「うしろに積んでいいですか?」早く後ろに積みたいホールと「おまえ、それはないだろう」と言いたいウエノミツアキ。ドル箱の“別置き”を巡るそれぞれの思惑とは!?

ウエノミツアキ プロフィール

快楽探求&人間観察を主とするジャンル不問のフリーダムなフリーランスライター。四半世紀に渡ってパチンコ&パチスロ攻略誌に原稿を寄せている。CS番組、動画配信コンテンツなどにも出演中。

別積み改め“別置き”にまつわるエトセトラ

 

先日、朝から『Re:ゼロ』を打っていたんですよね。朝イチ通常A天スタートも事前に集めたいろんな情報を加味すると高設定のはずということで「⑤かなぁ……でも、挙動は偶数だから④だろうなぁ……そう思わせておいて⑥ならいいなぁ……」と、モミモミしながら昼過ぎにようやく1箱を棚に上げまして。席に座り直したところで店員が肩を叩いてきたんですよ。で、「何ですか?」という感じで耳をそばだてたら、こう言ってきましてね。

 

「うしろに積んでいいですか?」

 

だから、こう返しました。

 

「おまえ、それはないだろう」

 

そりゃ、志村けん往年の受け答えも出ちゃうでしょ! だって1箱ですよ! たった1箱で別積みってどうしたの? バカなの? バカ殿なの? もし「いいですよ」って言ったら、それから別積み用の台をバックヤードまで取りに行って、無駄な別積みだらけの狭い通路をなんとか移動して持ってきて……「あ、パトランプを忘れた!」とかいってまた取りに行って、ようやく箱を台へ降ろせるぞ!……って、見てみたら、俺がすでに下皿のメダルを使い切っていて、箱を股の間に挟んで打っていたらどうすんの? それでも、こう言うの?

 

「うしろに積んでいいですか?」

 

「おまえ、それはないだろう」

 

ていうか、いつから別積みという手段が目的になってしまったんでしょうね。

ドル箱を積むというのは元々、パチンコから始まったことだと思われます。玉の貯まった重たいドル箱を横に降ろす。次はその上に積んでいく。これ以上積むと危ないなってなったら股下に積んでいく。それもいっぱいになったら右横? いやいや、それはお隣さんの領地。「もう置けないので別の場所に積んでおいてもいいですか?」(店員)というのが別積みの始まりかと存じます。

 

そうそう、昔のパチ屋は立って打っていたシマに無理やり椅子を取り付けたもんだから通路が異常に狭くて、うしろに積むのは不可能だったのです。

 

その後、通路の広いパチ屋ができると台の出入りで邪魔にならないように横ではなくうしろに積むようになり、客はシマをパッと見たときに立ち並ぶドル箱の量で出ているかどうか判断するようになり、それを知ったパチ屋は実際の量より多く見えるように上げ底やかさ増しするようになり、店の入口付近で出ているのを見せるように必要以上の別積みをするようになり、空き箱も組み合わせたタワーを作ったりして煽りに煽っていたら、当局に怒られるというね。

 

別積みが増えれば増えるほどピラミッドが大きくなっていくという別積みをやっている店もありまして、それはそれで面白かったですけどね。パチンコのド派手な別積みは嫌いじゃないです。

 

一方、スロットのドル箱は棚に置くのが基本でした。上の棚に並べて置いていく。横に並べて置けなくなって縦に積むようになるのは、2号機の爆裂連チャン機が出てきた辺りからですかね。そうなってもうしろに積む文化がなかったから、今でもうしろに積むだけで「別積み」って言われるんでしょう。20世紀のスロットでは、ドル箱はとにかく棚に置く。棚の上を開放しておいて、とにかく積んでいく。20箱とかあっても棚に積み上げる店もありましたから。

 

それが4号機になり、2万枚、3万枚、4万枚……と出るようになると、棚では限界に達する。そこで登場したのがバケツや樽、デカい木箱。それらを椅子のうしろに置いて、ドル箱に貯まったらブチ込んでいくの繰り返し。そういった樽や木箱をうしろに積み上げた辺りからスロットの別積みは始まったのでしょう。パチンコ同様、入口付近の広間や大きな中通路に別積みするようにもなりました。

 

時が経ち、4号機がなくなり、5号機だけになった2007年末頃、別積みは息を潜めます。ていうか、スロ専やスロットコーナー自体が息を潜めます。ただ、さほど時間を置かずに5号機でも5千枚出るようになると再び別積みが開始されました。とはいえ、5千枚ですよ? 普通のドル箱にカッチリ積めれば4箱程度。サラ盛りでも6箱あればいける。一般的な棚は上下3箱で6箱は入るサイズなので別に積む必要はまったくないのに、「待っていました!」と言わんばかりに、店は別積みを始めるのです。ドル箱を置くようの台をわざわざ別で作って、それを椅子のうしろに置いてドル箱を置く。そう、積む必要はないので置く。別積み改め、“別置き”。

 

それも棚に横並びで置けなくなったタイミングで別置きするというのならわかりますよ。棚に積んで倒れてきたら危ないですからね。5号機で別置きが始まった頃はさすがにそのタイミングが一般的でした。純増3枚のAT機が主流の頃まではそうでしょう。しかし高純増機がなくなり、5.9号機を経て、6号機のシマが当たり前になった今、どうですか?

 

まだ全然まったくまるで棚に並べて置けるのに「うしろに積んでいいですか?」と聞いてくる店の、なんと多いことか……。

 

百歩譲って2箱呑まれるまで打ち込むことはそうそうない6号機なら3箱目に突入したタイミングで別置きを提案してくるのは理解できなくはないとしても、『凱旋』で言ってくる店とか結構ありますからね。こっちとしては全ツッパ上等だったのに、2箱じゃ天井いかないから即流しして帰るよってなるでしょ……あ、持ち玉よりも現金投資で遊技してほしい店としては、それでいいのか。

 

こすい!

 

まあ、別置きは要望であって強制ではないので断ればいいのですが、気分は良くないですよね。昔はかなり出ているタイミングでの別積み提案だったから気分良く「いいよ♪」って言えたのですが、最近のはまだまだ全然負けているタイミングでの別置き提案ですから、そりゃキレそうになる。しかも自分の場合は最初の1箱を上げたタイミングでしたからね。それで「いいよ♪」って別置きしてもらっていたら、棚には箱がないのにうしろ置いた1箱がパトランプ4発に照らされている状況。それを他の客が見たら、志村けんじゃなくてもこう言っちゃうでしょ。

 

「おまえ、それはないだろう」

 

いやいや、俺がやりたくてやったんじゃないから! こんな晒し者にされる店には二度と来るか!!……となってしまうわけです。

 

客が飛ぶのは規制云々だけじゃないってことを知ってください。パチ屋のオーナーさん。もっと気持ちよくおカネを遣わせてください。パチ屋の偉い人。

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