域を除けば)業界企業はかなり苦戦することが想定される」年である。しかし、2月には違う意味での予想と反した結果に、3月には嬉しい間違いのような予想と反した結果に、それぞれなったように見える。



さて、来月はRe:ゼロseason2再販分の納品が始まってゴールデンウィークに突入する。下馬評があてにならない以上、どういう市場推移となるのか正直全く読めないが、ゴールデンウィークが明けてからの市場推移、特にLゴジエヴァ、ラッキートリガー、season2の営業データ推移が今から注目かもしれない。

 

そういうことを考える3月だ。

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