ぱちんこ型式試験の新しい風「GLIJapan 業務拡大」がもたらす影響は!?

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POKKA吉田 プロフィール
POKKA吉田

業界紙「シークエンス」の編集長という立場を持つ、ぱちんこ業界専門のフリーライター。独自の目線でぱちんこ業界に関する著作物を数多く出版している。

GLIJapan 業務拡大

 

型式試験を実施することができる国家公安員会の指定試験機関にGLIJapan(G社)が指定されて二年、ついに先月21日に保通協以外では初めてのこととなる型式試験を実施した。当初、G社は「月に一件、ぱちんこ遊技機のみでスタート」としており、毎月一件の型式試験をぱちんこだけ実施していくと見られていた。そのようにアナウンスしていたからである。しかし実際はその想定よりもかなり型式試験処理能力向上がはやい。8月には複数の申請受付をもう始めている。G社の型式試験は7月の一回目から、保通協と同じく2週間前に予約申込が可能で、枠を超える場合は抽せんで決める。保通協の場合は一つの枠に対してぱちんこが40~50件、パチスロが100件近くの申込があることが多いが、G社の場合はそれが10数件近くになっている。

 

保通協は、これからも指定試験機関として業務を続けていくし、今まで蓄積された技術・ノウハウも膨大なので型式試験としては将来的にもメインの試験機関と私は考えている。それは多くの遊技機メーカーにおいても同様であり、だから1つの枠に対しての申込件数が多い。

 

わかりやすく言えば、現在、適合率の問題もあって、型式試験は「1回で販売できると思って申請するメーカーがほとんどいない」状況だ。型式試験で最も重要なハードルは試射試験なのだが、これは設計値を見る検査ではなくて実射での出玉率の結果のみが適不適を決める。技術上の規格に規定されている基準内に期待値で収まるように作っても、たまたま出てしまった(あるいは出なさ過ぎた)ら不適合だ。このため、PS問わず、多くのメーカーは社内で「適合率」というものをシミュレーションする。一応は法定試験は「ぱちんこは5台×10時間」「パチスロは5台×17,500G」なので、このシミュレーションで各時間出玉率等の規定に収まる確率をシミュレーションするわけだ。


たとえば20%という適合率が出たとする。そしたら5回申請していく。その5回はほとんど同じであり、試射試験をパスしたことがわかったら取り下げも可能だ。確率どおりに出ればこれで適合する。確率のヒキに負けた場合はさらに申請を追加する。今はそういう申請方法は一般化しているわけだ。

 

保通協の1枠に対する申請予約件数の多さ、G社のそれの少なさは、型式試験に申請するメーカーが保通協とG社とを使い分けているように私には見える。たとえば5回以上申請するつもりの20%くらいの適合型式をG社に持ち込まないで保通協に持ち込む、ひとまず申請してみてG社の現状を把握するのにちょうどいいという感じで自社としては1回申し込んでみる、というような違いがあったりするかもしれないな、と予想できるわけだ。

 

ただ、「毎月一件ぱちんこのみ」として7月に始まって8月には既に処理件数が増えている。さすがに初申請が7月21日なのでまだ初めての試験機についても結果は出ていないと思われるが、その段階で処理能力を引き上げてくるとは予想外だった。これは案外、パチスロの申請受付も早いかもしれない。

 

適合率で言えば、ぱちんこよりもパチスロの方がずっと低い状況が続いている。保通協が毎月公表する統計資料によると、先月の適合率はぱちんこは30%台、パチスロは10%台となっている。上記で触れたような適合率と申請件数のバランスは、適合率の低いパチスロほど顕著になる。

 

だから、たとえばG社がパチスロの申請予約を受け付けるようになったとき、G社の1枠について予約件数がどうなるかはまた異なるかもしれない。ぱちんこは今のところ1枠に対して10数件だが、パチスロは保通協と同様に100件近い申込となるかもしれないわけである。

 

この辺は、各メーカーが自由に考えていいところであり、どうなるかはまだ不透明だ。

 

今後、G社が保通協の処理能力に近づけるようなことがあるのかどうか。逆に保通協が処理能力をさらに拡大していくのかどうか(この20年ほどで保通協は試験処理能力をずっと向上させ続け、そのために東陽町から錦糸町に移転もしたし試験のための部署も実は第三部というのを新設したりしてきた)。また、警察庁が型式試験についてはその方法なりを直接指示してきたのだが、それらの座組が同じように続くかあるいはどこかで変化するか。

 

そういうところが気になっている点だ。

 

まあ、遊技客のみなさんにはあまり関係ない話ですが、指定を受けたことも驚き(とは言いつつ実は保通協以外では二例目)だし、実際に試験を始めたことも驚き(これは初)だし、処理能力がスタートの先月から比較して今月は倍増なのだからそれも驚きである。

 

業界団体の大きな会合では保通協の役員が来賓したりするが、来年はG社も来賓招聘されるのかどうか。そういうところも見ておきたい。

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