パチスロ規制でも【POKKA吉田コラム #11】

パチスロ規制でも【POKKA吉田コラム #11】 eyecatch-image

パチスロの自主規制ネタがみなさんの関心を集めているようだ。

傾斜値2.0枚というルールは既に決まっていて今年12月以降の型式試験申請から適用され来年8月以降の新規納品設置型式全てに適用される。

が、現在3,000枚リミッタも議論されており、ユーザーの声というか反応もたくさん聴こえてくる。

 

3,000枚リミッタは議論としては進行しているが、これらの規制は「警察庁がその方向にするように指示(建前的には要請)した」から勃発するという流れだ。

自ら率先して意見を出して業界側が議論しているわけではない。

 

もともとリミッタ議論はパチスロメーカー組合である日電協ではなんども出ていた話である。

一時は「差枚数10万枚リミッタ搭載」なんて議論をしたこともあったのだが、現状どのような営業をしても差枚数10万枚出ることはない。

たとえ三重のオールナイト営業でも同じだ。ARTの純増枚数が全く届かないのが理由。

 

この議論をぱちんこメーカー組合である日工組(日工組メーカーの多くはパチスロもやっているのでパチスロ自主規制議論には主要組合の一つとして参加している)は、変な話だが「10万枚リミッタなんてアホらしい」ということで、日工組が独自に警察庁にあてた。

日工組が警察庁に「日電協から10万枚リミッタ遵守の同調要請が来てるが遵守すべきか?」と直接あてたため警察庁は「同調する必要なし」と一蹴した。

 

昨年、ART問題が勃発してから主にゲーム性のルールやメイン基板管理ARTへの移行ばかりが議論されていた。

出玉性能についての詳細議論は基本的には今年に入ってから。

それも警察庁が「最大MY3万枚はケシカラン(風営法20条1項違反だぞと明言。

なお、MYとはダイコク用語で「持ち玉寄り」の略だが、ここでは差枚数と理解すればいい)」というので入賞Sim1未満規制を今年の7月に決めた。入賞Sim1未満規制とは要するに「ARTの純増枚数2.3枚上限規制」である。

 

しかし、業界6団体が「高射幸性遊技機リストを作って撤去・下取りする」ということが8月になって確定的になったため、日電協は「差枚数2万枚」という基準を作った。

2万枚を超える性能は「高射幸性遊技機だ」としたわけである。

 

こうなるとややこしい。

最大で1日のゲーム数が1万ゲームと考えると「入賞Sim1未満規制だと2万3千枚出ることも可能」だからだ。

そこで日電協と日工組は「傾斜値2.0枚」というルールを作った。これなら1万ゲームあっても2万枚を超えない。

 

ところが警察庁は2万枚ですら40万円相当だから問題視している。

そこで浮上しているのがリミッタ議論や確率議論(レバー押下で直当たりする確率の下限値を作ろう、何万分の1なんてものはそもそもケシカラン、という話)である。

 

もともと警察庁も日電協も「リミッタは客によって公平ではない」と考えていた。

昨年からペナルティは客によって公平ではないということで禁止していく流れになっているわけだが、リミッタも同様だと考えていた。

だから「差枚数2万枚リミッタ」なんてものは「警察庁も公平じゃないと言ってるからやらない」としていたわけだ。

これがここ1年ほどの日電協の考え方。

 

しかし、警察庁の風向きが変わった。

最近になって一撃で多量のメダルが出てしまう性能に直接物言いがついたため、ならばリミッタでもつけようか、という議論である。

前の規則(遊技機の仕様を規制する国家公安委員会規則)下のぱちんこではCR1種5回リミットなどが実例としてあるし、リミッタに違法性があるわけではない。というか入賞Sim1未満規制にしても警察庁の物言いでいきなり決まっている。

もともと日電協は確率と差枚数期待値などで(内容はとてもヤヤコシイし実現しなかったので詳細は控える)自主規制を検討していたところ「こっちの方が良い」と言われてチーンと入賞Sim1未満一択になった経緯もある。

 

リミッタ議論は本稿執筆時点ではまだ決まっていない。

が、これからもパチスロ(もちろんぱちんこも)自主規制が続くことは間違いない。

おそらくこれは次の規則改正が実現するまで延々と続くのであろう。

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