異例の状況【POKKA吉田コラム #39】

POKKA吉田 プロフィール

業界紙「シークエンス」の編集長という立場を持つ、ぱちんこ業界専門のフリーライター。独自の目線でぱちんこ業界に関する著作物を数多く出版している。

改正規則対応の6.0号機自主規制が決まって4月から保通協の型式試験申請が始まる。

保通協は2週間前から申請予約が可能だから、今月中旬から徐々に予約が埋まっていく見込みだ。

正式な自主規制が決まって発表されたのが1月31日だからまだ開発企画期間が短いため、すぐに予約が満席になるとは限らないが、徐々に増えていくことになるだろう。

 

今年になってパチスロメーカーの開発企画の雰囲気はかなり変化している。

昨年末までは5.9号機の開発と申請予約抽せん競争だった。

5.9号機については改正規則施行までというタイムリミットがあったためこれはこれで開発企画の熱量は高かった。

しかし誤解を恐れずに言えば、どちらかというとブラック労働的な熱量である。

しかし、この1か月だけ振り返っても、各パチスロメーカーの開発企画の現場の雰囲気は違う。

メーカーの下請けになるとまた条件は異なるが、少なくともメーカーの開発企画の部署については、同じように忙しくても「やりがい」を感じるような、かなり前向きの雰囲気になっているところが多くなっている。

ホールについても雰囲気が変わってきた。

昨年にリリースされた5.9号機の営業成績から、5.9号機の評価が極めて低い状態で固定されつつある。

そこに6.0号機のニュースということで、期待を寄せるホールは多い。

たとえば受動喫煙防止や消費税率10%移行などの影響で2年以内に大型リニューアルをするとして、パチスロの減台を検討していたホールが、減台を思いとどまる、という状況もよく伝え聞く。

 

これ、しかしよくよく考えると、おそらく業界の歴史的に極めて異例の事態である。

それは「射幸性が抑制された規制になるのに、その規制に業界関係者の多くが期待を寄せている」という事態だからだ。

通常、規則であれ自主規制であれ、射幸性の抑制を目的に規制が強化される場合、新しい規制になる前の「駆け込み」需要が急増する。

開発企画も機種選定もなんでもかんでもそうだ。

ギリギリまで従前の規制のものに依存しようとし、新しい規制のものが浸透するのには時間がかかる。

これは、パチスロの話だけでも5.9号機よりも前の5.5号機、その前、と常にそうだった。

ぱちんこも同様で、319になる、65%になる、ヘソ4個になる、というとき、もちろんその前もずっとそうだった。

というか、「業界の長い歴史でずっとそうだった」と言っても過言ではない。

 

現在、私が知る限りはじめて到来した「射幸性が抑制される新しい規制に、業界関係者の多くが期待を寄せる」という状況。

これは、椿事である。

パチスロメーカーによっては開発済みの5.9号機を捨て、6.0号機に完全にシフトする方針のところも出てきた。

 

出玉性能を差枚数で考えた場合、一撃で3,000枚規模の差枚数が得られる可能性がある5.9号機と比較すると、事実上リミッタ搭載となった6.0号機はどんなに頑張っても2,400枚の差枚数が出た時点で有利区間は強制終了となる。

一撃獲得枚数が600枚も引き下げられた規制に業界の多くが期待を寄せる。

かなり特殊な状況であることは理解できるだろう。

 

もっとも、純増枚数制限がなくなり設定格差を設けることも可能となった。

ゲーム性的には開発自由度はかなり高くなるため、ここに開発企画の腕を見せるところがある。

「出玉性能は落ちるけど、ゲーム性はより高くすることができる規制」に、メーカーの多くが雰囲気を良くしホールがそれに期待を寄せる。

こういう状況を業界が迎えるのはおそらくはじめてのことだけに、この椿事は後の成功例の一つとして残って欲しい。

 

そのためにも、今年6.0号機の大ヒット機が登場しますように。

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