これで出尽くしか【POKKA吉田コラム #41】

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全国のホールが加盟する全日遊連は、4月24日に全国理事会を開催した。

この理事会で高射幸性パチスロについて、設置割合目標値と期限を決めている。

内容としては3月の理事会にて配布されたものと同じだ。

来年1月末15%、再来年1月末5%、そして3年後の1末0%である。

ぱちんこ業界は、この数年、課題が山積みだった。

それは今もそうなのだが、特に多くの課題が山積みだった。

 

パチスロはART問題が勃発し、5.5号機、5.9号機という自主規制変更となっていく。

ぱちんこは遊技くぎの問題が発生し、久しぶりの大型撤去となった。

 

また、いずれも射幸性の問題があるため「新基準に該当しない遊技機」という区分を段階的に撤去する、ということが実施された。

これはぱちんこパチスロ両方ともの問題だったが、法的な撤去義務がある遊技くぎの問題による回収撤去によってぱちんこの方は目標期限を迎えることなく全撤去となっている。

 

このため、パチスロが残ったことになる。

 

昨年12月1日期限では、新基準に該当しないパチスロについては全体の30%というのが目標割合である。

高射幸性遊技機という区分も申し合わせができた。

 

新基準に該当するかしないかとは別に「20万円相当の差玉枚数が出たかどうか」でリストアップしたのが高射幸性遊技機である。

こちらも遊技くぎの問題による回収撤去によってぱちんこの方は既に解決済み。

高射幸性遊技機の撤去申し合わせは業界6団体の連名だが、期限等を定めていないものであり、宙に浮いていた。

 

警察庁はカジノ法制化議論の派生からの、ぱちんこや公営競技の依存対策議論にエクスキューズできるような環境作りを業界に繰り返し指導していた。

全日遊連の共通標語(のめり込みに注意しましょう等)や自己申告プログラムなどは、この指導に対応する形で出てきたものである。

 

警察庁は昨年、射幸性抑制の規則改正を実施することで依存対策にすると、業界6団体に通告した。

それが2月10日のこと。

そこから「射幸性抑制」は業界の重要課題になっていく。

 

既に改正規則は施行されているから、あとは経過措置で設置されている高射幸性パチスロの問題が残る、というのが現状だった。

もともとこの問題は業界6団体が警察庁から強く指導されていたものであり、昨年6月の前半は、まさにこの問題の協議が続いていた。

6月19日、突然警察庁が業界6団体を呼び出す。

「高射幸性パチスロの撤去スケジュールを決めるのが遅すぎる」と誰もが怒られると思っていたら、まさかの規則改正案配布であった。

 

そこからは、昨年末そして今年の1月末の6.0号機自主規制正式決定まで、ずっと改正規則関係の対応に業界団体は追われることになった。

あまりにもバタバタし過ぎていたために、各団体の幹部らは「高射幸性パチスロの問題は改正規則が施行されてから検討する」と言いだしていた。

果たして、既に改正規則が施行された。

 

こうなると、残りは高射幸性パチスロの撤去スケジュールということになる。

3月の全日遊連理事会でスケジュール期限と目標値案が配布された。

そして今月24日に理事会で正式決議となった。

 

わかりやすく言うと、この流れでの業界の重要課題は、ひとまず片付いたということになる。

つまり「材料出尽くし」ということだ。

ここからは3年後に到来する「ホールに設置されている遊技機のすべてが改正規則下の遊技機になる」という新しい市場の中で、どのような業界態様になるか、というどちらかと言えば、未来志向的な課題が到来することになる。

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