SNSを舞台にしたホールの炎上騒ぎから考える「ホールとプレイヤーのSNSでの向き合い方」
SNSを舞台にしたホールの炎上騒ぎが相次いだ。僕のYouTubeチャンネル(まんぱつ)で扱ったところ想定以上の反響をいただき、当事者各位にお気の毒だと申し上げつつも、底辺YouTuberとしては実に「ありがたい」一連であった。
ざっくりとした概要は、設定Lを使用した、事実と異なる遊技説明POPを掲示したという、プレイヤーに対し不誠実な印象を与える営業上の瑕疵があり、それに対するフォローが不十分だったために燃え上がってしまった事案である。ホールと業界に対する不信感、日頃から負けている不満、そして「金持ち業界」に対する妬みや嫉みの感情が一気に噴き出した形と言え、皆が好きで遊びに行ってるはずなのに、心の内にはいつもルサンチマンが燻っているのが「パチンコファン」の実像なのだと改めて感じている。
隙あらば叩いてやろうと手ぐすね引いているファンとは一体……? 数字の上では未だ数百万の参加人口を抱える国民的娯楽であるのは間違いないが、その「好き」のニュアンスは、他ジャンルの一般的娯楽とは大きく異なる。大多数はパチンコそれ自体が、遊技そのものが好きなのではなく、結果として得られる「カネ」が好きなだけのように思える。いやホール自身も、安心して楽しめる娯楽場を提供したいなんて建前は二の次であり、もちろん儲かるから業を営んでいるわけで、どっちもどっちだと言えよう。出汁に使われるパチンコが不憫だよね……なんて上から目線で高説を垂れている僕ではあるが、やっぱりお金になるから遊んでいるし仕事にもしているわけで、そういう点では同じ穴の狢にすぎなかったりする。まこと因果な商売よなぁと、いつもながら着地点のないお気持ち表明をさせてもらうしかないのだ。
チャンネルやTwitterに寄せられた多数のコメントには漏れなく目を通した。ほぼ100%がホールと業界に対する批判であって、プレイヤー視点として理解はできるものの、実は僕の考えとはニュアンスが異なっている。設定Lを使う店は許せん、スペック違いのPOPを掲示する店はクソ。こんなコメントがものすごく多かったのだが、僕はその行為自体を「悪」とは思わないのだ。違法でもない限りは、客に対し何をどう訴えるかは個々のホールの自由であり勝手である。不誠実と思われるかもしれないリスクを承知の上で、好きにやればええだけであるし、客の側も不満に思うなら行かなければいい。それ以上でも以下でもない。今回炎上したホールはいずれも繁盛店で、支持して遊びに行くプレイヤーがいる以上は悪徳ボッタクリ営業でもないのだろうし、むしろメリハリを効かせたパチンコ業界らしいとっぽさが垣間見られ、業界マニアの僕からすると微笑ましいとすら感じたぐらいだった。
まあでも感性は人それぞれ、また僕のような特殊なプレイヤーはごく一部だろう。多数から「非」があると目されてしまったのならばもちろん誠意を持って謝るべきだったし、事後処理にあたるべきだった。ごめんなさい、悪かった、再発しないよう対策を講じる。現場で然るべき立場の人が(内心はさておき)非を認め誠心誠意頭を下げていれば、あるいはSNSできちんとその旨表明すれば、炎上にまで発展することもなかったのではないか。苦しい釈明を繰り返したり、約款に掲げているからと木で鼻をくくったような対応をする、これは悪手である。人間が介在する限りは「ヒューマンエラー」は避けられない。だからこそ、事後処理に心を砕かなかった点は残念と言うほかない。
SNSの時代、プレイヤーメンタルを鑑みても、ホールと業界に対するネガな情報は瞬く間に拡散するし、それが一部企業だけの不手際であっても、業界全体の問題のように拡大解釈もされがちである。火の粉を払っただけのつもりが、一切関係のない「ちゃんとやっている」業界企業を延焼させることにもなりかねない。ネットの炎上なんて一過性、大半のお客様は知らずに遊びに来てるから……そんな慢心の積み重ねがこの苦しい業界の現状を招いた一因とも言えるのではないか。今後ますますSNSプロモーションの重要性は増して行く。軽く考えてほしくない問題である。
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