2017年はこんな年【POKKA吉田コラム #25】

POKKA吉田 プロフィール

業界紙「シークエンス」の編集長という立場を持つ、ぱちんこ業界専門のフリーライター。独自の目線でぱちんこ業界に関する著作物を数多く出版している。

読者のみなさま、新年明けましておめでとうございます。

業界ネタだけのこんなコラムですが、今年も頑張りますのでよろしくお願いします。

 

さて、2017年のぱちんこ業界展望を簡単にまとめておきたい。

一昨年、昨年と、ぱちんこ業界は「遊技くぎ」問題の年であった。

その回収撤去リストの撤去期限は昨年末。

現時点でリスト型式を稼働させている店が確認されていたりもするのでまだ最終的な決着とは言い難いが、全国的にほとんどの店が撤去あるいは板外しなどで対応しているのも事実である。

未撤去の店が今後、警察行政も含めてどうなるか、という点で問題はまだ続くが、もう終焉模様だ。

遊技くぎの問題については、私もかなり飽きてきたので、よほどの事情が発生しない限り、あまり触れないだろう。

今年は一転し、ギャンブル依存症に関する年になる。

これは、既に昨年末からほぼ確定している業界の動きだ。

 

昨年12月にカジノ法制化を政府に促すIR推進法が成立した。

これを受けて、政府はギャンブル依存症対策に向けて動き出している。

政府の対策と称するものが、いかほどに実効性があるのかはここでは置いておく。

 

政府のこの動きについては、同じ政府内である警察庁も強く影響される。

ぱちんこ業界に対して、警察庁がギャンブル依存症文脈で業界各団体に対して指導・要請などを繰り返すことになる。

ぱちんこ業界は、他のギャンブル、公営競技やFXなどの金融商品とは違い、業界内の資金拠出によって、一定の対策を以前からやっている。

しかし、今のところは「相談窓口(RSN)」「啓蒙活動」などを中心としたものになっている。

たとえば深刻なギャンブル依存症に陥っている者を、業界の資金によって回復させる、なんてことはやっていない。

この点について、警察庁は「さらにもっと積極的に」という指導を行う。

 

しかし、業界への影響というのはここではない。

というか打ち手であるみなさんにも影響するのはここではない。

これはとても単純な話なのだが「ギャンブル依存症について警察庁が力を入れると、遊技機の出玉性能規制強化になる」ということこそが最も影響が出る部分なのだ。

 

射幸心という言葉は実に曖昧である。

ある人は「エロと射幸心は同じようなモノ」と評した。

それは「基準がはっきりしているようではっきりしていない」からである。

だから、射幸性規制、という言葉は今回は避けておこう。

影響が出るのは「ギャンブル性の規制強化」ということである。

 

ギャンブル依存症に関する知見というか、そういうものが日本という国は実に頼りない。

ギャンブル性が高いと依存症発生リスクが高まり、ギャンブル性が低いと依存症発生リスクが低くなる、なんて学説はない。

アルコール度数が高いテキーラなどの酒はアル中リスクが高く、度数の低いビールはアル中リスクが低い、なんて言ったらアホ扱いであろう。

もっとも「溶けるカネが減ることは有意義だ」という言説はあるが、そもそもぱちんこ・パチスロは投入金額や消費金額に天井がある。

一日百万円を溶かすことは不可能だ。

となると「ぱちんこに置いては少なくともギャンブル依存症対策は可処分所得が年間一千万円以上ある人については考えなくてもいい」なんてトンデモ言説になる。

どこぞの紙屋のオーナーjrは超カネ持ちだったが、とんでもない事態になったことはみなさんご承知のとおりである。

 

なので、本来は「ギャンブル依存症対策でギャンブル性規制強化を」というのは、単なるトンデモ論になる。

しかし、先ほども触れたが、この国はそういう知見的な部分が実に頼りない。

これは政府、警察庁も同じなので、結局「ギャンブル性規制強化をして依存症対策していると強弁する」というシナリオになる。

 

政府の、たとえばギャンブル依存症対策関係閣僚会議が実効性のある方向性を導き出せるかどうかを問わない(置いておく)、としたのはまさにここ。

警察庁もギャンブル性規制強化をして依存症対策の実効性があると考えているかどうかも実はどうでもいい。

警察庁は業界にギャンブル性規制強化をさせて、「対策はやってますよ」という立場を得たいだけなのだ。

 

そういうことなので、これはぱちんこ・パチスロ両方とも、何らかの形でやってくる。

というか、既にメーカー団体である日工組、日電協には昨年末から依存症対策の文脈で強い物言いを警察庁は始めている。

従来レートだと、業界団体側に自主規制を強化させるべく内規等を改定させる。

しかし、それでは不十分だと警察庁が考えれば、風営法施行規則や技術上の規格(ともに国家公安員会規則)の改正も視野に入る。

 

さらにもう一つ、遊技くぎの問題は終焉を迎えつつあるが、高射幸性遊技機(パチスロ)の問題はまだ残っている。

こちらは違法ということにはなっていないが、依存症文脈では完全になくなることが望ましいと警察庁は考える。

それが依存症対策として実効性があるかどうかは警察庁にとっては、もちろんどうでもいいのだ。

 

今後、通常国会にギャンブル依存症対策法案を政府が提出する見込みだ。

結果、2017年は「ギャンブル依存症」を軸に、ぱちんこ業界が推移することになる。

その帰結は「出玉性能規制強化」となる。 今年はこんな年になるだろう。

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