【キングキャメル】色々初めて尽くし!超斬新だったあのパチスロ機種について振り返る!
チワッスあしのです。
パチンコ・パチスロに纏わる「ふわっと理解している事」を個人的に調べて解説するこちらのコラム。今回は『キングキャメル』について。かなり特殊な機械だったので記憶に残っている方も多いと思います。果たして何が特殊だったのか。そう。説明不要のアレらですな。ちょっとおさらいしてみましょう。どうぞ!
業界初! 疑似メインリール&1ライン機!
さあ『キングキャメル』これはサミーさんが2003年に出した機種ですね。
先にズバッと答えを出しちゃうと、この機種は業界初の1ライン機でございました。1ラインというのは、これは有効ラインがいっこしかないですよという意味。今は有効ラインが少ない機種はさして珍しくもないのですが、4号機当時は5ラインが基本でそれに変則ラインを2つを足した7ライン機というのが多かったです。理由としてはストック機が全盛期であったこと。規則上、ライン数を増やせばボーナス成立確率を上げることができるので、当時はストック切れを防止するために有効ラインを足すというのはよく見られた仕組みでした。ちなみに史上最多のラインを持つのは3リールの限界値である27ライン。この機種の場合のボーナス確率はなんと「1/10」になっていました(※ビッグボーナス非搭載のCタイプでした)
んでこのキングキャメルという機種はもう一つ特徴があって、それが「ボーナス非搭載」であること。これは「ミリオンゴッド」を例に出すまでもなく史上初ではないのですが、1リールかつボーナス非搭載というと、なんとも遊びの幅が激低になってしまうのでは……。と、実はこの機種はもうひとつ業界初のギミックがあり、それが「疑似メインリール」です。
「疑似メインリール」。ただの疑似リールは当時すでにありました。結局のところ疑似リールとは「演出用リール」でありまして、ボタンに連動するなりレバーに連動するなり、あとは時限式で動いたり巻き戻ったりするやつを指すわけで。要するに山佐さんの「テトラリール」なんかがそれにあたります。が、『キングキャメル』の凄い所は通常の機種で「メインリール」があるべき場所にみっつ演出用のリールが鎮座しており、ボタンに連動して止まるというもの。実は画面の上部にあるちっちゃいリールが本来の「メインリール」で、目の前のデカいリールはそれとは何も関係ない演出用のギミックにすぎません。なのでアホみたいに滑るしユラユラ揺れるし変幻自在に動かせる。
この「メインリールをちっちゃくしてギミックをメインの場所にもってくる」という考え方はのちにロデオさんの『カイジ』で採用されたビデオリールに受け継がれ、特に5号機においてはかなり一般的になっていきます。
独特すぎるゲーム性!
1ラインであることと「疑似メインリール」であること。この2つだけでもかなり独特ですが、『キングキャメル』はシステムも他の追随を許さぬ不思議なものでした。なんとこいつ当時すっかり廃れてしまっていた「集中」を搭載しており、それとATと組み合わせる事で出玉の波を作り出してました。
集中、というのはSIN(シングルボーナス)が文字通り集中する状態。当時SIN搭載機は特にAT機において通常時のベースを下げつつ爆発力を担保するために搭載されたりしてましたが、基本的には常に「高確率で成立してる」ものであって、その確率が変動する「集中」というのはギリギリ同時期の台だと「クラブロデオ」くらいしか無かったように記憶しています。もうちょっと前だと「極」というイカした台があったのですが、なんにせよ種類は少ない。んでその少ないうちのひとつが本機です。
で、集中のシステムはそれぞれ独特ですが、こいつの場合は「集中=出玉区間」とはならず。ナビがないのでメダル持ちが良くなる程度でした。じゃあ意味ねぇじゃんと思うかも知れませんが、こいつは「集中」中にAT(ナビがでる状態)をまた別に抽選し、それに当選したらAT「キャメルチャンス」に入ると。ここまでまあいいのですが、ちょっとめんどくさいのが「集中」中は「集中」のパンク抽選が行われておるのにくわえ、AT中はさらにATのパンク抽選も行われるダブルパンク仕様となっていました。集中のパンク率が「約1/87」で、ATのパンク率は「約1/8.9」。ATの方はたまにロング継続がありますが、基本はすぐパンクします。
要するにATに突入しヒャッハーと思ってもATあるいは集中のパンクに引っかかるとサクッと終わる。しかも終わったあとも内部的には集中が継続しておるのでたまにSINが揃う。またAT当選するとナビがでるようになる。これは「アラジンA」のAT高確率状態を別の角度から再現してるとも言えるのですが、これとは別に図柄揃いで突入する「ミドルボーナス」「キングボーナス」という、いまでいう疑似ボーナスみたいなのがあり。こっちは平均継続率が「キャメルチャンス」より長いよ!という触れ込みでしたが、そうなると今度は「集中」のパンクがネックになります。要するにボーナスランプが点灯してんのに全然メダルが増えねぇ! という謎の状況に。今ではわりといろんなシステムがあってそれが許容されたり面白がったりされてますが、この機種は1ラインしかり疑似リールしかりスペックしかりが時代を先取りすぎ、悪く言っちゃうと「異端な台」として認知されていたきらいがあります。そのため、稼働期間は極短期間で終わってしまいました。
今振り返ると結構面白かったような気はするのですが、まー当時はね。他にも打ちたい台がめちゃくちゃありましたゆえ。あえて「普通と違うから面白い」みたいなトリッキーな志向でこれを打ち込んだひとというのは、もしかしたら少数派だったのかもしれません。ただ、ここで生み出された「疑似メインリール」という考え方は、その後のパチスロ界に大きな影響を与えたのは間違いありません。そういう意味では偉大なり、キングキャメル。
筆者もそんなに打たなかったです
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