【新型コロナ】世間の「パチンコ問題視」が回避できないのは玉虫色施策 遊技客愚民化を続けてきたゆえのツケ!?「応援してもらえるパチンコ」になるためには!?
猛威を振るうコロナ禍の中、打ち手として、そして関係者の一人として、改めて「パチンコとは何であるか」と、根源的な問いかけへの答えを探している。勝ち負けとか楽しいとか、そもそもの動機はもはや置き去りにして、自己満足に過ぎない、パチンコ産業の発展にも一切寄与しない、そして確たる回答には至らない(だろう)思索にふける。それ自体が趣味でありライフワークでもあり、このご時世、不謹慎かもしれないがパチンコとはこういう楽しみ方もあるのだと、懐の深さを実感してもいる。
著書『パチンコ滅亡論』で、パチンコとは「正体の見えない玉虫色の存在」だと、一旦は結論づけた。遊技なのかギャンブルなのか、合法なのかグレーなのか、(やむを得ずの部分もあるが)出処進退をはっきりさせずに立ち回り、利用することでパチンコは発展してきた。打ち手にとっても、時により立場により、娯楽だったりギャンブルだったり「仕事」であったり、あるいは憎悪の対象ともなる摩訶不思議な対象である。追求しても核心はないし、各者それぞれのパチンコ像がある。だからわからないものはわからないまま、ありのままに受け入れよう……思考停止かもしれないがこれが35年かけて培われた僕のパチンコ観である。
つかみどころがないからタフな産業なのだ、興味が尽きない娯楽なのだと言える反面、いわゆる一括りの「パチンコ業界」として何かを成さねばならない場面では、この多面性が重すぎる足かせとなる。すなわち、現在コロナ禍に揺れる(特に東京での)状況である。
前回、震災時のように集団ヒステリーの的にはされていないと述べたが、感染拡大が止まらない中、状況は変わりつつある。一般社会のみならず、プレイヤー間でも、なぜ休業しないのか、自粛要請への対応が遅いのか、疑問が広がっている。また、足並みの揃わなさ等、以前より問題視されてきた業界体質が改めてクローズアップされてもいる。客観的に見て、ここまでの業界サイドの取り組みが不足していたとは考えていないし、ゼロリスク論的同調圧力に率先して対応すべきというのは暴論だとも思う。しかし、「世間様に生かされている」娯楽産業として、取り組みや見通しについて業界オフィシャルのステイトメントが(4/1現在)ないのはなぜなのか。
外向けだけではない。感染症であるから、プレイヤーや現場スタッフを「加害者」と見なす風潮だって生まれかねない。そうなるのを防ぐ、大切なお客様や従業員が矢面に立たされるのを守る、感染客が拡散するようなふるまいに注意喚起する等も個々のホール事業者任せになっているのだ。風向きを読めとしつこく言ってきたが、「パチンコおかしくね?」の暴風が吹き荒れ始めた現状なのに、である。
これに関し、いったいどうなってんだと、さまざまな職域の業界人に意見を求めた。業界を動かし、産業全体と雇用を守るべき責任を負う立場の人も含まれる。それぞれで意見が異なる部分はもちろんあるのだが、通底しているひとつの思想が垣間見えたのは収穫というか、悲しいというか、予想通りというか……、それは「諦観」である。
何をしても叩かれる、理解されない。筋の通った主張でも、揚げ足を取られ逆に「グレーの部分」が掘り出される藪蛇を招く。そして、身を切る施策に大多数が賛同したとしても、必ずやはぐれ者が現れ、足を引っ張る。そのふるまいが業界体質の象徴として認識されてしまう。そして遊技客は、あまりにおめでたく、なのに業界の言い分には耳を貸さない。だから、能動的に踏み切れない。やるべきなのはわかっているが、それが「余計なこと」になるのなら、ビジネス、雇用が優先されるのは致し方ない……。もちろん温度差はあるし、変わるきっかけにしたいと前向きな声もあった。しかし、業としてある種の悟りに至った点は共通、そしてそれは僕の中にも存在しているものだ。
まさに「ですよね…」、である。玉虫色施策、遊技客愚民化を続けてきたゆえのツケであり宿命である。もうどうにもならない、だから業界は目立たず日陰者であり続けるべきだ論にも首肯できる部分はある。うさんくさい、どうしようもない部分こそ面白いのも、僕の本音でもある。しかしそれで、パチンコに未来はあるのだろうか?とも考える。カジノの開業が近づく中、パチンコはギャンブルではなく、正しく遊技(娯楽)として生きる道を選ばざるを得ない(第3極を目指す考え方もあるが)。「グレー」のなぁなぁが許されなくなり、ド正論のみを是とする大衆心理が「常識」となる世情である。ネットの普及で、これまで可視化されなかった不都合が次々明るみに出る。世界的な保守化傾向が顕著な中、歪んだナショナリズムの的にもされる。パチンコが潜んできた、居心地のいい「隙間」は、もはや埋められる寸前なのである。
もちろんこれだけの産業であるのだから、大きな括りでの「業界」が目指すビジョンはもちろんあるだろうし、僕(や遊技客や現場)が見えないところで、対警察だったり政治であったりの雲の上レベルで走っている未来開拓計画がいくつもあるのは間違いない。そこは我々下々が関与できる部分ではないが、でも任せきりにもしたくはないのである。具体的でなくてもいい、どうしたいか、どうなりそうか、業界内にも遊技客にも、そのイメージだけでいいから見せてくれんかなと思う。でないと、この業界で働きようもなければ、期待を持って遊技することも難しくなる。だから近視眼的な振る舞いが業界の常識なのである。
業界人としても打ち手としても、僕はまだパチンコをあきらめたくはないのだ。失笑されても、この愛すべき玉虫色のパチンコを未来に受け継いでもらいたいのである。良かった時代には戻れないのだから、何色か抜け落ちるかもしれない。それでも黒一色よりいいではないか。このままでは、先達が拓いてきた広大な市場と文化を、焼き畑的に消費するだけ。それは、先達だけではなく、パチンコを楽しみたい、パチンコ業界で働きたい、そんな若い世代に対し、あまりに無責任な態度である。パチンコはどうあるべきか。どう変わるべきか。パチンコにとっては理不尽なこの社会と、もっとスマートに渡り合える(もちろん理想は共生できる)アイディアはないものか。しかし正論を吐いて世の中を啓蒙しようなどとイキるのは、パチンコ業界の柄でもなければ面白くもない。バカバカしくても毒があってもいいと思う。あらゆる面で、「らしいよね」って打ち出しは考えられるし、わかってもらうための努力そのままをエンタメ化できてこそのパチンコではないか。もっと話そう、連携しよう。いっそプレイヤーも巻き込んでしまおう。そして、トライ&エラーを継続してこそ、次世代のパチンコカラーが見えてくる。元の色とは違うかもしれない、でも再び七色に輝かせよう! 業界内各職域、属性が共有できるビジョンを持ち、諦観を前向きに転換できれば、それは可能だと思う。そして僕ごときが偉そうにしなくても、あるいは遊技客の代弁者を気取らなくても、お客さんが進んで遊んでくれるパチンコになるだろう。あきらめたくない業界人は多数いる。その事実が「雲の上レベル」に届いてほしいと思う。
……というわけで、例によってオマエ何者だよ誰に言ってんだよって冗長な内容になってしまいましたが(スミマセン…)、プレイヤーの皆さんに向けては、キレるのはもうちょっと待って!と申し上げたい。微力ですが、楽しくて、もっと勝てて、そして応援してもらえるパチンコにしたいと、有志と共に行動を始めています。まだまだ青保留ですが、金色に昇格させる気マンマンです。
※コロナ対応に関しては、状況に即した大きな施策が打たれるのではないかとの報も届いています。感染によって亡くなられた方にお悔やみを申し上げると共に、闘病中の方の速やかな回復を心よりお祈り申し上げます。
平穏な日常を一日も早く取り戻すために、慎重な行動と拡大防止への協力を。がんばろう!
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