自主規制出揃う【POKKA吉田コラム #38】

POKKA吉田 プロフィール

業界紙「シークエンス」の編集長という立場を持つ、ぱちんこ業界専門のフリーライター。独自の目線でぱちんこ業界に関する著作物を数多く出版している。

1月31日、回胴式遊技機製造業者連絡会があって6号機ARTの自主規制が最終決定し、記者会見でその内容が発表された。

 

一撃(一回の有利区間)による最大獲得差枚数が2,400枚と規定されたため差枚数的には規制強化だが、傾斜値や入賞Sim規制が撤廃されたため、純増枚数を増やすことも可能になった。

 

このため「短い時間でも遊べる」「出玉性能抑制」という二つの柱が出来上がっている。

 

さらには、抽せん関係の設定格差も許容されることになり、ゲーム性開発企画の自由度はかなり高くなる。

よって、6号機ART機は当初想定していたほど厳しいものではなく、むしろ期待できるような内容になったという評価になっている。

 

私も6号機ARTは期待できると考えている。

 

日工組は昨年までに内規改定を実施しており、小当たりRUSH期待値1,500個未満などを決めている。

回胴式遊技機製造業者連絡会(イニシアティブは日電協)は会見で内容を発表したが、日工組は特に今回は発表はしていない。

 

しかし、日工組は3月1日にホール5団体に対して改正規則機の説明会を実施する予定だ。

 

改正規則に対応するのが昨年までに改定した内規であることから、これらの説明をすることが予想される。

 

こういう流れは20年も前なら考えられなかったことである。

日工組は自主規制、すなわち内部規則である「内規」をずっと持っている団体だ。

その遵守率は基本的に100%であり、ぱちんこ遊技機の出玉性能を左右する重要な規制である。

 

しかし、これらは日工組という村社会の中でのみ共有され、正式に流布されるということがあまりなかった。

このため、内容だけを理解して業界関係者の一部が共有する、というような図式であった。

 

日電協は内規というものを持たないことが多いが、自主規制は必要に応じて持っていた。

4号機のCT機などはまさにその例だが、これらの内容も基本的には非公開であった。

日工組内規と同じように、一部の業界関係者が知るのみであった。

 

回胴式遊技機製造業者連絡会は、この数年、ずっと自主規制について記者会見で内容を発表している。

今回も、自主規制決定は改正規則施行ギリギリまで時間を要したが最終決定と同時に発表した。

1月にはその内容が流布されていたが、このタイミングは正式決定とは言えなかった。

正式決定したら公表しているという点で、情報公開が進んでいると評価できる。

 

日工組は内規改定について記者会見をするということはあまりないが、やったこともある。

また、昨年までの内規改定については会見をしていないが、最終的には3月1日にホール5団体すべてに説明をする。

改正規則機は3月1日の段階で市場にリリースされることはまずあり得ないため、このタイミングでの説明ならホール職域にとってはまだ情報戦としては間に合う寸法だ。

また、日工組は内規改定のたびに個別に日遊協や全日遊連には内容を通告することも多い。

 

このように、今は日工組や日電協の遊技機仕様に関する自主規制の内容は「秘匿性」ではなく「公開・説明」の方向になっている。

これは、本当に20年前なら考えられなかったことだ。

 

業界の外にいる人にとっては、それがどうした、という話に聴こえるかと思う。

 

しかし、この20年で、業界内のディスクロージャー意識は確実に高まっている。

おそらくは、遊技機メーカー職域が、その自身らの村社会意識でまとまってればよかった当時と、今はホール職域や販売業者、その他さまざまな職域と、協力関係を構築しながら動かないと乗り越えることができないほど、業界環境が悪化していることを自覚しているのだろう。

 

内容を評価するのも私にとっては重要だが、内容を業界全体で共有できるようにしてくれている今の状況はとても望ましいことだと思う。

知恵なんて、人数集まれば何かしらでてくるものだ。

ならば、現状を正確に把握している人が多ければ多いほど、状況を好転させる可能性を高めてくれるはずだ。

そんなことを今さら感じた改正規則施行前夜であった。

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