POKKA吉田が直近のぱちんこ業界動向を解説!警察庁の課長講和から推察される最優先課題とは?
1月から2月にかけての話
前回ここに寄稿した「あと」のぱちんこ業界の動向を簡単に触れていきたいと思う。
まずは最重要事項として、全日遊連の全国理事会。全日遊連の全国理事会が全日遊連傘下遊協組合加盟店舗にとって重要なのは普通の話だが、それ自体は年に何度も開催されている。が、1月は何度も触れたとおり、警察庁から保安課長がやってきて講話をしていく。しかもその講話はすぐにファイル化され、業界全体に配布されるものとなっており、警察庁が業界全体に出すオフィシャルメッセージとなる。オフィシャルメッセージとなる課長講話は平時は年2回だけであり、6月の日遊協総会のときと1月の全日遊連理事会のときだけだ。
今回の講話で警察庁の松下保安課長が言及したのは3点。これは1月の課長講話のプロローグ的意味合いの11月の余暇進秋季セミナーの課長補佐講話の5点と比較しても2点減っている。しかも3点のうち1点は不正改造と賞品関係であり、不正改造というのは今は釘調整の問題に限定される。これは遊技くぎ問題の帰結が実態と完全に乖離したものとなっている以上、検挙事例があるにはあるので触れざるを得ないだけの話と考えている。なお、検挙事例があるのは主に内部も含めたリークだったりする、いわゆる「バレたらしゃーない」検挙であって、特筆すべきものは何もない。また賞品関係というのは自家買いなのだが、これも同じように少数だけど検挙事例がなくならないから触れざるを得ない、というだけの話と考えている。
とすれば、松下課長が重視したのは2点に集約される。1点は広告宣伝ガイドライン関係であり、これがオフィシャルメッセージとしては最優先課題となる。官僚が作成するオフィシャルメッセージ原稿は、優先順位の高い順に触れていく。だから広告宣伝が最優先だ。そしてもう1点は依存対策。これが優先順位第2位ということになる。
2点に集約したから触れ方もより具体的だ。広告宣伝については晒し系に限定した問題視をしていることが明らかであり、依存対策については自己申告・家族申告プログラムの全店導入を求める内容となっている。触れた点数と講話の時間は例年よりもかなり減っているが、内容が具体的なだけに重要度はむしろ増した印象もあるものとなった。
そして次に触れるべきは1月30日のパチンコ・パチスロ産業21世紀会による賀詞交歓会だ。200人規模の開催ということでコロナ禍前と比べると半分くらいの規模の出席者であったが、第一ホテル東京にて盛大に開催されたことは間違いない。昨年、3年ぶりの開催となった賀詞交歓会には、直前で脳梗塞を発症したため行けなかった私だが、今年は取材として出席することができた。私にとっては4年ぶりに行ってきた形である。
賀詞交歓会では通常国会開催期間中にもかかわらず遊技産業議連会長でもある田中和徳衆院議員も来賓し挨拶した。国会中だから挨拶後にすぐに退出していったが、田中議連会長が業界を重視している姿勢は今年も明確だ。
他にも警察庁松下保安課長も来賓し挨拶している。松下課長の挨拶内容は全日遊連理事会や日遊協総会の講話とは異なり業界所管のオフィシャルメッセージとはならないものだが、だからこそ原稿を読まずにご自身の言葉で語っている。これは松下課長の特徴とも言え、歴代の保安課長(や部署が生活環境課だった頃の生活環境課長)と比較しても自分の言葉で語る人の方が少ないと思う。なお、警察庁のオフィシャルメッセージではないとは言え松下課長が何を言ったかはもちろん重要だ。その場で聴いていた私が要約すれば言及したのは2点。1点は能登半島地震の被災者支援のための業界の活動に敬意を評するということ。もう1点は課長になってから1年半ほど、みなさんとのコミュニケーションを大事にしてきたので、最近では(業界各団体の幹部の)みなさま方の人となりがよくわかってきたということ、であった。
ほかにも、賀詞交歓会の場では21世紀会代表として全日遊連阿部理事長が石川県に21世紀会として1,000万円の寄付をすることを表明している。
が、実は業界動向としては賀詞交歓会はあくまでも懇親を深める場である。重要なのは賀詞交歓会開催直前に同じ第一ホテル東京で開催された21世紀会の会合だ。この会合は、業界の主要団体のすべての執行部が一堂に会するものである。この会合の内容は非公開であるが、私が伝え聞いている範囲だと重要議題としては依存対策であった。また、リカバリーサポート・ネットワーク西村代表理事がこの会合で基調講演を行った。
1月のこの業界動向から私は次のように判断した。
◆業界内の最優先課題は広告宣伝関係
◆ぱちんこ業界として対外的に進めていく最優先課題は依存対策関係
課長講話での不正改造・賞品関係の話をアリバイ的に触れただけと解するなら上記2点が課長講話の焦点だ。おそらくこの認識で間違ってないと思う。
なお、2月はスマスロのラインナップがたくさんあり、3月からはラッキートリガーという流れに注目していることは先月も述べたとおり。そこにスマスロでもドラゴンハナハナが3月に登場するということがアナウンスされて、個人的には最大限注目している。スマスロはメダルがないことから、ホッパー払い出しやメダル投入のタイムラグがない。導入開始から1年と数ヵ月が経過したスマスロだが、メダルパチスロよりも稼働率が同じ場合、IN枚数が増えるのは実証済みだ。IN枚数とは投入したメダルの枚数なのでスマスロの場合はBET数から算出する疑似数値であるが、DKーSISの幹部に昨年聞いた話では昨年のスマスロ北斗の初動IN枚数はDK-SIS史上最大のIN枚数だったそうである。ノーマルタイプはメダルパチスロよりもさらにIN枚数上乗せ幅が増える可能性もあることから、先に導入済みの30φのドラゴンハナハナとのデータ比較が今からとても楽しみである。
ぱちんこメーカー組合の日工組は3月からのラッキートリガー内規対応機種導入開始のためのキャンペーンとしてラララライトキャンペーンを2月19日からスタートすることを2月1日にプレスリリースした。ラララライ体操の藤崎マーケットを起用したということでリリースを見て私も思わずニヤリとしてしまったが、日工組のプレスリリースのメール本文テキストは「ラララ ライトキャンペーン」となっている。ラッキートリガーは甘デジ(ライト)やライトミドル帯までの設計にしか適用できないため「ライト」を強調しての語呂合わせだろうと思うが、私には懐かしさを感じる藤崎マーケットとともに昨年のTHE W優勝で今、とても勢いのある紅しょうががアンバサダーとなって、キャンペーン開始からWEBCMも多数出稿予定だ。ドラゴンハナハナが急遽私の中で3月の最大注目になったがラッキートリガーの成否が今後のぱちんこ市場を卜うという考え方は変わっていないのでこちらも重要である。是非、このキャンペーンも盛り上がって欲しいものだ。
まずは今月、スマスロ新機種群を注目して見ていこうと思う。
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