【ゴルゴ疾風】壊れた?と本気で心配になる「フリーズ演出」の魅力
フリーズ演出
私、モンキー・パンチ臭の強い『ルパン三世』が大好きでして。原作漫画は全巻揃えて持っているのですが、入りはTVシリーズからでした。
モンキー・パンチ臭が最も強いのは1971年(昭和46年)10月から始まった第1シリーズ。しかし生まれた年なので観ているわけもなく。1977年(昭和52年)10月から始まった第2シリーズの、恐らく再放送でハマった口です。
その第2シリーズの人気を受けて製作されたのが劇場映画第1作『ルパン三世』。後にパッケージ化される際に他の作品と区別するため、副題が付けられて『ルパン三世~ルパンVS複製人間~』となり、シュール過ぎる内容ながら興業的に成功しました。結果、世にも有名な宮崎駿監督作品である劇場映画第2作『ルパン三世 カリオストロの城』へと繋がるのですが、それはまた別の話。
『ルパン三世~ルパンVS複製人間~』というダークで、シュールで、サイケデリックで、宗教的で、哲学的な作品が最もモンキー・パンチ臭が強いと思われ、アニメ化された『ルパン三世』シリーズの中では“異端”であろうこの作品を愛して止まない私と致しましては、その敵役である「マモー」をモチーフにしたパチンコ遊技機がようやく登場したことがあまりに嬉しくて、導入直後から『Pルパン三世~復活のマモー~』を打っていたわけです。「やっぱ最高にカッコよくて可愛いなぁ、マモーって♪」とか言いながら。
ところがその話を周りにすると悉く、「え? いやいや、今は『ゴルゴ』でしょ。絶対に好きだと思うよ。ウエノ向きだよ」と言われ続けたのです。
いや、“デーニスト”として『ゴルゴ』シリーズを打ちまくってきた者としては『マモー』が落ち着き次第、触りまくる予定だったのですが、あまりにも周りに言われるので『PFゴルゴ13 疾風ver.』を急いで打ってみたところ……。
今ではパチ屋に行くと『ゴルゴ』→『マモー』→『韋駄天』→『漆黒』→『無双』の順になりました。ありがとうございました。
ちなみに年末年始くらいに放送されるCSやネット配信、DVDなどの動画、誌面記事などではまだ『マモー』のことしか語っていないと思いますが、あしからず。
何にハマったのかといえば、間違いなく「フリーズ演出」です。
変動開始直後にオッサンの顔がドーンで画面一杯に出てきて「あの男は……」とセリフを出して白黒反転し、停止する。さあ、何に発展するのか……と身構える、身構える、身構える……えーっと。
まったく動かないんですけど!
いやいや、そんなはずはない。もう動くだろ、動くはず、動く、動……かない。
うん、壊れたな。店員さーん、これ壊れ……
デーーーーン! ゴルゴが左下から、デーーーーン!!
……って、演出だったのかよ! フリーズ演出だったのかよ! おい!!
体感的に1分以上、白黒になったオッサンの画像が無音で停止していたら、バグったって普通は思いますよね? ね? 内部的に擬似連をしていたようなんですが、初見じゃ判りづらすぎる。しかし、久しぶりに「壊れた?」って本気で思うフリーズに出会えたことで、完全にハマりました。ありがとうございました。
私が初めてフリーズ演出を意識したのは2002年の初代『ミリオンゴッド』だと記憶しております。液晶画面ブラックアウトからのGOD図柄揃いで一撃等価10万円という衝撃的な演出ですが、消えるときに昔のブラウン管消灯のような演出があるので「壊れた?」とはならなかったわけです。
その後もパチスロを中心に「フリーズ演出」というのは数々ありまして。例えば2012年の『パチスロ鉄拳2デビルVer.』のリールが逆回転する「デビルフリーズ」、2014年『アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUSver.-』の画面クラッシュ「ロングフリーズ」などは、動作や演出的には「壊れた?」という感じなのですが、実際にはそうは思えず。
2015年『ミリオンゴッド-神々の凱旋-』の第1停止フリーズは一瞬「え?」となりますが、刹那ブラックアウトするため、「壊れた?」まではいきませんでした。
そこでいうと2009年『忍魂』のいわゆる「ベルフリーズ」は完全に「壊れた?」となった逸品でした。
普通にベルが揃って、MAXベットでレバーオンしているのに、動かない。もう一回、MAXベットしても音沙汰なし。ストップボタンを押しても反応なくて「え? なになに? 壊れた?」となったところで「忍之一字!」って。
最高でしたね。間違いなく。
5号機規制で禁止されたレバーオンフリーズが搭載できない代わりに、ベルが揃った後の演出でフリーズ状態を作り出すという知恵には感服いたしました。ありがとうございました。
功罪ある規制の“功”の部分。こういうのがひねり出されるから、いわゆる“グレー”なPS業界というのは面白い♪……のは、さておき。
「壊れた?」と本気で思うことによってもたらされる不安から、一気に歓びに変わる気持ちよさ。心理学的に「参考点依存」というのですが、要するに0から+10に上がるよりも、-10に参考点を下げてからの+10は差分+20になるわけで、そのほうが断然、気持ちがいいわけです。
ですから「壊れた?」と本気で思わせるフリーズ演出を今後も作り出していただけるよう、メーカー開発の方々には切に願うわけです。よろしくお願いします。
まあ、「あの男は……」擬似連の信頼度はトータル20%ちょいという話なので、そこはもうちょっと欲しかったなぁというのはありますが、それでも十分満足です♪
ちなみに『ゴルゴ疾風』にハマったもうひとつの演出に『ビッグスナイプチャレンジ』の「一撃チャレンジ」があります。
「10%の才能と20%の努力、そして30%の臆病さ…残り」と言った後、デューク東郷が銃を構えたまま停止。○○%の数字だけがカウントアップしていく、ある意味、「フリーズ演出」がありまして。『パチスロ黄門ちゃま 喝』の「家康降臨」が大好きだった者としては、この「まだ動かないで! まだ動かないで! 動いちゃダメーーーー!!!!」と心の中で叫ぶ、言うなれば「フリーズ終わらないで演出」もたまりません。
いずれもフリーズが長引けば長引くほど気持ちよくなれる2つの演出。「あの男は……」で当たって、「一撃チャレンジ」で100%までフリーズを念じる戦いに本日も出向くことになりそうです! このマシンを生み出してくれた開発陣よ、ありがとうございます! 助かります!!
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