大崎一万発が予想外（？）の大ヒットとなった「P貞子」の魅力とLT機の未来を考察！

2024/08/08 12:000

現行機種随一の特殊スペック機『P貞子』が、予想をぶっちぎる大人気である。導入から約1ヵ月、並いる競合機種を押し除け稼働率だけでなく台粗利＝店の儲けまでも堂々のトップを走っている。要はガンガンぶっこ抜き運用されているのに、ガンガン打つバカ……じゃなくて物好きプレイヤーの支持を得ての快走である。これぞ真夏の最恐ホラー（笑）。いや冗談ではなく、笑をつけなきゃ逆に失礼ぐらいの珍事なのだ（笑）。

本機はラッキートリガー機だが、図柄揃いとなる「本物」の大当り確率は推定1／1326である。399とか499が子供の遊びに思える、パチンコ史上最恐最悪の大当り確率である（役モノ振り分けはギミックのヘソ入賞時1発抽選機）。あれれ、大当り確率の下限値は1／319じゃなかったの？　もちろんそのレギュレーションに変更はないが、図柄揃いに2Rチャージ当りを加味してトータル確率を算出するとあら不思議、1／1326→1／201の「遊びやすいライトミドル機」に化けてしまうのがラッキートリガーマジックである。物は言いよう作りよう。尊敬しちゃうなぁ、ラッキートリガー考えた人。そして警察庁にウンと言わせた人。

さて、めでたく図柄揃いを引ければ最低でも3000個保証の大当り、カス出玉はない。そこで60％の振り分けを突破できれば、継続率73％のラッシュ＝LT突入となる。ラッシュ中の大当りは1500or3000個の均等振り分け、3000個の超大当りは、毎回50%で1500個が上乗せループしていく。暴凶星の上位互換と言える超重量級一撃性偏重スペックである。

と、確かに玉が出る理屈はよくよくわかったが、それ以前に1326ってバカじゃねーのと思うのがごく当たり前の感覚だろう。それを「え、打ってもいいかな？」と思わせる仕掛けが「回るん仕様」。「当社比2倍」のヘソサイズで、ボーダーラインは等価で千円30個、変動は基本的に即止まり。ぶっこ抜きの店でも、25、6個は普通に回るし、1時間に500回転する超高速消化で1326回転でも所要時間は約2時間半。それで最低3000個もらえるならば、意外に悪くないではないか？　というか、99の北斗強敵でも199のまどかでも、結局のところLTを目指して打つわけで、そしてLTの出玉期待はどんなスペックでも上限9600個と決められているわけで、この甘だろうが貞子だろうが凸凹と見せ方が異なるだけで、実は目指すゴールは同じ……なのがLTという新発明の偉大な点である。

僕は（旧）甘デジを滅多に打たないが、それは別にパチンコで「遊びたい」とは考えていないからである。もちろん調子が悪い時やヒキが弱い時には甘に逃げたいこともあるのだが、それでも一発出ないパチンコはやりたくない欲が先に立って、変な話、しゃーなし嫌々ハイミドル機に座る時だってあった。それが今や、気分や資金次第で甘でもライトミドルでもMAXでも、何を選んでも等しく一撃ン万発が期待できるようになった。LT機登場直前の3月に本稿で書いた、「遊べる（気がする）」と「（出る時は）出る」が両立する時代が、早くも本当に来てしまったのである。

もちろん、遊べるなんていらねぇよという人は、バカじゃないのと自虐しながら貞子を打てばいい。メチャクチャハマるし何も起こらない。でも、引ける日は止まらない（僕は初打ちで一撃40000発出て、その次3000回ハマってバカになった）。もはやパチンコかどうかすらもわからない特殊なゲームだが、確実に好きな人には刺さる。ボーダーあるかは別として、途切れず回り続ける安心感も、他では味わえないオンリーワンである。てか、理屈なんてどうでもいいのである。先バレでやってみたらいい。鳴るまで腹括って追ってみたらいい。「当たらない」を前提に打てるから、何にも起きなくたって腹は立たないすよ。無の境地、とか言いながらいきなり鳴ってみ？　シッコ出ますよ。ほんと、バカしか打たないし、無理な人には一生無理な打つ人を選びまくるゲーム性である。設置は全国2000台のレア台だが、それをブンブン回すぐらいのバカがまだいると知って僕は大いに安堵したのである。おお友よ！　である。

貞子の成功を受け、今後はとにかく偏らせたスペックに期待が大である。「どんなスペックでも許されるんだ」「ぶっこ抜きでも回る気がすれば打つヤツはいるんだ」、ついでに「デキレ役モノでもアツいと思わせればいいんだ」。これらのモデルケースとなったのはデカい。聞くところによれば今週の新台ユニコーンも回るんスペックのe機が好調のようである。大発明LTで、「遊べる台は出ない」という常識はぶち壊された。「パチンコは回らない」が、過去の話となるのも、そう遠い話ではないかもしれない。

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