大崎一万発が業界関係者へ魂の提言!「つまんない」パチスロを見捨てるな!
僕はパチンコとパチスロ、どちらも遊技するバイプレイヤーである。肩書きは一応「パチンコライター」としているが、4号機〜5号機初期にかけての一時期はさっぱりパチンコに興味が湧かず、名前を大崎一万枚に変えてパチスロライターに転業しようか真剣に悩んだこともある(笑)
そんな自分であるが、このところパチスロを触ることがほとんどなくなってしまった。理由は身も蓋もなく、端的に「つまんない」から。ここ20年のパチスロ黄金期に築かれた近代パチスロのいいところ面白いところアツいところ、すなわち「これがパチスロのゲーム性」と刷り込まれたほとんどすべてが6号機となってブチ壊しになってしまったからである。
のめりこみ防止? いやいや、大人の遊びなんだからちょっとは毒がなきゃつまんないじゃないですか。なんでパチスロだけがこんな仕打ちを……とは思うけれど、警察にとってパチンコ・パチスロとは、安心安全な娯楽の範疇を超えるものであってはならない。その建前を守る無粋なおせっかいが彼らの仕事であるから、こうなった以上は文句ではなく前を向いて現実を受け入れるしかないのだが、これがなかなか、いやほんと、しんどいのである。
「6号機のココがダメ」に関してはうんざりするほど語られているし各位身をもって感じておられるだろうから重複は避けるが、僕個人で言えば、「ゲームの間延び」が一番のクリティカルダメージである。ボーナスやAT当選にほとんど期待できない区間を延々回す作業感。おためごかしのチャンスゾーンに付き合わされる徒労感。予想に違わず天井まで連れていかれる救いのなさ。レバーという武器で小役やボーナスを引いて「攻める」のがパチスロ遊技の原点だったはずが、武器を気分だけのエアガンに持ち替えさせられ、特定ゲーム数や天井を待つゲーム性へと180度変わってしまったように感じる。僕にとっては有利区間や低設定の夢のなさより、攻めから受けへとひっくり返った打感の影響が大きい。
だから、どうせ同じ「待ち」なら出玉上限のないパチンコの方がいいよね、ってことで、僕と同じ部分で6号機に不満を感じているプレイヤーがパチンコ向かうのは必然だし、それを狙ってパチンコの強化に乗り出すホールが少なくないのもうなずける。業界誌には「凱旋・沖ドキの受け皿は韋駄天!」なんて惹句も並んでいるが……ことはそう単純なのだろうかとも考える。
僕の周りにもパチスロしか打たず、6号機になっても変わらずパチンコに手を出さないプレイヤーがいる。いや確かに、一撃性や出玉スピードを重視し、まぐれ当たりのレアフラグを夢見て、ギャンブルとしてパチスロを打っていた層(僕もどちらかといえばその類である)は少なからず韋駄天やゴルゴに向かった。が、動かない人たちは、パチスロを選んだ動機がそもそも違うのだ。
パチンコとパチスロ、どちらが好きになるかは、ゲーム性(攻略)のプロセスの違いだと僕は考える。事前の情報収集と分析を元に狙い台を定め、打ちながらの補正を交えつつ正解=高設定台に近づいていくプロセスを楽しむのがパチスロ。1ゲーム毎すべての確率、数値は事前に机上で計算することが可能で、かつ攻略術は確たる根拠と再現性を持つデジタルなゲーム性だ。実戦は事前準備の答え合わせの側面がある。
対してパチンコは、同じ機種でも台毎、店毎に千差万別の顔を持つ。攻略すべきは釘調整という無段階かつアナログな敵。しかも、回転率、出玉、玉持ち等、各パラメーターのバランスはいざ台を前にしないとわからない。「2万円儲かる台」でも、その組み合わせは無数にあるのだ。技術介入にしても基本は単純だが、現場に落とし込んでカネに結びつけるには、理屈よりも応用力が重要だったりする。答えは最初からわかっているが、その「式」は打ってみないと描き出すことができないし、ネットを検索してもその台に通用する最適解は見つけられないのがパチンコである。
アナログかデジタルか。文系か理系か。応用力か記憶力か。待ちか攻めかの打感だけでなく、両者の楽しみ方は根本的に異なる。同じく球技でも、野球とサッカーぐらいの違いがあると言っても過言ではない。そして若いプレーヤーは、パチスロならではの部分・ゲーム性が気に入って、積極的理由でパチスロを選んでいるのだ。だからただ出ればいい、早けりゃいいでパチンコにスライドしてくれるとは、僕にはちょっと思えないのである。
6.1号機で間延び感はずいぶんと緩和され、5号機に近いメリハリのあるゲーム性を再び楽しめるようになりそうだと期待はされている。有利区間撤廃の噂も根強くある。しかし一部緩和が実現したとて、遊技機規則が変わらない限りは5号機時代の再来は願うべくもない。そしてパチンコがどんだけ盛り上がろうと、パチスロ愛溢れる頑固なプレイヤーはパチスロを打ち続けるのである。
パチスロがダメになったからじゃあパチンコで……みたいなご都合主義でプレイヤーを転がそうとすれば、6号機でも残ってくれた大事なお客様を離反させることにつながりはしないか。ギャンブル好き、ではなく、パチスロ好きのプレイヤーを驚喜させる営業のやり方はもっともっと考えられるのではないか。……1ゲームヤメが並ぶ誰もいないシマで、設定1だとわかりきった吉宗を、800ゲーム目指して黙々と回す作業に没頭しつつ、パチスロの行く末を案じる。期待して台に座りたいのである。わかってる店だなぁって、店長の心意気を受け取りたいのである。どうかパチスロを見捨てないでほしい。パチンコもパチスロも、どっちも盛り上げてほしい。大崎一万枚としての願いである。
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