私のスタンス【POKKA吉田コラム #45】

今週はぱちんこの内規改定の動きが流布されていて、業界関係者はもちろん、遊技客にも注目されている。

 

ただ、この内規はぱちんこメーカー組合の日工組でまだ正式に決定しておらず、内容はともかく適用時期は未定(流布されている時期を目指すという意見はもちろんあるがまだ合意事項ではない)。

 

今週は警察庁に日工組が説明している段階である。それが「決定」かのように流れたのは、時代の流れのような気がする。

内規詳細については、日工組が正式に機関決定したらまた触れる。

 

あと、流布はされていないが、パチスロについても自主規制が追加となるという話も実は先月からあって、それもまたタイミングを見て触れよう。

 

私が業界に入った20年前は、メーカー組合(ぱちんこの日工組とパチスロの日電協)の自主規制内容は公表されるものではなく、かなりのレベルで秘匿されるものだった。

理屈的には「組合という村社会の中で、行政(警察庁)の了承を得て、自主規制を作ってみんなでそれを守る」という立てつけで、つまり村社会の外には言うべきではない、ということであった。

だから、断片的な情報が流れているということになっている。

 

古い話だが、たとえばCR1種5回リミットがリミッターなし(詳細には条件付でいろんな制限があったがリミッターなしも可だった)となったとき、日工組として内規の内容を公表してはいない。

 

たとえば4号機のCT機。

 

日電協が警察庁と協議して容認してもらった当時としては規制緩和なのだが、警察庁が容認した範囲内を担保するため、日電協はCT機の自主規制を作った。

これも日電協は公表していない。

基本的には、遊技機メーカーはホール企業に遊技機を販売して儲ける職域だ。

だから遊技機仕様の自主規制が変わるということは、販売できる遊技機のポテンシャルを変えることになる。

このため、ホール企業は内規や自主規制の内容を知りたいと思うのだが、直接組合が報告するような習慣はなかった。

このため、遊技機メーカー営業マンなどが、顧客ホールに内容を社内伝聞も含めて説明するということが多かった。

 

今から10年前くらいになると、この辺の習慣が変化していく。

平成16年に規則が改正されてから、ぱちんこの射幸性が拡大、パチスロは4号機よりも規制強化となって、遊技機市場のあり様も変わっていった。

インターネットの急激な普及もあって、誰もが情報発信していく時代に変遷している最中であり、村社会の秘匿事項であったこういう内容も徐々に流布されるようになっていく。

 

「どうせ流布されるなら正しく説明しよう」という機運が日工組や日電協の中で高まっていったからか、正式にアナウンスしていく習慣が出来始めていたのもこの頃からである。

 

業界全体に正式にアナウンスし始めたのは、パチスロの方が先だった。

日電協が主流団体であるパチスロだが、日工組ぱちんこメーカーもパチスロに多数参入している。

このため日電協が中心になって日工組及びその他も含めて回胴式遊技機製造業者連絡会を立ち上げ、そこでの自主規制という形を作り上げた。

この連絡会は、重要な自主規制の改定のたびに、業界紙向けに正式に記者会見を実施して公表している。

 

ぱちんこの方は、むしろ業界団体間で少し情報を出す、ということを日工組は始めていたのがこの頃だ。

日工組や日電協はたびたび警察庁に対していろんな要望を出しているが、その要望内容について、こういうものを出す、というのを、情報配信を遠慮してもらいながら全日遊連の担当部署などに報告するようになっていた。

その後日工組は、連絡会ほどは公表しないが、重要な内規改定のときに記者会見をするようにもなっている。

本来、日工組や日電協及び連絡会という民間団体のルールは「民間のルール」であり、法的な強制力はないものだ。

しかし、ぱちんこパチスロ問わず、毎回そのルール策定のときは、警察庁の了承・承認が必要になっている。

建前は「こういうルールを設けたが、これは技術上の規格(国家公安委員会規則)に抵触しないよね?という確認が了承・承認」ということなのだろうが、技術上の規格は厳格なもので規則(政令と同じ)であり、皆が知っていて(政府が官報等で公表する)、皆が理解しているものだ。

だから、民間側のルールが規則に抵触するはずもないのだが、そういう手続きフローを要するものとなっている。

 

この警察庁の了承・承認のやり取りは、実質的には「規則に具体的に定めていなくても、好ましくないと警察庁が思ったことをさせないように指示したりする」というものが多いのが昨今だ。

 

このため、ルールが正式に決まったときは、それは「自主規制とは言いつつも、警察庁の考えが反映されたものであり、型式試験にルール逸脱のものが出てきたときは、なんとかして不適合にするか取り下げさせたりする」ということになりやすい。

 

このため法的な強制力はないものの、原則すべての遊技機メーカーがルールを守る。

 

ルールを逸脱したような仕様の遊技機がたまに販売されることがあるが、仮にルールを逸脱していてもそれは「当該メーカーのルール解釈の間違い」だったりする。

その間違いについて、警察庁がさほど問題視しなければ見逃されることもあるし、問題視すれば、販売中でも販売停止となることもある。

 

こういう実態から、民間側のルールであるにもかかわらず、実質的には法令と同様の重要な規制となり、それらが改定されるたびに「規制が変わる」ということになる。

 

今回は、今年2月に法令の方が改正されたわけで(規則改正)、それに伴ってぱちんこは昨年末に、パチスロは今年1月末にルールをそれぞれ改正した。

ぱちんこで今流布されている内規改定は、昨年末に日工組が機関決定した改正規則対応内規の改定案であり、現在は改定作業中だ。

パチスロについてもそれは同じ。

 

さて、長々と書いたが、最終的な警察庁の了承・承認が得られて、日工組組合員会議や連絡会が開催されるまでは正式な機関決定ではない。

正式な機関決定ではないということは、決定していないということだから、方向性は決まっていても、決定するとは限らず、内容も覆ることもある。

 

そういうことを考えると、私は最近心がけているが、「機関決定までは民間側のルールについて基本的には情報発信しない」ということになる。

 

今、流布されている内容は、おそらく遊技客にとっても楽しい方向性のはずだ。

パチスロが6.0号機の自主規制に期待を持っているメーカーが多いことで、11月に開催するパチスロサミットが合同展示会の様相になることと同じく、日工組も来年の早い段階で同じようなイベントを開催することを企画している最中だ。

 

ちゃんと決まったら内容はそういうところも含めてここでも詳しく触れますので、それまでは私はおとなしくしているが、読者の皆様もそれはご了承願いたいと思います。

POKKA吉田 プロフィール

業界紙「シークエンス」の編集長という立場を持つ、ぱちんこ業界専門のフリーライター。独自の目線でぱちんこ業界に関する著作物を数多く出版している。

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