森本レオ子のグラビア掲載誌がプレミア価格に？周囲の反響について聞いてみた (3/3)

尊敬する沖ヒカルと一緒に仕事をしたくないワケ

そして尊敬している人は沖ヒカルさん。

はい。沖さんだけと言ってもいいですね(笑)

業界で唯一尊敬していると。

そうですね。大崎さんも尊敬してるとこはありますけど、トータルで考えたらしないじゃないですか(笑)

尊敬してるからこそ沖さんには「こんなやつなんだ」って思われたらちょっと嫌だし、見透かされたくないんで一緒に仕事したくないです。

「沖に召すままに！」でも「近づきすぎて嫌われたくない」と仰ってましたね。

そうそう！本当にそう思ってます。

沖さんは何冊か本を出してるんですけど、「沖ヒカルの煩悩雑記」はパチスロと麻雀のことを書いてるのに知らない人でも絶対に面白いんですよ。

哲学があって言葉遣いも面白い上にテンポも良くて知的、全部がフルで揃ってるんです。コラムの中では自分のことをダメな人としてとらえてるんですけど、脱いでいく文体でありながら飾ってて、無駄がなくて、なんて素晴らしいんだろうって思いましたね。

わかります。

あれをパチンコ・パチスロをメインでやってるライターさんが出してるってとんでもないし、それができるのはたぶん沖さんだけじゃないかなっていうのがあります。あれは本当に名著です(笑)

ななプレスでもインタビューさせていただきましたが、やっぱりご本人から出てくる言葉がすごく洗練されてるというか、文面としてそのまま記事にできるレベルなんですよね。

そうなんですよね。あと根本的に自分のことをダメな人間だと思ってるところがちょっと身近な感じがするんです。

遠い存在なのに僕ら側にいてくれる感じがしますよね。

そうそう。でも近寄りたくはないんですけどね(笑)

他にも洗練されたものだけじゃなくて、色んなものから面白いって思う人ですし、やっぱりあの働き方も憧れます。週の半分は休んでますからね。ああなりたいですけど仕事って1つ断ったら全部倒れるからあれをやる勇気はないし、あのトガり方はすごいなって思います。

基本ずっとネット麻雀されてますよね(笑)。「ロン2」の最終ログイン日を見ると、沖さんはほぼ毎日更新されてるんですよ。

沖さんって「ロン2」も「天鳳」もやってるんだ。ヤバいな(笑)

沖さんって見た目も奇抜じゃないですか。目立つ格好をするってすごいなっていうのもありますね。あの手の文化的な洞察力のある人って自意識が自分に向くからなるべく地味にしたいというか、気配を消したがるイメージで、なるべくツッコまれたくないし、見てる側にいたいっていうメンタルが働くって勝手に思ってたんです。

それを自分に昇華するボディの強さというか。

すごいですよね。外に出る人と書く人ってメンタル真逆だと思ってたんですけど、あんなにどっちも向いてる人っているんだなって思いました。

でも沖さんにインタビューとか絶対したくないです(笑)

緊張しそうだからとかですか？

怖いですし、わざわざ本人の口から聞きたいことってないんですよ。こっちが勝手に察したいことが山ほどあって、「ああですか？こうですか？」って答え合わせをするのはやりたいですけどね。

まさに動画でやってましたね(笑)。沖さんに「原稿でよく『／』を使うのは菊地成孔の影響？」と聞くところが森本さんらしかったです。

※菊地成孔：ジャズミュージシャン、文筆家、音楽講師など、様々な肩書きを持つ多彩な人物。TBSラジオで人気を集めた「菊地成孔の粋な夜電波」は書籍化もされている。彼のテキストでは句読点の代わりに「／」が用いられる

絶対そうだと思ってました(笑)。句読点だと隙間がすごい空いちゃうんですけど「／」だったら埋まるというか、「そういうことなんですか？」って聞いたら「よくわかってるね」って言われて超嬉しかったです。

字面やテンポもありますけど見た目もありますよね。

あります。私も句点使いたくなくて「・」とか使いますけどやっぱり「／」の方が良くて、「／」は沖さんのものだと思ってたから、「マネしてもいいですか？」って言ったんです。そしたら「全然いいよ」って言ってくださったんで何回か使いました。でも全然ものにならないですね(笑)

沖さんが使ってると空白が埋まってるように見えるのに、私が使うと違和感しかなくて、たぶん空白を消すことだけじゃなくて前後の文体まで直していかなくちゃいけないんだなと思いました。あれは私には使いこなせないです。

人の文体を取り入れるのは難しいですよね。

難しい。後輩でもすごくテクニカルってわけじゃないし、私と巨砲さんくらいしかうまいって言わないんですけど、感じのいい文章をスッと書ける子がいるんですよ。あれは私には書けないです。

「エキスパート」森本レオ子編　第2回でした！

ラストの1ページは丸々沖さんについて語っていただきました。動画でも面白かった本の話で盛り上がったり、サブカル系あるあるで共感したり、まさに「ソウルメイト」といった感じのお2人でしたね。今後、コラボコラムなどがあればぜひ読んでみたいものです。

次回はパチンコをテーマに打ち始めたきっかけや、生涯・現行機種ベスト、迷機などを伺っていきます。