ハズレ変動の「煽り」はもう古い?大崎一万発が次世代パチンコのあり方について提言!
大当りを引けない限りは何のサービスもしてくれないのが今のパチンコである。3万円入れて保留変化のひとつもなく、2時間ずっとスマホを見てただけ、なんてこともしょっちゅうである。ほんの数年前まで、そんな退屈な台は「修行」などとボロカス言われたものだが、今やこっちがトレンドだからわからないものだ。今は通常時のメリハリくっきり、ハズレ変動は「何もない」のがスタンダード。さらにそれをカスタマイズして、完全告知ライクなゲーム性で楽しむプレイヤーが多数派となった。パチンコの(通常時における)楽しみ方、もっと言うならゲーム性のあり方もが大きく変わってきた。
この変化にはプレイヤーのリテラシー向上も大いに関係していると思う。「大当り確率319分の1の台で大当りを引けるのは、319回転に1回である」という当たり前かつ不動の現実をベースにパチンコ(デジパチ)を楽しむ人が増えてきたということではないか。どんだけ前のめりに入れ込んでも、どんだけ激アツが連発しても大当り確率は不変であり、319分の1は319分の1。ならばハズレはハズレと割り切って、念を残さずさっさと次変動に期待する方が合理的であるし、大当りを引くには通常時の試行を増やすしかないよね……と、これまた当たり前すぎる抽選の仕組みと期待値論が周知されたと言うことである。というか、30年以上も延々同じ「勝ち方」が公開され続けているのだ。むしろ遅すぎたぐらいでもある。
当たりそうでしょ? アツいでしょ? と、ハズレ確定のフラグで長々煽られたところで、お前の手の内なんか全部お見通し。もう古いし飽きたんだよ! それが今のプレイヤー、ネットに親しみ自分で情報を取れる若いプレイヤーの価値観である。当たらないものを当たりそうと期待させ、勝てないものを勝てるよう勘違いさせるのがパチンコという商売である(あった)が、すでに老害思想化しているのである。僕はもとよりロマン派で、スペックもゲーム性もよくわからぬ台にカネを入れながら勝ち方やオモシロどころを探っていくプロセスに醍醐味を感じパチンコを好きになったのだが、そんな入りでパチンコを打つ人はもはや皆無ではないかと思う。しかし、楽しみ方は人それぞれだし、時代によっても変わる。どっちがいいとか悪いとか比べられるものでもない。愛され続けるためはタイムリーな娯楽性を提供することが何より優先されるわけで、実際にゲーム性も演出トレンドも変化を続けているではないか。なんやかんや言われながら、パチンコはまだまだ死んでいないと期待させてくれるしぶとさも感じているのである。
というわけで、今日もシマを見渡せば、スマホを盤面に立てかけ、イヤホンにフルカスタムでパチンコに興じる若者が多数である。それも、プロではない一般のプレイヤーである。パチンコ最大の欠点である身体と時間を拘束される問題をながら遊技で解消しつつ、大当りフラグ取得の歓喜だけはしっかり味わえる「合理的」な遊び方に馴染んで楽しんでいる。という風潮を鑑みれば、ゲーム性や遊技環境のアプデもまだまだ余地はあると思う。遊技しながら操作できるスマホスタンドを筐体かシマに装備できないものか。遊技中の台の原作アニメを通しで見られるカスタムは入れられないものか。大当りの瞬間を何度も見直せるプレイバック機能は実装できないのか。ギリギリアウトにならないハンドル固定の裏技を工夫できないのか……。
パチンコはもちろん当たれば楽しい。しかし大半は打ち込むだけの時間を過ごさせられる。一発の出玉が大きくなったスペックにおいては避けられない宿命だが、当たりそう当たるかもで引っ張るやり方が通用しなくなった今、ならばその無為の時間は、台じゃない別のものに任せればいいのである。楽しい瞬間だけを提供できればそれでいいのである。娯楽の王様ポジションに縛られ、全部を自分で、盤面の中だけで賄おうなんてプライドはもはや無用。次世代に繋がるゲーム性拡張のためには、開き直りも必要だと思う。
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