パチスロ撤去の話の袋小路【POKKA吉田コラム #30】

POKKA吉田 プロフィール

業界紙「シークエンス」の編集長という立場を持つ、ぱちんこ業界専門のフリーライター。独自の目線でぱちんこ業界に関する著作物を数多く出版している。

この一か月、業界の重要課題に急浮上したのは新基準に該当しない遊技機や高射幸性遊技機(いずれもパチスロ)の、警察庁による撤去指導だ。

5月9日に業界6団体(全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商)の代表者らが集められ、そこで警察庁が指導した。

これを受けて、6団体が警察庁になんらかの報告回答をしなければならないのだが、現時点でその話はまったくまとまっていない。

 

遊技くぎの問題とは違い、違法性が指摘されているわけではない完全に合法の状態の遊技機の撤去について、外せと言われて「わかりました」と言いづらいのはどのホールも同じである。

 

しかし、それでも警察庁は「2年前とは環境が違う(IR推進法成立など)」と社会情勢を根拠に指導している。

最大のホール団体である全日遊連はパチスロメーカー組合である日電協に対して、ボールを投げた状態だ。

パチスロの性能が問題視される場合、それは製造側の問題である。

遊技くぎは釘調整というホールにも突っ込まれる可能性がある問題であったが、サブ基板などを改造でもしない限り性能をコントロールすることはホールには不可能だ。

サブ基板等を改造するならそれは不正改造事件である。

だから、まずは当事者である日電協にボールを投げて日電協がどう出てくるか、という状態だ。

全日遊連と日電協の連絡協議は6月2日に開催しており、その後も6月には予定されている。

そこでの内容次第によっては、6団体が6月中にも警察庁に報告するのだが、これがどうなるかさっぱり不明なのだ。

 

違法性が指摘されるなら話は別だが、そうではない現状の場合、ホールの集客収益の柱になっているような型式を、空気感だけで喜んで外すホールは存在しない。

かといって、警察庁は指導したことを引っ込めるはずもないので、最終的になんらかの撤去スケジュールを組まなくてはならない。

誰がそのスケジュールを画けるか、というのがまたわからない状態であり、今のところは日電協がどう出るか、というのが注目されている。

 

新基準に該当しない遊技機や高射幸性遊技機の撤去スケジュールが決まったとしても、それが守られるかどうかも難しい問題だ。

遊技くぎの問題はあれだけ警察庁が風営法第20条1項違反だと繰り返したにもかかわらず、期日を守らなかった店に対して一度も行政処分を打っていない。

結果、4月にすべてのリスト型式は撤去となったが、最後まで設置していた大阪の店に対しても行政処分はない。

 

遊技くぎは「法的な根拠のある業界側のスケジュールによる撤去」だった。

パチスロの問題は「法的な根拠がなく、空気で撤去スケジュールを作れ」と言われている問題である。

常識的にはこの状態のまま、スケジュールができるはずもなく、たとえできたとしてもすべてが守るはずもなく、だ。

 

5月9日以降、業界関係者は「すわ、パチスロの大型撤去だ」と慌てている。

しかし、6団体の当事者らは「どうやってスケジュールとか作るのか?」と暗中模索の状態である。

撤去問題、まだ6月も続く。

かなり難産な問題だ。

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